2023.11.13
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個人面談大作戦

15分程度の短い時間で、保護者が知りたい情報を的確に与え、伝えなければいけないことを伝え、知りたい情報を得るのが個人面談です。しかし、何から話せばいいのか、言いにくいことを伝えるにはどうすればいいのかは、教師として悩むことも多いのではないでしょうか。私のやり方が、先生方の参考になればと思い、紹介させていただきます。

東京都品川区立学校 平野 正隆

事前準備①「生活アンケート」

保護者が最も気にしていることとして、「友達関係」が挙げられます。休み時間に誰とどんなことをして過ごしているのか、行事や授業ではクラスメイトと協力できているのかなどは、保護者から聞かれることも多くなります。
しかし、担任だからといって、全ての行動を把握して記録しているわけではないので、子どもたちに事前にアンケートをとっておきます。このアンケートがあることで、ふとその子の生活を思い起こせるものです。他にも、何を目標に頑張っていたか、どんなことに困っているかなども知ることができるので、面談の話題に挙げやすくなります。

事前準備②「成績資料」

通知表の所見の下書きや、宿題提出状況、テストの結果など、普段から記録しているものを用意しておきます。
準備にはきりがないので、自分なりにこだわっているものが用意できればいいかなと思います。

事前準備③「ファイリング」

「生活アンケート」や「成績資料(個別のものがある場合)」、他にも資料がある場合は、これらを面談順に並べてファイリングしておきます。面談が始まってから探すと、面談のテンポが乱れてしまいます。
保護者側から面談日程希望調査に、面談時に聞きたいことが記載されている場合は、これもファイルに入れます。
また、保護者からよく聞かれるような進路や校則といった内容の資料も、臨機応変に対応できるように用意しておきます。

面談 冒頭5分間

挨拶を済ませたあと、どう会話をすすめるかですが、私の場合は、全保護者に共通して話したり、渡したり、聞いたりしなければならないことを先に行います。学力テストの返却、6年生なら受験するか否か、報告書作成の有無などが挙げられます。他に、「宿題の出し方を変えました」とか「学校行事の取組について」といった、学年や学校として伝えなければならないことがあれば最初に伝えます。
もれが無いように、リストアップしておき、順序よく進めます。

面談 中盤5分間

その後、「今日、話題にしたい内容はありますか」と保護者側に聞くようにしています。ほとんどの保護者は、「特に無いので、学校の様子をうかがいたいです」と、こちらに委ねます。しかし、「〜について、うかがいたいのですが」と、具体的な話題を提示される方もいらっしゃいます。だからこそ、教師側から話題を先に提示せずに、「今日、話題にしたい内容はありますか」と、問うのです。話題を提示される方は、面談の機会を大事に思ってくださっている方なので、こちらもその思いを受け止めなければならないのです。

話題を提示されれば、そのことについて話し合えばいいのですが、教師側が意外と困るのが、「特に無いので、学校の様子をうかがいたいです」のパターンです。こちら側に主だった話題があればいいのですが、なかった際、私は、生活面と学習面で一つずつお伝えするようにしています。
生活面では、「誰とどのように関わっているか(友達関係)」「係活動や委員会活動の取組」などを、生活アンケートの資料や所見の下書き等を参考にお伝えします。
学習面では、「宿題の提出率」「漢字テストの学期平均点」などを、成績資料をもとにお伝えします。

面談 終盤5分間

面談が長引けば、次以降の方に迷惑をかけてしまうばかりか、兄弟関係で別の学年・学級にも影響しかねません。会話の途切れ目を探して、キリよく面談を終えるようにします。

「ご兄弟の面談はこの後ですか」
「そろそろ時間になりそうですが、聞いておきたいことなど何かございますか」
などと、時計を見ていただいたり、終わりを感じていただくような言葉かけをします。

それでも終えられないときは、
「今日は、お忙しい中ありがとうございました」
「次の方もお待ちのようなので、またの機会によろしくお願いします」
などと、こちらから終わらせます。

終わりに

短い時間のために、保護者は時間を割いて学校に来てくださいます。それでも、保護者から「これからもよろしくお願いします」などと言われれば、この面談が学校と家庭が連携して教育していくうえで、少しでも意味のあるものになったのかなと思うのです。
私が考える面談の一番の目的は、学校と家庭の連携です。だから、保護者がどんな情報を欲しているのか、どう伝えれば受け入れてくれるのかなど、常に考えながら話す必要があると思います。
面談が充実したものになるように、どうすればいいのか考えながら、毎年工夫を重ねています。
本記事が先生方の参考に少しでもなれば嬉しいです。

平野 正隆(ひらの まさたか)

東京都品川区立学校


研究会での実践報告や校内での若手教員育成などの経験を通して、自分の経験や実践が広く皆様のお役に立てるのではないかと考えております。大人・子どもに関わらず、「明日から頑張れそうです」「明日が来るのが楽しみです」と言ってもらえるのが私の喜びです。

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