さて、日本より一足早く夏休みに突入している香港より、今回は夏休みをテーマにお伝えしたいと思います。
■ 大学生の夏休み
長い夏休みの活用方法は人それぞれなのは日本も香港も同じようです。わたしは英語教育を専門として香港大学で学んでいますが、夏休みの間は海外へ出かけていくクラスメートがとても多いように思います。驚きだったのが、海外に留学している友達を頼りに出かけていく友人が多いことでした。香港には7つほどしか大学がなく、国内の大学に入学できないと海外の大学への留学を選択するケースも少なくないようです。日本との大きな違いを感じさせられます。
また、日本への旅行も根強い人気があるようで、「東京で買い物して、カラオケにも行きたい!」と目を輝かせているクラスメートもいました。日本へ旅行をするのが好きで、日本語を勉強している友人もいます。
また、夏休みの間だけアルバイトやインターンシップの仕事を見つける学生も多いようです。インターンシップも給料が支給されるものがほとんどのようで、相場は2~3000香港ドル(約2800~4200円)ほどのようです。お金をもらうためにというよりは、経験を積むために働きたいと考える学生が多数です。夏休みに経験を積んで、就職活動の際に仕事を見つけやすくしようというのが大方の狙いのようです。
大方の大学生は3ヶ月近くの長い夏休みを過ごすことになりますが、そんな中でも医学部の学生の夏休みは1ヶ月ほどで終了し、まだ半分近く夏休みが残っているわたしたちを尻目に授業が始まりました。そんな彼らにとっては「夏休みは集中して遊ぶ」もののようです。
香港大学の学生の夏休みの過ごし方についてお話ししましたが、今度は夏休みに香港へとやってくる旅行者の方に向けて情報をお送りしたいと思います。
■ 香港に旅行に来る旅行者へアドバイス
香港への旅行をしたことがある方は多いかと思いますが、パックツアーを利用して旅行するケースが一般的かと思います。プロの用意したコースを巡るのは安心ですが、移動手段はもっぱら貸し切りバスとなり、少し味気なく感じる方もいるのでは?そこでパックツアー以外で旅行に来る香港旅行上級者や、自由行動がスケジュールにある旅行者にお薦めしたいのが、公共の交通機関を利用した観光です。
香港では車を所有している人は少なく、移動はもっぱら公共機関を利用するのが一般的です。そのため、路線バスやタクシーが多く街中を走っており、簡単に拾うことができます。低運賃であることがなによりの魅力です。タクシーの初乗りが15香港ドル(約220円)と知って驚くのはきっと私だけじゃないでしょう。
しかし、バスの中には両替機がついていないため、小銭をたくさん用意しておかないといけない不便さがあり、また香港の慣れない切符発売機を格闘するのに煩わしさを感じることがあるかもしれません。そこでお薦めしたいのが、「オクトパスカード」購入です。
このオクトパスカードは電車・バス・フェリーに乗る際にピッとタッチするだけで料金を支払える磁気カードです。乗り物のほかにも、コンビニエンスストアーやファーストフード店、映画のチケット購入の際にも利用することができます。香港に住む人のほとんどは所持しているし、留学生であるわたしにとってもなくてはならないものです。
4月にあった一連のデモ騒動で、香港への日本人旅行客が減少したというニュースを見かけ、香港の魅力にどっぷり浸かっているわたしとしては寂しいばかりです。香港は治安も良く、なんといっても親日家が多い国です。日本人だからといって嫌な思いをすることは特別ありませんし、むしろこちらが日本人だと分かると、「ありがとう」などと片言の日本語でフレンドリーに対応してくれる店員さんも多いです。SARSの流行ったころから日本人旅行客は激減し、100以上あった旅行代理店はいまや13軒しか残っていないと聞きました。
竹島問題にも影響されずに韓国への旅行客が多い韓流スターの影響を考えると、香港も韓国に負けない香港スターをアピールする必要があるのかもしれません。もっとも、香港も日本と同じく韓国ブーム真っ只中ではありますが。
取材・文:須藤 綾子
※当記事のすべてのコンテンツ(文・画像等)の無断使用を禁じます。