2018.10.05
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学校における働き方改革と部活動(1)

学校における働き方改革による今後の部活動(主に運動部)のあり方について考える

群馬医療福祉大学 助教 赤堀 達也

これからの部活動のあり方について

現在の日本社会では、働き方改革により、これまで長時間労働が美学とされていた時代から、仕事とプライベートを両立していく新しい時代へ突入しようとしています。

教員の世界でも、学校における働き方改革として、少しずつ進み始めています。日本の中学校教員を見てみますと、世界一忙しく、その長時間労働は過労死レベルであるとの調査結果が出ています。そのため、スピード感のある改革が必要とされています。長時間労働の最大の要因となっているのが部活動であるため、そこに真っ先にメスが入ることになっています。

ただ海外では、学校での部活動として行っている国は少なく、学校と完全に切り離したクラブとして行うことが主流となっています。日本においても、一時はそのような完全外部化も考えられたようですが、これまでの学校教育における部活動の役割を考えると、完全に切り離してしまうことは考えにくいです。そしてそれは学習指導要領に「学校教育の一環として,教育課程との関連が図られるよう留意する」とあることからも、再度学習指導要領の改訂が行われる次の10年間は学校教育の一部として行われていくことになります。

また中学校の学習指導要領では「学校や地域の実態に応じ,地域の人々の協力,社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行い,持続可能な運営体制が整えられるようにするものとする。」ともあります。そのため、部活動と社会体育クラブが補完し合って行う世界に類を見ない形態として、日本オリジナルの活動展開を試行錯誤していくことになります。(遠い将来に完全外部化はあるかもしれませんが…)

そこで、今後の部活動のあり方について、教員・選手・外部指導者が協力して取り組める活動のあり方を考えていきたいと思います。

そういう私は現在、大学教員でありながら、中学校の外部指導者として活動し、同時に社会体育クラブを設立して保護者のご協力の元に運営及び指導を行っています。実は過去には、幼児の体育指導・小学校のスポーツ少年団コーチ・中学生の外部指導者・高校生の体育指導・大学生の体育指導及び部活動指導と、全年齢の子どもの指導に携わってきました。その経験も含めて、複数回に渡って話を展開していきたいと思います。

まず今の部活動における教員・外部指導者・子どもから見た問題点をピックアップしてみましょう。

教員からの視点

①部活動の時間により、次の日の授業準備の時間が後回しになる。
②土日の練習や試合で休日がなくなる。
③未経験の教員が顧問となる場合が多い。
 他にもたくさんありますが、上記の課題が主な課題としてあげられます。

外部指導者からの視点

次に今の部活動の形態で外部指導員から見た問題点をピックアップしてみます。
①平日は仕事で行けず、土日しか行けない。
②平日行けたとしても、完全下校の時間により、少ししか練習できない。
③他部活動との場所の調整で、練習スペースが限られてしまう。
こちらについても他にたくさんありますが、主な課題としたらこれらになります。

子どもからの視点

最後に、こどもの意見ですが、これは多種多様です。
①もっと練習したいのにできない/もっと練習が少なくていい
②土日はたくさん練習したい/土日には練習したくない
③先生の言うこととコーチの言うことが違う
子どもの置かれている立場により、言うことが変わります。しかし一番大事なことであるため、連載の最後の方で向き合ってみたいと思います。

学校における働き方改革の目的は、『「学校における働き方改革」により、教師が心身の健康を損なうことのないよう業務の質的転換を図り、限られた時間の中で児童生徒に接する時間を十分に確保し、児童生徒に真に必要な総合的な指導を持続的に行うことのできる状況を作り出すことを目指します。(文部科学省)』とあります。つまり、教員に余裕を持って取り組んでもらうことで、子どもたちに提供する教育の質を上げましょうということです。

次回からはその本質をふまえた上で、それぞれの立場の視点から、現状を伝えて行きたいと思います。

赤堀 達也(あかほり たつや)

群馬医療福祉大学 助教・元パーソナルストレッチトレーナー・バスケットボールコーチ
幼児体育指導、小学校のスポーツ少年団指導、中学校の部活動指導、高校の体育指導、大学の体育指導及び部活動指導と、全年代の子どものスポーツ及び体育指導の経験を生かし、子どもの運動能力の向上を図る研究を行う。

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