2018.05.23
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「笑う門には」今日無駄より ~魔の六月にならないように~(第4回)

5月21日は、二十四節気では「小満」。
陽気がよくなり草木が成長して茂るという意味です。
農家では田植えの準備を始める頃。動物や植物にも活気があふれます。
「梅雨の前で爽やかな季節で過ごしやすい季節」なんですね。

ところが「五月蠅い」(うるさい)という言葉もあります。
「ハエ」が活動的になる気温になって、「五月蠅く」なる時期でもあります。
衛生的にもきびしい季節になってきます。

大型連休が終わって、本来は学習に集中する時期です。
しかし、最近では春の運動会が多くなってきて、落ち着かない時期になりがちです。
クラスは「五月蠅く」なっていませんか?
実りの秋を迎えるために、とても大切なこの時期をうまくすごしたいものですね。

熊本市立龍田小学校 教諭 笹原 信二

授業スタイルを広げる

5月のキーワード

大型連休が終わって、今度は7月までの1学期を見越した計画を立てましょう

大型連休はいかが過ごされたでしょうか?
来年は10連休になるのでは、と言われています。
4月に身につけたシステムが、
10連休でもとに戻ってしまうのではないか?
第2の学級びらきをしなければならないのでは?と
不安になってしまうのは私だけでしょうか?

来年のことはさておき、この時期からは
「授業」について力を注いでいきたいものです。
7月までの3ヶ月間を「90」ととらえます。
この90日間で、どのように自分の授業をステップアップさせ、子どもたちにどんな力をつけたいか、を考えていきます。
例えば、5月は徹底的にペアでの学び合いを鍛える、
6月は、それをグループでの学び合いにまで広げる、
7月には、クラス全体に広げていく、というようにステップアップするような計画を立てるのです。
授業のスタイルを広げる意識ですね。



授業を大切にする5つのポイント

魔の6月にならないように

魔の6月にならないためには、授業が大切になりますね。

五月病を乗り切ったと思ったら、今度は「魔の六月」。
学級崩壊の芽が出てくる、危険な月なのです。
言葉遣いが悪くなったり、忘れ物が増えたり、
けんかやトラブルが多くなったり。。。
6月が「人権・いじめ根絶月間」になっているのも、
そんな背景があるのでしょう。
ある町の人権標語応募作品に、作品を2つ見つけました。

「差別なく みんなにこにこ お・も・い・や・り」
「けんかして 仲直りして 笑顔さく きずなが深まる 大事な一歩」
こういう標語があてはまる行動がでてこないようにしたいのですが。

生徒指導も大切ですが、やはり授業をしっかり行うことが荒れを防ぐための一番の策です。
最近は「春の運動会」が増えて、この時期、運動会の練習に明け暮れることも多くなっています。
練習で厳しく指導される場合もあるでしょう。

切り替えが大切です。メリハリのある授業を展開し、笑顔で接する。
〇この学習ではどんな力をつけさせたいかを明確に!
〇教師側が話しすぎないで、子どもたちが表現する場面を確保する!
〇笑顔に勝る化粧なし!
〇明確な指示、簡潔な指示を!(運動会の練習ではいくつも指示される場合がある)
〇機会をとらえてほめる!
こういう意識をもって授業にのぞむことが大切です。




秋の実りのために、小事が大事

授業の中では、子どもたちに学習ルールが身についているかをみていきます。
4月に決めたシステムが乱れていないかどうか?
例えば言葉遣い、例えば立ち方、例えばノートに書く文字、etc.

最近では4月が勝負、4月に一生懸命働けばあとは。。といわれていましたが、
今では4月だけでは?と思うことが多くあるのです。
厳しいようですが、1学期が勝負だと思っています。
「小事が大事」「神は細部に宿る」
特に5月後半から7月にかけて。
ここを乗り切って、子どもたちの成長が見られてくると実りの秋が楽しみになってきます。

正念場です。大変ですが、あとひとがんばり!

笹原 信二(ささはら しんじ)

熊本市立龍田小学校 教諭
37年の教師人生を終えたが、もう少し学びたく再任用の道を選択。過去の経験を生かしつつ、新しいことにもチャレンジしていきたい。

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