2025.11.26
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誰でもできる授業の中でつながりを作る〜国語編〜

学校生活の中で、児童と教師が最も関わりあう場面といえば、授業だと考えています。年間で約1000時間あり、この時間の使い方次第で児童との関係も大きく変わってくるでしょう。
もちろん、他の場面でも関わることもありますが、最も多いのは授業ではないでしょうか。
それが故に、教師の授業力向上は必須だと考えます。
そして、そのときに大事にしたいことの一つに、児童と関係を作ることがあります。
では、どうやって関係づくりをしていけばよいでしょうか。

大阪府泉大津市立条南小学校 大橋 健太郎

どんな関係づくりを目指していくか

「児童との関係づくり」といっても、どんな関係を作っていくかが定まっていないと、ただ活動するだけになりかねません。そこで、活動に取り組む前に、どんな関係づくりを目指していくか、また、なぜ関係づくりを目指していくかを考えていくことが大切です。

そもそも、授業づくりの中でいう関係づくりとは、二つあります。
一つ目が教師と児童の関係です。これは前回と前々回の記事で述べた、「縦の関係」です。
二つ目は児童と児童の関係です。これは「横の関係」です。児童同士の関係は、仲良しになることだけではありません。互いの考えを受け止めてくれる関係になることです。
このような関係を作るために、どんな活動が良いか考えていきます。そこで、今回は授業の導入に簡単な関わり合いを生む活動を紹介します。

授業の導入編 〜トークキング〜

授業の導入で行う活動の一つに、「トークキング」という活動をします。これは、テーマに沿って、クラスの児童同士がどんどん対話をしていくというものです。概要は以下の通りです。

【目的】
児童と児童ならびに教師と児童が良好な関係を作るため

【時間】
授業の導入5分程度

【用意するもの】
・クラス全員の名前が書かれた短冊
・筆記用具

最初は、隣のペアで始めます。ペアでじゃんけんをして、勝者から自己紹介をしていきます。互いに自己紹介をしたら、握手をして終わります。そして、自己紹介をしてもらった児童の名前の横に、丸をつけます。5分間で、どれだけの人数と交流できるかを楽しむものです。
ここでのねらいは、相手を知ることです。相手が好きなことは何か、どんなことが苦手か。関係を作る前の情報を得ます。

ちょいポイント① 

聞き方を重視するか、話し方を重視するか

トークキングでは盛り上がることが予想されます。そのため、ねらいをはっきりとしていないと、何を培ったかがわからなくなります。そのため、指導のポイントを一つに絞ることが重要です。そのポイントは、話し手の指導を重視するか、聞き手の指導を重視するか、どちらにするかということです。例えば、話し手に注目すれば、話し方に注目します。どんな順番で伝えているか、どんな言葉を選んでいるか、教師は見ることが重要です。また、簡潔に話すことを重要視しているのであれば、組み立て方になります。言葉の選び方に注目していれば、どんな言葉を選ぶかに注目が集まります。

一方、聞き手に注目をしているのであれば、聞いている時の目線、相槌、表情はどうだったかを見ます。ここでは、話を聞く姿勢と、どうしたら相手が話しやすくなるか考えることが重要です。
このように、どんなねらいで取り組むかで、教師の指導の仕方も変わっていきます。

ちょいポイント② 

良いお手本は視覚的に伝える

子どもたちの中には、教師が「良いな」と思うお手本が存在します。そんな児童の姿はぜひ動画で撮り、児童に見せることをお勧めします。動画で撮る理由は、視覚的にわかることと同時に、撮られた児童は自信に繋がるからです。動画を見せるときには、さっと見せるだけでなく、児童に次のように問うと良いでしょう。

「何が上手かな?」
「どこかいいところはないかな?」
と聞くことです。
教師の注目しているところをダイレクトに伝えることもよいですが、児童の見ている点を確認しながら、問うことで、トークキングをするときに気をつけることがより一層伝わります。

ちょいポイント③ 

難易度を少しずつ上げていく

常時活動をするときの最大の難関は「飽きる」ことです。慣れてくると、簡単になるからです。私の感覚では2週間ほどしたら、飽きてきます。そのため、少しずつ難易度を高めていきます。
例えば、短冊に丸をするだけでなく、相手がどんなことを言っていたか書く欄を作ります。いきなり、文章で書くことを求めると難易度が高くなりすぎるので、最初は単語を書くことからです。聞き取った単語を書くだけでも、少し負荷をかけることができます。
また、話し手に負担をかけるのであれば、複数のことを紹介するようにします。紹介することを二つにするだけで、子どもたちはどうやって話すか、どの順番で話すかを考えるようになります。
このように、少し負荷をかけ、活動に飽きがこないようにすることが大切です。

最後に 〜活動の中に「ねらい」があるか〜

紹介したのは、私のクラスの取り組みであり、読者の方々のクラスに合うかは分かりません。
大切なことは、「その活動にどんなねらいがあるか」「どんな児童を育てたいか」、この2点です。
取り組みながら、子どもたちの様子をじっくり観察しましょう。
取り組みの良し悪しは必ず、子どもたちの姿でわかるはずです。

大橋 健太郎(おおはし けんたろう)

大阪府泉大津市立条南小学校、kyoso's サークル所属、国語教育 大阪探究の会所属


「こどもの思考が生きる」授業を目指して、日々子どもたちと共に学んでいます。
子どもたちが教えてくれたこと、子どもの姿から学んだことを読者の皆様と共有していければと考えています。

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