面積の求め方(第5回) ~同じ面積をみつけよう
図形の面積の問題では,見た目が違っても同じ面積ということがよくあります。今回は図形をいかにながめるかが大切です。難しい計算はありません。パズル感覚で気軽にチャレンジしてみてください。
問題

右の図のように,長方形に対角線を引き,たて,横それぞれに平行な線で区切りました。このとき,
(Pの面積):(Qの面積)
を求めなさい。

◆ポイント
長方形を対角線で分けると,面積を2等分することに着目!
解法

まずは,面積が同じになる部分に同じ印をつけてみましょう!
とりあえず,赤で囲んだ長方形の対角線に着目すると, ● ▲ × の面積が同じになることがわかります。
でも,これだけでしょうか?

実はまだあります。もう少し大きく視点を変えて,青で囲んだ長方形に着目してみましょう。
青で囲んだ長方形は対角線で2つに分けられています。
長方形を対角線で分けると,面積を2等分します。 ●と▲を除くと長方形が残っています。この残った部分の面積も同じはずです。
すると,見た目は違いますが■で印をつけた長方形の面積も同じです。

同じように緑で囲んだ長方形の●の部分の面積も同じです。

最後に一番大きなオレンジ色で囲んだ長方形に着目します。
印のついていない部分の面積は同じになるので, オレンジ色で大きく○をつけた部分の面積は同じです。
Qは○をつけた長方形の面積の半分の面積なので,Pの半分の面積になります。
よって
(Pの面積):(Qの面積)=2:1
となります。

この問題では小さな長方形から大きな長方形へ視点を変えながら,解いていきました。このように図形をさまざまな視点で見ることはとても大切です。
同じ要領で次のチャレンジ問題を解いてみてください。
答え:2:1
チャレンジ問題

1辺が5cm, 4cm, 3cm の正方形を右の図のように並べました。このとき斜線部分の面積を求めなさい。
解法

赤で囲んだ長方形の面積は
5×(5+4+3)=5×12=60cm²
対角線で分けた半分の面積は
60÷2=30cm²
青い長方形の面積は
1×4=4cm²
緑の長方形の面積は
2×3=6cm²
よって,斜線部分の面積は
30cm²-4cm²-6cm²=20cm²
答え:20cm²

教え上手 きんたろう先生
「算数の教え上手」担当のきんたろうです。よろしくお願いいたします。
私が塾・予備校で教壇に立つようになってから、10年近くになりました。どちらかというと、勉強があまり好きでない生徒を教えてきました。そんな生徒の中にも、きっかけを作ってあげると夢中になって勉強する子がいます。
そんなとき「いい仕事をした」と思います。
教え上手とは,もちろん科目を教えることが上手であることと思いますが、併せて子どもに学ぶ意欲を起こさせることだと思います。
この「教え上手」では、その両面について、私の経験を活かして述べさせていただく予定です。ご参考にしてください。
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