「先生、あのね」子どもたちの声(後編)
社会の変化とともに、様変わりしてきた子どもたちの悩みに、少しでも寄り添ってあげたいと考え、生まれた「先生、あのね」。前編にて、このアンケートの誕生に至るまでの経緯をお伝えしました。
今回は、このアンケートでどんな回答がきたかをご紹介させていただきます。プライバシー保護のため、文面を多少変更してのご紹介になることをご承知おき下さい。
東京都品川区立学校 平野 正隆
【マイブーム系】
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・最近、●●(作家)の本にはまっています。直木賞とかも受賞していて、よく本屋で見かける名前です。特に好きなのは『●●』や『●●』など。全部怖い話で面白い! 先生は何か好きな本はありますか? よかったら、先生も読んでみて下さい。
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マイブームを紹介してくれる子はとても多いです。
アニメや漫画、小説、音楽で今自分が読んでいるもの、聞いているものを紹介してくれる子が特に多いです。
その紹介をきっかけに私もその本を手に取ってみたり、音楽を聞いてみたりして、子どもたちとその話題で盛り上がったこともあります。
【悩み相談系】
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・早起きをしようと思ってもなかなか起きることができないときがとても多いです。何か早起きができたり、パッと目が覚める方法はありますか?
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悩み相談の割合はわりと少ないのですが、ドキッとする内容が時折含まれていることがあります。
「家族との関係がうまくいかない」「大人はなぜ身勝手に子供に要求するの?」「好きな人ができたんだけど、どう関わればいいか分かりません」「どうやって勉強すれば成績が伸びますか」「生きることの意味って何ですか」「学校に通う意味は?オンラインで充分ではないのでしょうか」などなど。
子どもたちは解決を求めてメッセージをくれているわけではありませんので、一緒に考えてあげ、「先生だったら」という前提で私見を伝えています。
【希望・願い系】
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・先生は、もし家族旅行に行けるようになったらどこに行きたいですか? 私は、北海道に住んでいるおばあちゃんの家に行きたいです。
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旅行にいきたい場所、食事で食べたい物、参加したいイベント、将来の夢など、「〜したい」や「〜なりたい」などの子どもたちの願いを知ることができます。
特にコロナ禍で様々なイベントが中止・延期していた期間は、こういったメッセージが多くみられました。
そこからも、行動制限の期間、子供達が気付かない間にストレスを溜めてしまっていることが窺い知ることができました。
【意気込み・宣言】
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・いよいよ運動会ですね!! 私は赤組です。各組、すごく良い戦いになりそうですね。でも、ソーラン節はみんなでいい思い出になったらいいなと思います。正々堂々と本気を出して戦いたいと思います。
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普段は大人しそうに見える子も内なる闘志をもっていたり、目標を掲げていたりすることに気付くことができます。
共感したり、応援したり、アドバイスをしたりして、コミュニケーションをとることで、児童理解を深めることができました。
【感想・報告系】
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・この「体のつくりとはたらき」の単元は、薬品等を使わず、自分の身体で実験するので、面白かったです! 自主学習でも調べたりしたいと思っています。でも、テストでは忘れてしまったところがあったり、今日返された「ものの燃え方」の単元のテストも一問、間違えたところがあったので、重点的に復習したいと思います。
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行事や授業の感想だけでなく、家族旅行でどこに行ったとか、習い事で進級しただとか、他愛無い話をしてくれます。そこから、悩み相談につながったり、授業改善につなげたり、その子の特技を知ることができたりします。これからも、子どもたちに寄り添ってあげられる教師を目指していきたいです。
平野 正隆(ひらの まさたか)
東京都品川区立学校
研究会での実践報告や校内での若手教員育成などの経験を通して、自分の経験や実践が広く皆様のお役に立てるのではないかと考えております。大人・子どもに関わらず、「明日から頑張れそうです」「明日が来るのが楽しみです」と言ってもらえるのが私の喜びです。
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