2021.04.24
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

「RE スタート」

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

異動はこれまでの仕事の棚卸から

6年間勤めた学校からこの春異動しました。教員生活も23年目となり、自分なりにこれまで何とかやってこられたという自信はありました。しかし、毎日の仕事がルーティン化しており、同じようなことをやっているという実感をもつようになりました。この歳になると、学校の異動はいろんな意味で大変なのですが、自分にとって変化を起こすために異動を決意しました。

学校を異動することが決まり、まず行ったのは実践の棚卸です。手元には、これまでの実践で収集した膨大な資料があります。これからも実践をしていくものと、これからは継続せず、一段落させていくものを分類し資料を整理しました。私の場合、NIE(Newspaper in Education、教育に新聞を)の研究を主の活動にしています。それも、防災関連の実践が多く関連する資料がたくさんあります。その中から来年度以降も活用できるものを選び出して整理しました。

また、中学年を中心に辞書引き学習にも取り組んできました。勤務校全体に広げることはできませんでしたが、辞書をたくさん活用した児童が高学年になって言葉に対する感覚が鋭くなっているという感想を他の先生から頂きました。来年度以降も中学年の担当になったときには辞書引き学習を行っていくので、関連する資料を整理し、次の学校につなげようと考えています。

その他、資料を整理していると、以前担当した児童からもらった手紙や色紙なども出てきました。それらを改めて読みながら、自分の教員人生は、毎年毎年出会う子どもたちが思い出として時を刻んでくれていることに気が付きました。手紙などを読みながら、これまで出会ってきた延べ800人近い児童の顔を思い出しました。たくさんの資料や思い出の品を整理し、新たな学校に向かう準備が整いました。

目標づくり

赴任する前の日に、お世話になる学校を訪ねてみました。そして、学校の周りを歩いて、地域の様子を眺めました。この学校で新しくどんな出会いがあるのだろうかと期待でいっぱいになりました。この学校にいる間にやってみたいことを自分なりに考えてみました。

一つは、私の主たる実践であるNIEを学校に広めることです。新しい学校ではNIEはあまり行われていません。各教科の教科書で新聞について取り上げられているところを指導しているぐらいだと分かりました。そこから、一歩進めるために少しずつ活動を広げていきたいと思います。特に、勤務校のあるさいたま市では、教育委員会がバックアップして、市立小中高等学校・特別支援学校でNIE実践を行うように奨励されています。私自身のこれまでの経験を還元し、学校にNIEを広めていきたいと思っています。

次は、これまで3年生を受け持つと実践を行ってきた、「辞書引き学習」をさらに発展させることです。「辞書引き学習」は、中部大学・深谷圭助教授が提唱する学習法で、辞書から知っている言葉を見つけ、見つけた言葉に付箋を貼っていく学習法です。辞書を引くと付箋の数が増え、子どもたちが喜んで取り組む学習法です。そして、知らぬ間に辞書を引く習慣をつけることができます。私はこれまで、辞書引き学習を8年間実践してきました。どのクラスの児童も大変興味をもって学習に取り組みました。そして、子どもたちの言葉の力を伸ばすために最適な学習法だと感じています。これから、この辞書引き学習を発展させ、様々な教科や領域の学習で辞書を活用していきたいと考えています。担当する学年でも辞書を積極的に使い、その効果を先生方に示していきます。

今回の異動は、これまでの学校や実践したことを整理し、これまでの成果と課題を見つめる良いきっかけになりそうです。そして、新たなチャレンジにつなげていく機会にもなりそうです。少しずつですが、積極的な実践をしていきたいと考えています。

新たな気持ちで・・・

新しい学校に赴任して数日がたち、右も左もわからない中で仕事をしています。少し気持ちが焦りながら仕事をしていると、浮かんでくるのはこれまでお世話になった先生方や担当したクラスの子どもたちのことです。職場を去る時に、数名の先生が送別会を開いてくださいました。そして、数年間一緒に仕事をした時の思い出を話し、懐かしい思いになりました。また、一緒に組んだ若い先生方が、お手紙を下さり、はなむけの言葉を書いていただきました。先生たちの言葉を聞くと、異動したことに少し後悔を覚えながらも、新しい学校でさらにがんばっていかなければならないという気持ちにもなってきました。

新しい学校でも、これからいろんな出会いがあると思います。そしてその一つ一つがかけがえのないものになると考えています。私自身も出会う子どもたち、先生たち、そして地域の皆さんのお役に立てるように努力をしていきたいと考えています。新しい学校でどんな出会いがあるか今から楽しみになってきました。

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

同じテーマの執筆者
  • 関田 聖和

    兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)

  • 若松 俊介

    京都教育大学附属桃山小学校 教諭

  • 杉尾 誠

    大阪府公立小学校 主幹教諭・大阪府小学校国語科教育研究会 研究部長

  • 笠原 三義

    戸田市立戸田第二小学校 教諭・日本授業UD学会埼玉支部代表

  • 熊井 直子

    小平市立小平第五中学校 主幹教諭

  • 羽渕 弘毅

    兵庫県公立小学校 教諭

  • 川上 健治

    明石市立錦が丘小学校 教諭

  • 山本 裕貴

    市原市立八幡小学校教諭 木更津技法研所属

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop