2026.01.13
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誰でもできる授業の中でつながりを作る〜ペア活動の進め方編〜

前回までは、「児童と児童のつながり」や「導入時での児童とのつながり」を作ることに着目して、記事を書いてきました。
では、今回の題名にある「つながり」は何を指すのでしょうか。

 

大阪府泉大津市立条南小学校 大橋 健太郎

はじめに 〜 授業の中でどんなつながりを作るのか

ここでいう「つながり」は二つあると考えています。
一つは思考のつながりです。思考のつながりというのは、知識と知識がつながること(新しい概念や知識の定着)と、考え方のつながり(思考法)です。学びを深めるためには「知識」が必要です。また、学習者が思考法をもっていないと、学習したことの共通点や相違点が見いだせず、学びは深まりません。
もう一つが、関係性のつながりです。1人で学べることには限界があります。私たち大人でもそうですが、人と関わることで気づかされることもあります。学習とは、個人の力量形成だけでなく、他の児童と関わり合い、自分のよさや他の児童のよさに気づきながら、新しい知見や思考法を獲得していくことも往々にしてあります。
このように考えると、授業とは、その授業に参加するもの同士の関係性で成り立つものだと言えます。
では、授業中盤では、どんな活動を取り入れて、2つのつながりを作っていくとよいでしょうか。そのポイントになるのが、ペア活動です。私なりのペア活動の「ちょいポイント」をご紹介します。

ペア活動の目的とは何か

ペア活動の目的は2つあると思っています。
1つ目が、考えを作るためです。どんなことを書いてよいかわからない、これでよいか不安という児童が多い場合は、先にペアで話をしてから、書くことに移ります。その方が頭の中が整理され、スムーズに自分の考えをまとめることができます。
2つ目は、考えを伝えるためです。考えを伝えることには、次の目的があります。まず、いろいろな考えを知ることです。考えを知ることは、友達の考えや、その違いに気づくことが大切になります。そして、考えを深めることで、友達と自分の考えを比較し、関連づけて、新たな発見や気づきが生まれます。
授業で、どちらの目的でペア活動をするかで、ねらいや児童との関わり方が変わります。私の中では、友達の考えを知ることの方が難易度は下がると思っています。

ペア活動を進める

ちょいポイント① 〜短く何回も行うこと〜

ペア活動を始めたばかりの時は、短く何回も行うことが大切です。つまり、質より量をこなします。はじめのうちは、なかなか話が続きません。その状況を予想して、短く何回も行うと効果的です。
子どもたちは、話す機会と聞く機会を何度も得ることができ、ペア活動が有意義な時間へと変わっていきます。

ちょいポイント② 〜指示は具体的にすること〜

ペア活動でありがちなのは、「じゃあ、ペアでお話をしましょう」という指示の出し方です。もちろん、この指示の出し方で話ができるクラスは、問題ありません。ペア活動が当たり前、全員が話し続けている、そんな状態であれば、この指示でいいでしょう。
しかしながら、最初から抽象的な指示の出し方は通用しません。だから、教師からの指示は具体的にします。

例えば、

「今日は、〇〇の列から、20秒のうちに、△△を伝えます」
「よーい、スタート」

このような形です。

指示のポイントは、
①どちらから
②どれだけの時間で
③何を伝えるか
の3点です。これをセットで始めるといいです。

ちょいポイント③ 〜質問を使うこと〜

ペア対話に慣れてくると、今度は「どうやって対話を続けようか」と考えます。その方法の一つが、質問を交えることです。質問を交えることで、ペア対話の量と質はグッと上がります。
ただし、「質問を入れましょう」という指示だけでは、子どもたちはどうしてよいのかわかりません。その場合は、教師とモデルになる児童が前に出て、実際にやってみせます。そうすることで、どうやって質問をするとよいかを理解することができます。質問をする楽しさや、質問することで対話が長く続いたこと、うまくいったという経験を積めば、自然とペア対話の時間は長くなり、質も上がってきます。

終わりに 〜対話は楽しむことができるか〜

先日、一年生の児童にこんなことを言われました。

「先生、お友達と授業中にお話をすると楽しいんだ。なんか、盛り上がっちゃうんだ」

子どもたちは本当に話をすることが大好きです。だから、ペア対話に慣れて、しかも興味関心が高い話題であると、話が尽きません。しかし、どうしても、授業を進めなければならない、つけたい力をつけないといけないと考えるあまり、いつの間にか「しなければならない」という暗示にかかってしまうことがあります。その結果、目的から外れた対話をすると、注意や指導が増えてしまうものです。
大切なことは、力をつけながら、楽しむ要素があるか。そして、人と話すことで何かを見つけたり、発見したりと、子どもたちにとって「ペア対話」が良きものになっているか。
ここが実感できれば、子どもたちは話すことが好きなクラスになり、自信を持って話せるようになると思います。

大橋 健太郎(おおはし けんたろう)

大阪府泉大津市立条南小学校、kyoso's サークル所属、国語教育 大阪探究の会所属


「こどもの思考が生きる」授業を目指して、日々子どもたちと共に学んでいます。
子どもたちが教えてくれたこと、子どもの姿から学んだことを読者の皆様と共有していければと考えています。

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