2019.08.23
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どんな合宿してますか?

夏休みも後半になり、地域によっては間もなく授業再開といったところも多いでしょう。ちなみに勤務校のある山形県では、19日の週から授業再開の学校が多く、エアコンもない教室の方が普通なので、残暑が厳しい年はけっこう大変です。
さて、夏休みと言えば、部活で合宿をするというところもあるのでは?というより、高校だとほとんどの部活が何らかの形で合宿を組んでいるかもしれません。今回は、そんな部活の夏合宿について書いてみました。

前 山形県立米沢工業高等学校 定時制教諭  山形県立米沢東高等学校 教諭 高橋 英路

合宿の目的は?

合宿する目的は何でしょう?部の状況によってイロイロかと思いますが、例えば・・・

(1)集中して練習できる
・・・合宿となれば、期間中は練習に集中することになるので、他の様々な誘惑から逃れて取り組むことができます。また、午前の練習の反省を、午後からの練習にすぐに活かすこともできます。そういう意味では、通常よりも効果的に練習することができると思います。さらに、指導者の立場としても、同じ選手を普段以上にじっくり見ることができるので、様々な角度からアドバイスをすることができます。

(2)練習以外の生活もサポートできる
・・・普段は部活が終わると、それぞれが自由に過ごすことになります。が、その時間帯の行動が把握しにくいので、体調不良の原因や学習とのバランスなども見えてこない場合もあります。合宿では、練習後も常に一緒に行動しますので、健康状態やその原因も把握でき、合宿後の生活に向けたアドバイスをすることも可能です。

(3)集団での生活をする
・・・これは部活の合宿に限りませんが、何でも自由に過ごせる自分の部屋とは異なるところに、同じ部の仲間が泊まりがけで生活することになります。普段より不自由を感じることもあるでしょうが、そういう中でうまく生活していくことは非常に重要な体験だと思います。起床時刻や就寝時刻、食事の時間など、あらかじめ決まっているものに自分を合わせていくという経験は、部活でなくとも大事なことです。

(4)自己管理をする
・・・部活の合宿は日程などがすでに決まっていて、あとは参加するだけと考えている生徒も多いかもしれません。しかし、実際は、合宿に必要な持ち物の準備やそれまでの体調管理、合宿当日の体調の維持、練習間の過ごし方など、自分で管理しなければいけない部分が大きいです。それを自分で考えて参加するだけでもすごく勉強になると思います。

(5)チームとしての団結
・・・慌ただしい日常では、部員同士、顧問と部員がゆっくり話をする機会も少ない場合もあるでしょう。合宿中は常に一緒にいるわけなので、様々な場面で話をすることになります。お互いの意外な一面を発見するなど、団結力や信頼関係を築くきっかけにもなると思います。

今年度の合宿地

今年の勤務校では剣道部の顧問となり指導していますが、夏の合宿は山形県飯豊町中津川という、都市部からだいぶ離れたところで企画しました。最寄りのコンビニまで20km弱あり、すごく自然豊かで、都会の小中学生から大人までいろんな人が訪れる場所でもあります。練習場所は旧中津川小中学校(現在は廃校)の体育館を貸していただき、近くの農家民宿に宿泊するという形で実施しました。市街地から遠い分、練習場所が他と競合することもなく、人数の割に比較的広い場所を使用できるのもメリットです。

こちらの農家民宿は地域内に数軒あり、それぞれの個性を活かした宿です。海外や首都圏からのリピーターも多く、移住してしまう人までいるくらいで、地域の情報を地域内TVに流したり、豪雪地帯の雪を生かしたイベントを開催したりするなど、様々な工夫が凝らされています。農家民宿ですので、季節に応じた農業体験や収穫体験、野外活動の案内、BBQなど、リクエストによっていろんな体験をすることも可能です。食事も一緒に作って、一緒に片づけたり、到着時に茶の間で一服など、民宿の方とのコミュニケーションも楽しみの一つになっています。

自分たちで考えて行動

さて、このたびの合宿のねらいはいくつかあります。前述したものと重なる部分も多いので、特に!というのが、自分たちで考えて行動してもらいたいということです。

今回の合宿では、朝の散歩(兼 体育館の開錠)と午前中の練習、夜の練習のみを全員共通としています。朝の散歩が6:15~6:45、午前の練習が8:30~11:30、夜の練習が18:45~20:00ですが、それ以外の時間帯は自分たちで考えて時間設定するようにしています。民宿ごと(1つの民宿に5名まで)に、食事や入浴、午後の活動内容を決めて、民宿の方に相談しながら進めていく形をとりました。高校生ですので、学習時間も必要ですし、差し入れでスイカや花火をいただいて、その時間も入れたいという要望もありました。そのへんを考えながら自分たちでも相談し、宿の方とも相談しながらスケジュールを組んでもらいました。

川に行ったり、山へ行ったり、魚を焼くために炭に火をつけたり、最も暑い時間帯は室内での学習に充てたり・・・あれこれ考えながら充実した日程を組んでいたようでした。また、そうした中で宿の方や自分たち同士でのコミュニケーションも自然とはかれるようになっていったと思います。さらに、自分たちで決めた日程ですので、やらされている感もなく、適度な緊張と達成感、充実感を得ながら参加することができた気がします。

純粋な競技力の向上をねらった合宿もあるでしょうし、同じねらいでもまた違った形の合宿もあると思います。また、宿泊という形でなくとも学校に通いながら同じような効果を得られる工夫をしている部もあると思います。今回は、あえて学校や市街地から離れた場所で、農家民宿での宿泊を選んでみたという一例になります。それぞれのチームの人数やねらいによってさまざまな形があって良いと思いますが、こんな形もどうでしょう?

まだ暑い日が続きますが、夏休み明けの授業も頑張っていきましょう!

高橋 英路(たかはし ひでみち)

前 山形県立米沢工業高等学校 定時制教諭
山形県立米沢東高等学校 教諭


クラス担任と、地歴科で専門の地理を中心に授業を担当。生徒達の「主体的・対話的で深い学び」が実現できるよう、p4c(philosophy for children)やKP(紙芝居プレゼンテーション)法などの手法も取り入れながら日々の授業に取り組んでいます。

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