2022.11.07
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保護者からみた学校―休み時間の過ごし方は学校が決める話―(2)

我が家には中学生の子どもがいます。数年前から「これ今の保護者の立場としてどう思いますか?」と行事の計画や配布プリントについて,職場で意見を求められることが増えました。私の考えていることが,保護者にとっても学校にとっても,役に立つことがあるのかもと思うようになりました。保護者から見た学校について,また一教員として,前向きにあくまで前向きに!考えてみたいと思います。 この連載は私の個人的な意見であることと合わせて,今までの勤務校や教職員の方たちへの批判,我が子の通う学校や担任への苦情では決してないことをご理解いただけると幸いです。

愛知県公立中学校勤務 都築 準子

休み時間は全員外へ出るべし

「休み時間には全員外に出て体を動かしましょう」なんていうルールがあると知ったのは、我が子が5年生の時です。4年間知らなかった…
感染症対策のために「給食は黙食」とか「歯磨きタイムはなし」といったプリントは配付されますが、日常生活の細かいルールについては保護者はなかなか知るすべがありません。
4月のPTA総会でもらう冊子には、そんなことは何も書いていません。その冊子、保護者は結構読んでいます。一部の方かもしれないけれど。自分の子どもに関することは、やはり保護者はとても関心があります。私も何か気になることがあったとき、見返します。

冊子には、たいてい「学校の基本理念」とか「目指す児童像」とか「教育目標」が載っているはずです。何か気になるルールやおかしいなと感じることがあると見返すと言ったのは、この目標を達成したいなら、このルールはおかしいだろうとか判断できるからです。保護者のみなさんは学校に任せっきりにしないで、もっと関心をもって読んでほしいと思います。そして、攻撃するのではなく、子どもたちのためにこうしていったらもっといいんじゃないかという考えを学校へ伝えてほしいと思います。きっとよい方法へ変わっていくと思うのです。

「学校の一員として学校をよい方向へ変えていく」という当事者意識が保護者にも必要です。あ、話がずれました。

「全員が外に出ないといけない」と先生に言われて教室を追い出されるので、我が子は仕方なく、お散歩をしているようでした。

休み時間はクラス遊びをするべし

ある年は「クラスで遊ばなければいけない日」がありました。担任の先生の学級経営のやり方があるので、何も言いませんでしたが、子どもは何かその日は浮かない顔をして登校していました。
子どもには「いろいろな大人がいるし、考え方があるからね。意見があるなら言ってみたら?」と伝えましたが、勇気がなく、言えなかったみたいです。

学校は集団生活の場です。全員が100パーセント楽しい活動はほぼありません。お互いがちょっとずつ譲歩しながら、生活していくのが現実です。
だとしたらクラス遊びをするにしても「今日は中でお絵かきしりとりでもしようか」とか「初めの10分で腕相撲大会をしようか」などの日があってもいいのではないでしょうか…いや休み時間は外!しばりがあるのか…ツライ。

私も担任をしていますので、「全員で何かをやらせたい」という気持ちは分かります。でも、その陰につらい思いをしている子どもがいるかもしれないという考えはもっておいた方がよいと思います。「やらせたい」ではなく、子どもから「みんなでやりたいな」という思いが出てきたら、強制にならない程度にやってもよいというスタンスにしていきたいものです。学級経営は、そこだけで決まるわけではないのです。

休み時間はそれぞれの子どもの思いで

外に出て遊ぶ子は出て遊べばいいと思います。実際、うちの下の子は言われなくても、外で遊んでいるタイプでした。しかし、子どもによっては、中で本を読んでいたいとかお絵かきをしたいとか友達とおしゃべりしたいとか思う子もいるのではないのでしょうか…
はたまた今日は風邪気味だから中で過ごそうとかいう子はいないのか、けがをしている子はどうしているのだろう…とかいろいろと考えてしまい、学校へ問い合わせると「子どもロコモを予防するため、全員が外に出るようにしている」との答えでした。

学校目標には「児童の自主性を育む」とか「主体的に物事に取り組むよう」とか「思考力・判断力を養う」など格好いいことが書いてあります。子どもの思いを聞かず、判断すらさせていないのに、自主性って育つのか?どうやって何を育てたいのかと驚いた記憶があります。結局そのルールは卒業までありました。7月の真夏日でも、です。


ルールの見直しを

学校には、往々にして子どもの思いと乖離した規則やルールが残っていることがあります。今回は休み時間の過ごし方についてお話ししましたが、みなさんの学校でも、なぜそのルールがあるのかわからない、慣例になっている、子どもたちの思いや考えが置き去りになっていたり、今の時代に合っていなかったりするものが残っているのではないでしょうか。

4月の忙しい段階では、ルールの見直しは難しいと思うので、やはり前年度から議論し、教師も保護者も一度気になるルールがないか見直すことが必要ではないかと思うのです。

次回は「作文指導は家庭がやる話」について書きたいと思います。

都築 準子(つづき じゅんこ)

愛知県公立中学校勤務


仲間とかかわり合いながら主体的・協同的に学ぶ児童の育成を研究・実践しています。18年にわたる小学校勤務において,協同学習を取り入れた,全員が参加する授業作りを行ってきました。まずは,読んでくださる方に寄り添い,思いを共有していただけるよう心がけます。

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