2019.05.14
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子どもを動かす魔法の言葉(その1)

「やすみじかんにけんかした!」「ならんだところによこはいりされた!」など、よくある子ども同士のトラブル、どうしていますか?私が編み出した魔法の言葉、高学年には使ったことがないのですが、低学年にはけっこう使えるので、よかったら試してみてください。

東京都板橋区立徳丸小学校教諭  カナダライアソン大学認定ファミリーライフエデュケーター(家族支援職)  特定非営利活動法人手をつなご(子育て支援NPO)理事 林 真未

「きゅうしょくたべているときにききます」

たとえば、授業開始5分前に校庭から帰ってきたとき、中休みのトラブルを訴えられても、仲裁時間はあと数分しかない。そんなとき私は、

「いまはゆっくりきくじかんがないので、きゅうしょくたべているときにくわしくききます」

と伝えます。もちろん、すべてがこの限りではありませんが、たいていはこの一言で一旦終了。プンプン怒っている、けんか当事者の子どもたちも、この言葉を聞くと、

「授業準備がすんでいるクラスメートを待たせて、急かされて話すより、給食を食べながらゆっくり聞いてもらうほうがいい」

と、とっさに判断し、すぐに席についてくれます。

 そして!
 なんと!
給食をある程度食べ、お腹が落ち着いた頃を見計らって、けんか当事者の席に行き、

「さっきの話だけど…」

と持ちかけると、9割は、

「あ、もういい」

と、私の仲裁を放棄してしまうのです。
様子を見ていると、けんかした相手とすっかり仲直りして、ニコニコ給食を食べています。お腹が減るとイライラするし、お腹が満たされるとなんでも許せてしまうっていうことなんでしょうね。
おススメです!

イラスト 有田リリコ

「ゆずれたひとはしあわせになれます」

子ども同士が横はいりなどでトラブルになった時、横はいりした子をいさめるのがスタンダードな指導だと思います。
私は、横はいりした子に「後ろに並びなさい」とは言いません。代わりに言うのが、この言葉。
「どっちがゆずれますか? ゆずれたひとはしょうらいしあわせになれます」
こういうと、たいてい、横入りされて怒っていた子のほうが、「じゃあ、いいよ」とゆずります。するとそれを聞いて、横入りした子も「やっぱ、いいや」とすごすご後ろに行きます。
人間、とがめられるより許されるほうが、自分の行いをあらためやすいようです。
これで一件落着。と言いたいところですが、そう簡単にはいかない場合も。横はいりされた子が許したのをいいことに、横はいりした子が、そのまま居座ってしまうことがあるのです。
そんなときには、許した良い子をじっと見て、

「あなたはぜったい、しょうらいしあわせになれる!」

と断言してあげます。そして、横はいりのまま居座った子には、

「つぎは(ゆずれるよう)がんばりなさいよ!あなたにも、しあわせになってほしいから!」

と伝えます。並び順が少し遅くても、結局は、数秒のちがいですから、横はいりされたままでも「しあわせになれる」と言われたら「まあいいや」と思えるもの。
また、横はいりした子も、いさめられて並び直させられるより、自分のルール違反がそのまま認められてしまうほうが苦しいので、だんだんとやらなくなっていきます。
ここまで読んで「しょうらいしあわせになれる!」と、そこまで断言して大丈夫?と心配していませんか。

大丈夫。私のように長く生きて経験を積んでいると、それはもう断言できます。自分より人を優先できる人には、確実に幸福が巡ってきます。「情けは人の為ならず」です!

イラスト 有田リリコ

魔法の言葉はまだまだ続く〜

魔法の言葉のレパートリーは、まだまだたくさんあるのですが、文字数が多くなってしまったので今回はこの辺で。
第2弾は、またの機会に。

林 真未(はやし まみ)

東京都板橋区立徳丸小学校教諭
カナダライアソン大学認定ファミリーライフエデュケーター(家族支援職)
特定非営利活動法人手をつなご(子育て支援NPO)理事


家族(子育て)支援者と小学校教員をしています。両方の世界を知る身として、家族は学校を、学校は家族を、もっと理解しあえたらいい、と日々痛感しています。
著者「困ったらここへおいでよ。日常生活支援サポートハウスの奇跡」(東京シューレ出版)

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