コロナ禍におけるこれからの体育や部活動について
最近のニュースで、部活動のクラスターが発生しています。多分、新生活様式ならぬ新教育様式が求められるのだと思います。非認知的能力という観点から、体育や部活動に関する新教育様式について述べていきます。
旭川市立大学短期大学部 准教授 赤堀 達也
はじめに
新型コロナウィルスの第2波が第1波よりも猛威を振るっている中、夏休み明けの2学期からは休校やオンラインでのスタートもあり得るのではないかとの状況になってきています。一説には7月末がピークだったとの話もありますが、1ヶ月経った現在も感染者の数は高い位置で推移しています。
この夏は例年に比べて特に暑く、マスクをしながらの活動は熱中症の危険が伴います。また秋~冬になってくるとインフルエンザも流行し始め、日本感染症学会では「流行が重なれば重大な事態になる」と言っています。今後何年かはまともに体育や部活動を行うことができないでしょう。そのような中、私たち教員はどのように体育や部活動を捉えていったらいいのでしょうか?
非認知的能力の考え方
「新教育様式」柔軟的に非認知的能力を考える
しかし新型コロナウィルスにより状況は一変してしまいました。現在各地の学校でクラスターが発生していますが、体育や部活動において非認知的能力の3つの力の育成を考えて活動しようとすると多分クラスターが発生してしまうと思います(これまでに発生したクラスターの全てが体育や部活動が原因という意味ではありません)。そのため新しい考え方=「新教育様式」で取り組む必要があると思います。特に「人と上手に関わる力」に関しては、これまでは仲間に何かあってふさぎ込んでいたら手を引っ張ってあげて何も言わずにギュッと抱きしめてあげるイメージがあったかもしれませんが、今後はデジタル画面越しで良い言葉をかけることが求められるようになるでしょう。もっと極端に言えば、各個人の「目標に向かってがんばる力」に重点を置いた活動に留めるくらいの考え方の方が安全に行えるのではないかと思っています。
感染者が出たら2週間の休校となることが言われていますが、感染者は1人とは限りません。連鎖的に出てくる可能性が高いです。そのため2週間では済まずにもっと長期間の休校になるでしょう。他教科は比較的対応できそうですが、体育や部活動についてはそうはいきません。かなりの準備とアイデアが必要となります。
多分若い子どもたちは柔軟に対応できると思います。きっと足枷となるのは教員です。今のうちに子どもたちと相談しておいてはいかがでしょうか?そして教員の中で、非認知的能力の3つを同時に考えるのではなく、1つずつに絞って考えていくといいと思います。
最後に
準備した程度の成功しかありません。秋~冬を迎える前に、新教育様式について、ICT機器の利用など、できる限りの準備をしておきましょう。
赤堀 達也(あかほり たつや)
旭川市立大学短期大学部 准教授・北海道教育大学旭川校女子バスケットボールヘッドコーチ
これまで幼児・小学生・中学生・高校生・大学生と全年代の体育・スポーツ・部活動指導してきた経験から、子どもの神経に着目したスポーツパフォーマンス向上を図る研究を行う。
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(大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年) -
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浜松学院大学 現代コミュニケーション学部 子どもコミュニケーション学科 教授
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