2019.01.22
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体育授業のちょっとしたコツ(4)

比較的教職経験の浅い先生に知っておいて欲しい、体育授業のちょっとしたコツについて紹介します。
今回でこのシリーズは、4回目になりました。
これまでの記事もよろしければ、ご一読ください。
体育授業のちょっとしたコツ(1)
体育授業のちょっとしたコツ(2)
体育授業のちょっとしたコツ(3)
どうぞよろしくお願いいたします。

大阪市立堀江小学校 主幹教諭   (大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年) 川村幸久

◆知っておきたい集団行動の指導のメリット

正しい集団行動を身に付けることで
① 安全に行動することができる
② 効率よく行動することができる
③ 緊急時の事故防止、素早い避難につながる
④ 話を集中して聞くことができる等のメリットがあります。

間違えてはいけないのが、体育の授業時間の多くを集団行動の指導にあててしまうことです。
体育では、様々な領域の学習内容を子供達に指導しなくてはいけません。
先生は、子供達が学習する内容は、すべて保証しなくてはいけません。
集団行動の必要性を理解させ、形式的な指導に陥ることのないように十分留意し、体育授業のみならず、様々な教科学習や行事の中で継続して指導するようにします。

◆先生の合図

先生の合図は、『予令』と『動令』の大きくわけて2つあります。

予令
 「これから号令をかけます」という合図
動令 実際に動く合図



予令と動令の間に、2拍ほど間を入れると、子供達は次の行動への心の準備がしやすくなります。
先生は、子供の人数や様子を見ながらしっかりと間を取るようにしましょう。
他の先生の号令を聞いてみてください。

◆先生の合図は、間が大切

先生の合図には、例えば以下のようなものがあります。

★休めの合図         『休め』
※楽な姿勢になるようにします。視線や手の位置などは乱しません。

★気をつけの合図       『気をつけ』
※「休め」の号令をかけてから「気をつけ」の号令をかけます。

★後ろへの方向転換(回れ右) 『回れ ① ② 右』
※回れ右の指導については、低学年では、回れ右がスムーズにできなくても、その子供の実態に合わせて、その場で足を踏み替えながら、右回りで後ろへ向くことができるように指導しましょう。

★腰を下ろして休む姿勢    『腰を ① ② おろせ』
子供達を座らせる際には、地面の状態にも注意を払いましょう

★集合            『〇列縦隊に ① ② 集まれ』

★整とん           『前へ ① ② ならえ』『なおれ』

◆まずは、知ることから

最初にも少し書きましたが、体育の学習が、この集団行動の指導に終始することはあってはいけません。
先生が合図の仕方や指導のポイントを知っているのと、まったく知らないのとでは、安全面・効率面で大きく授業の成果が変わってきます。



ここで紹介した以外にも、体育の授業や学校生活の様々な場面で使う合図があります。
まず、先生方が正しい合図や指導上の留意点について知るところから始めましょう。

以下を参考にしてみてください。
文部省(現:文部科学省)(1993)『学校体育実技指導資料集第5集「体育(保健体育)における集団行動指導の手引き(改訂版)」』

川村幸久(かわむら ゆきひさ)

大阪市立堀江小学校 主幹教諭
(大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年)
教師生活15年目。これまでの担任・教務主任の経験、大学院での学びを省察し、学級経営やICT活用、体育科教育を中心に、皆様と情報共有をさせて頂ければと思います。

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