2018.07.17
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「笑う門には」今日無駄より ~1学期の終わり方~(第7回)

はじめに。
前回は、関西での地震についてのお見舞いを申し上げました。
まさか、続けてこんなにも不幸な災害が起きるとは。。。
平成30年7月豪雨災害で亡くなられた方、行方のわからない方、
被害に遭われた方、。。。言葉になりません。
本当に想定外、というのはもうないのだな、と改めて感じました。
今の自分に何ができるのだろう?
大自然は本当に素晴らしいです。
しかし、その猛威のすごさに何もできない私がいます。
被災された方に何ができるかを自分なりに考え、
まさか熊本で、ということが起きてもいいような備えをしておかねばと思います。

まもなく夏休みを迎えます。
梅雨が明けたと同時に猛暑に襲われています。
被災地では、どのような状況になっているのだろう?と思います。
悲しむことは大切ですが、
身の回りにいる私の学校の子どもたちに楽しく1学期を終えられ、
有意義な夏休みを迎えられるようにすることも
今の私にできることだろうと思います。
その元気な様子を見ている人、もっと元気な子どもにしようと努力されている人、
そういう輪が増えていくことも、被災された方への心遣いになると思って、
今回の連載を書いています。
今回は、教務だよりだけでなく、自分が出していた学級通信からも
1学期を終えることについて書いたことを掲載いたします。



熊本市立龍田小学校 教諭 笹原 信二

All's Well That Ends Well 

All's Well That Ends Well(終わりよければすべて良し)

All's Well That Ends Well 終わりよければすべて良し ラストをうまく飾って1学期を終えましょう

All's Well That Ends Well 
これはウイリアム・シェイクスピアによる戯曲のタイトルです。
日本語では「終わりよければすべてよし」。
年々学校がブラック化しています。
特に本年度は外国語が教科化されたり、特別の教科「道徳」が増えたり。
熊本市は電子化が導入されたために、通知表も煩雑になっています。
保護者からの要望、特別な支援を要する児童の増加、etc.
夜8時、9時になっても、学校の電気が明々とともっている、
こんなことはもはや当たり前になってきています。

いろいろと大変なことがあった1学期でしょうけど、
最後がうまくいけば、そこまでの苦労がかえっていい方向に進むことも多いのです。
本当の、本当のラストスパートです。


成長しない子どもはいない

「しんか」を求めて

「しんか」伸びたところを見つけていきましょう

いつものように落ち着きがない行動をとる、期待される行動をしない、
目標には達しない、いかにも前に進んでいないように見えます。
しかし、1学期の間に子どもたちは確実に成長しているのです。
教師が「これもできない。」「こんなことも終わっていない。」という
「できたか、できていないか?」という目で見ると
「できていない」子どもが多くなるでしょう。
しかし「伸びたか?」という目で見れば、
必ず伸びたところが見つけられます。
4年前の教務だよりでは「しんか」と表現しました。
「進化」している子どもたち、クラス、
認めてあげましょう。
さらに「深化」していくために、教師の「真価」をみせましょう。


通知表で書いたこと、書けなかったこと

通知表の所見に困ったら

通知表の所見はホジティブトとネガティブの黄金比率で

「7つ褒めて3つ叱るくらいがちょうどいい」
若い頃、先輩の先生から教えていただいた言葉です。
しかし、特別の教科「道徳」や外国語も言葉で評価することになり、
10項目を書くことはちょっと不可能でしょう。
二宮尊徳は「可愛くば 五つ教えて三つ褒め 二つ叱って良き人にせよ」
と教えています。素晴らしい言葉ですね。
しかし、これも10項目。
ボジティブシンキングの黄金比率によれば、
ポジティブ:ネガティブが3:1。
おそらくこれくらいを意識して書かれたことでしょう。
子どもをしっかりと見つめて、多面的に、良いところを認めて
しっかりと文章に表されたことでしょう。
練りに練った文章に書かれたことは、その子どもに対して
ずっと励まされてきたことだと思います。
もっと書きたかったこともあるでしょうし、
休み時間のあるひとコマのように
通知表に書くまでもないこともたくさんあるでしょう。
「そういえば、あのとき〇〇さんがこんなこと言ってくれたよね。」
ジャンケン大会で勝った、落ちている鉛筆を拾った、
何気ないことでも、ヒーロー、ヒロインにしていくことです。
運動会の応援団長などは、何度も、いろいろな先生、友だちから認められています。
日常の何気ない行動、言動を思い出させ、認めていく、
これが大切ですね。




振り返りの大切さを

学級通信「あしあと」

1学期を振り返って、子どもたちがどんなことに関心をもち、伸びたと感じているかをあらわしてみました

恥ずかしながら、かなり前の学級通信を掲載してみました。
この頃は「自分の通知表」をつけさせていました。
もちろん、そのためにはたくさんの経験を積ませ、
その都度、評価をさせていきました。
自己評価では、とても高く評価する子どももいれば、
とても低く評価する子どもがいます。
何度か評価を繰り返し、フィードバックしていくことで、
評価の規準を自分なりにもつようになります。
相互評価もいれていきます。
何かの体験があったら、すぐに書かせておくといいですね。
すぐに振り返させることです。
1学期の終わりだけに振り返りをしても、
2ヶ月ほど前の内容を思い出しなさいといきなり言われてもとなります。
旬なことは旬なうちに処理しましょう。

このときの学級通信に書いた項目は、
子どもたちが決めていったルールです。
学級通信で取り上げておくことで、記憶もよみがえってきます。
このあたりは「学級通信」シリーズで書いていこうかと思います。

とにかく「終わりよければすべてよし」
「雨過天晴」うまくいかずにうっとうしいという状況から
いい方向に進んで1学期が終わる、そうありたいですね。

笹原 信二(ささはら しんじ)

熊本市立龍田小学校 教諭
37年の教師人生を終えたが、もう少し学びたく再任用の道を選択。過去の経験を生かしつつ、新しいことにもチャレンジしていきたい。

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  • 今林 義勝

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  • 清水 智

    長野県公立小学校非常勤講師

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