2019.08.26
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どの子も手を挙げることができるようになるワザ!〜4つのワザ〜(③)

「私のクラス、子供達が発表のときに全然手を挙げてくれないんです」と言う悩みを最近よく聞きます。
すぐに取り組めるワザです

京都教育大学付属桃山小学校 樋口 万太郎

前回の続きです。

前回は
①「自信度挙手」について書いてきましたが、今回は
② 「挙手を付箋により可視化」
③「相互指名を多く取り入れる」
④「発表しよう ではなく お話しよう と言う」
⑤「子供の考えを否定しない」
の4つを紹介します。

② 「挙手を付箋により可視化」

机の端に大きめの付箋を貼っておき、挙手するたびにその付箋に印を入れていきます。私のクラスでは、「正」の字で書かせています。発表をしなくても、とにかく挙手をすれば、印を入れていきます。
前回、紹介した「自信度挙手」を組み合わせたら、当てて欲しくない子は0~3本の指で挙手をしています。それでも印を入れていきます。
「え?それでいいの?」と思われたかもしれませんが、それでいいんです。挙手をするという癖をその子に身につけさせたいということをねらいとしています。
挙手することは、子供によってはとてつもなく大きな壁です。その壁を壊したいのです。

③「相互指名を多く取り入れる」

樋口学級では、相互指名を多く取り入れています。相互指名というのは、子供達同士で指名していく方法です。
研究授業を参観しているとき、子供達がいわゆる自力解決をしているとき、座席表に子供達がそれぞれどのような考え方をしているのかを書き込み、この後、どのように考え方を取り扱っていこうかと考えている方を時々見ます。
私はこれを基本的にはしません。教師が子供達の考え方を取捨選択していることになります。ホワイトボードを渡すということも同様です。
そういったことを続けていると、「先生はどのような考え方を求めているのかな~」「私もホワイトボードに描きたいから~の考えにしようかな」といった思考になってしまうかもしれません。
それでいいのでしょうか。上記のような方にとっては、「相互指名!?」と思われるかもしれません。
相互指名によって、教師側が思っていかなかった方向へ話が進んでいくことがあります。しかし、そのようなときは教師が軌道修正をすればいいのです。「ちょっと話を整理するね」「少し、この視点でも考えを深めていこうか」と言えばいいのです。
無理にではなく、自然な流れでです。そうすると、子供たちは「先生は私たちの考えを大切にしてくれる」と思ってくれるかもしれません。
相互指名をするときには、「考えをつなげていこう」という話もしています。最初からは難しいかもしれませんが、徐々にできるようになってきます。
そして、子供達自身も「考えをつなぐ」という視点を持つと、より相手の考えを聞くようになります。なぜなら、相手の話を聞いておかないと「考え」をつなぐことができないからです。

④「発表しよう ではなく お話しよう と言う」

これはすぐにみなさん取り入れることができます。「発表しよう」と言うのではなく、「お話しよう」と言う方が何か柔らかく聞こえます。
ここ数年は、高学年でも使っています。「『お話しよう』の方が、『なんでも話をしてもいいんだ』と思えるので、話しやすいです」と言っていた子もいました。
え!?と思われた方、是非使って見てください。

⑤「子供の考えを否定しない」

言葉の通りに、子供の考えを否定しないという事です。授業中、間違えるということはよくあります。間違えてはいるものの、自分なりの論理で出した考え方や答えです。
こういった場面で、間違えた子に対して教師がどのように考えるのか、つまり、教師が(子供への)見方・考え方をどのように働かせているのかということが大切になってきます。
単に「間違えている」と否定的な考え方では、授業者として思考停止です。ましてや、「どうして間違えるの?」「このあとの授業の展開が・・・」「違う子をあてたらよかった・・・」と考えてしまうのは、最悪な考え方です。
結局このような見方・考え方しかできないのであれば、「正しい・間違え」という見方でしかできていないからです。教師がこういった見方・考え方をしていては、今よく言われている「深い学び」の授業の実現など不可能です。
詳しいことはまたどこかで書きたいと思います。

樋口 万太郎(ひぐち まんたろう)

京都教育大学附属桃山小学校
みんなが「わかる」「できる」、そして「楽しい」授業を目指し、目の前にいる子に応じた指導を行っています。キーワード「学級経営」「算数」「タブレット端末」。

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