保護者からみた学校 ―日記指導は保護者がやる話―(3)
我が家には中学生の子どもがいます。数年前から「これ今の保護者の立場としてどう思いますか?」と行事の計画や配布プリントについて,職場で意見を求められることが増えました。私の考えていることが保護者にとっても学校にとっても,役に立つことがあるのかもと思うようになりました。保護者から見た学校について,また一教員として前向きにあくまで前向きに!考えてみたいと思います。 この連載は私の個人的な意見であることと合わせて,今までの勤務校や教職員の方たちへの批判,我が子の通う学校や担任への苦情では決してないことをご理解いただけると幸いです。
愛知県公立中学校勤務 都築 準子
子どもたちに日記を書かせたい!と思った時に
「そうだ!保護者にやってもらおう」となってしまったのでしょうか。
学年通信に日記の書き方なるものがつらつらと書いてあります。句読点の打ち方やら、カギ括弧の使い方、段落の作り方…小学校1年生の話です。
作文帳と一緒に配るんだとか。
これは?と思った校長先生が私の所に聞きに来ました。これっていいんだろうかと。見た瞬間に「ダメですね」と言ってしまいました。いろいろな家庭の子がいます。さらに毎日おうちの方がつきっきりで宿題をみてくれる家庭はどれくらいあるのでしょうか。
だいたい作文の指導なんてものは学校でやるべきことです。毎年、何も考えず、保護者にお願いしていたのでしょう。よく今まで何も言われなかったな…
宿題は自分で選んで自分で完結
宿題は自分で完結できるものがいいと思います。自分で〇付けしたり、自分でどこまでやるか選んでできたりするような。毎日の宿題に漢字や計算のドリルを使っている先生は多いと思います。私は、子どもが自分で力に合わせてどこまでやるか決めて取り組ませるようにしていました。
また音読も自分で何回読んだか記録する程度で良いと思います。
自主学習ノートを出していた学年もありました。自分の気になることを調べたり、観察記録を書いたり、イラストを描いてみたり。自分のやりたいことを選んで自主的に取り組むことが大切です。
私的には、宿題なんてなくていいと思っています。子どもたちは下校後も塾や習い事や遊びに忙しいのです。我が子たちが毎日、嫌~な空気を出して、めんどくさそうに宿題をしているのをみると、これって…むしろ学習をつまらなくさせているだけでは、と思ってしまいます。しかし、学年で毎日出しましょうと決まってしまったら、毎日出すしかないですよね。
中学校では当たり前のように「家でやっとけよ」「次の時間単元テストだから勉強しとけよ」「期末テストでるからな」みたいな感じで子どもたちを煽っていますが、これもどうなのかなあと思う次第です。
宿題について議論しよう
保護者の中には「学校から宿題が出ないと家で勉強しないから宿題は毎日だしてほしい」と言う方もいますが、与えられた課題を機械的にこなすだけの活動にあまり教育的な価値はないように思います。子どもたちは基本真面目なのでちゃんとやってきます。毎日30分もかからない程度の学習です。最低限のことですので、それすらできないとなるとやはり問題なのかなあとも思います。
夫に言わせると「社会に出たらやりたいことばかりやってるわけじゃないんだし、仕事なんて大半めんどくさいし、やりたくないことじゃん」とのこと…では、その練習をしていると?
子どもたちに、宿題をしてくると先生が褒めてくれるとか花丸をくれるからうれしいと言われたり、宿題楽しい、もっとだしてほしいと言われたりすることもありますが、やはり我が子をみているとそんなに大量の宿題っているのか?と思ってしまいます。
4月の学年懇談会で「今年は宿題出しません」って1回言ってみたらみなさんどういう反応をするんだろう。反応が怖いだけなのかなって、今ちょっと思いました。保護者も含めて、毎日の課題についてもっと議論していきたいと思います。
次回は「事前にお礼の手紙を書かされる話」について書きます。
都築 準子(つづき じゅんこ)
愛知県公立中学校勤務
仲間とかかわり合いながら主体的・協同的に学ぶ児童の育成を研究・実践しています。18年にわたる小学校勤務において,協同学習を取り入れた,全員が参加する授業作りを行ってきました。まずは,読んでくださる方に寄り添い,思いを共有していただけるよう心がけます。
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