チーム学校 〜1人で問題を抱え込まない〜
連休も終わり、学校の活動も様々なものが本格的に動き出していると思います。
今回は、それぞれの教員が「仕事を抱え込みすぎない」ことについて書きたいと思います。
帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師 鈴木 邦明
「学校に多くのことが求められている」
「教員は問題を抱え込みやすい」
特に小学校の教員は問題を抱え込みやすい状況にあります。中学校や高校と比べ、学級担任が行う授業時間数が多いです。低学年、中学年の場合、ほとんどの時間を学級担任が授業を受け持っているということが一般的です。そういった状況においては、子どもの難しい問題を担任が1人で抱え込んでしまう可能性が出てきます。中高では、授業においてたくさんの教員が関わることで、問題が共有されることが多いです。
昨今の社会の多様化や通信機器などの発達によって、担任個人の責任ではない問題が増えてきています。小学校においても、スマホなどによるトラブルが発生しています。そういったことは、担任が学校だけで取り組んでも解決が難しいことも多いです。チームでの取り組みが必要になります。学年、学校、学校外など、様々なチームがあります。カウンセラー、民生委員、警察、行政など、様々な人達と協力していく事で教師が1人で悩んでいるよりはきっと解決に近付くはずです。
「教員組織の構成にも難しさがある」
教員の組織の構成にも難しさがあります。現在の学校は50代が多く、40代が非常に少なく、30代、20代が徐々に増えていくという年齢構成になっています。以前よりも少しバランスが悪い状態だと思います。私が採用された頃(約20年前)は、若い人が少なく、多くの先輩たちにたくさんのフォローをしてもらいながら日々を過ごしていました。現在は、そういったフォローが以前よりもやりにくい状況です。そういった中で問題を抱え込んでしまう若い教員もいます。
「終わりに」
現在の学校は、全体に余裕がなくなってきているように私は感じます。そういった際、問題は弱い部分に出てくることが多いです。学校組織の中では、初任者などがそれに当たるでしょう。学校内で誰かがダウンしてしまうと、その事による負荷は全体に掛かってきます。業務の効率化などを進め、一部の人が問題を抱えることの無いような学校を作っていくことが望まれます。

鈴木 邦明(すずき くにあき)
帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師
神奈川県、埼玉県において公立小学校の教員を22年間務め、2017年4月から小田原短大保育学科特任講師、2018年4月から現職。子どもの心と体の健康をテーマに研究を進めている。
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