アイルランドの第一公用語を守れ!

今回は、アイルランド・クレア(Clare)在住の小島瑞生さんからの話題です。アイルランドでは第一公用語のアイルランド語の話者はたったの2~3%、第二公用語の英語はほぼ100%という逆転現象が起きています。
母国語・アイルランド語が国民に忘れられてしまう!?

アイルランドではお馴染みのパブの壁にあるレトロな看板もアイルランド語。
しかし日常生活の中でより多く使われているのは第二公用語の英語で、ほぼ100%のアイルランド人が英語を話せるのに対し、第一公用語のアイルラ ンド語に関しては、日常生活でのアイルランド語話者がたったの2~3%だ。このような逆転現象が起きてしまった背景には、アイルランドが何世紀にも渡って 英国支配を受けてきたことがある。その結果、自分たちの母国語のアイルランド語が国民に忘れられつつあり、英国の言葉である英語がそれに取って代わられて いるという危機に陥っているのだ。
アイルランド語教育に力を入れるものの…
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アイルランド語と英語2ヶ国語表示の標識(上段;アイルランド語、下段;英語)
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小学校の校門にもアイルランド語で学校の名前が書いてある。小学校は国立が主である。
母国語を失うということは?

地区や住所の名前もアイルランド語で表記されていることが多い。この地区は「王の要塞」というちょっとかっこいい名前である。
ふと窓の外を見れば、近所の男の子が自転車に乗って遊びに行くところだった。私に気づいたその男の子は屈託ない笑顔で私に「スローン!(アイルラ ンド語で「さよなら」の意)」と叫んで走り去っていった。がんばれ子どもたち! アイルランド語の将来は君たちの双肩にもかかっている。
小島瑞生のアイルランド語基礎会話
スペル | 読み | 意味 |
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Dia duit ar maidin! | ディア グイッチ エア マジーン | お早うございます! |
Dia duit! | ディア グイッチ | こんにちは |
Maith thu! | マフー | よくできました! |
Cad e sin? | カデシン | それは何ですか? |
Cad is ainm duit? | カディス アニム ディッチ | お名前は? |
Ta ocras orm. | ター オクラス オルム | お腹がすいています。 |
Slainte! | スローンチェ | 乾杯! |
Go raimh maith agat | グラマハガットゥ | ありがとう |
Failte | フォールチェ | どういたしまして |
Oiche mhaith | イヒョワ | おやすみなさい |
Slan! | スローン | さよなら・じゃあね! |
アイルランド便り
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アイルランド南西部にあるジョン王の城(リムリック州)。 アイルランドには古城がいたるところにある。
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のどかなアイルランドでよく見かける羊たちの食事風景。羊の毛が赤いのは、目印用の染料。怪我をしているわけではないのでご安心を。
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「アイリッシュブレックファースト」と呼ばれる伝統的な朝ご飯はボリュームたっぷりだ。何種類ものパン、コーンフレーク、ソーセージ、目玉焼き、ヨーグルト、果物、ベーコンなどとても食べきれない。
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「ケルティッククロス」と呼ばれるアイルランド特有の十字架。
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アイリッシュミュージックの演奏に使われる楽器。左端からアコーデオン、ティンホイッスル(ブリキの笛)、フィドル(バイオリン)、バウロン(打楽器)。
アイルランド・クレア在住:小島瑞生
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