ICTを活用した授業 体育×ICT③(体つくり運動)
ICTを活用した体育の授業(体つくり運動)について、これまで2回実践を紹介してきました。
[過去の記事はこちら↓]
第一回記事
第二回記事
今回も、前回と同様の単元(高学年、体つくり運動、体力を高める運動、力強い動き及び動きを持続する能力を高めるための運動)です。
これまで使用していた体育の学習カードをMicrosoft Excelを活用してデジタル化(デジタル学習カード)しました。
どうぞよろしくお願いいたします。
大阪市立堀江小学校HP
私の自己紹介記事
大阪市立堀江小学校 主幹教諭 (大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年) 川村幸久
◆児童の意欲を持続させるために◆
昨日の自分・自分のグループの記録を上回ることをめあてに

●一定時間に連続して運動すること
●一定の回数反復して運動すること
この2点を通して、動きを持続する能力を高めることをねらいとしています。
文部科学省の学校体育実技指導資料第7集体つくり運動に例示されている動きには、
●短なわ、長なわを使って全身運動を続けること
●無理のない速さで持久走をすること
●固定施設等を利用したサーキット等が例示されています。
例示されている運動を参考に、今回は短なわ・長なわを行いました。
目標は、昨日の自分や自分のグループの記録を1回でもこえるということです。
(目の前の目標を持ってやらなくては、なかなか意欲を持続させて取り組むことができません)
◆体力を高める運動のねらい◆
矛盾するようですが
体力の向上を直接の目的としていますが、相対的な数値を向上させることが一番のねらいではありません。
さきほど述べたことと相反していて、矛盾していますが、昨日の自分・自分のグループの記録をこえることがすべて真であるということではありません。
大切にしていることは、
●子どもたち自らが工夫して運動に取り組むこと
●楽しみながら自分に合った体力を高めることに取り組むことです。
そして、
●体力を高めることの必要性を実感すること
●どうすれば体力を高めることができるのか、理解すること
●体力を高めることについて、学んだことを家や普段の学校生活に生かすことができるようになることを最終目的にしています。
(前置きが長くなりましたが、決して勝利至上主義ならぬ、記録至上主義でこの体育の実践をしているのではないということをおさえておきます)
上記の点を(大前提として)指導者も子どもたちも理解した上で、
その1時間1時間を一生懸命に取り組んでもらいたいので、昨日の自分・自分たちのグループの記録を1回はこえようねと声をかけて授業を行いました。
◆運動1 長なわリレー◆
縄の回し手も移動しながら縄を回す

どのように移動するかですが、まず
写真の赤い矢印の白の線と紺色の線に注目してください。
2人の回し手は、この線に沿ってゆっくり移動します。
回し手はこの2人です。
今は、バスケットゴールの下あたりにいます。
この2人がしばらく回していると、
◆運動2 短なわ◆
1分間で何回跳ぶことができたのかを計測する

●前とび
●かけあしとび
●前ふりとび
●あやとび
●かけあしあやとび
●前ふりあやとびの6種類です。
児童一人ひとりのタブレット端末には、このようなデジタル学習カード(Excelシート)が入っています。
このように種類を選択することができるようになります。
1分間の計測を2回交互に行った後、各自のタブレットを開いて記録を入力します。
学習カードをデジタル化することで、より効率的に、効果的に運動に取り組む児童が増えました。
どうしても単調に、トレーニング的になりそうな運動ですが、意欲を持続させることができました。
ICTありきではなく、ICTの特長を生かした個別・協働学習を促進させるツールとした活用であったと考えています。
最後に、
●子どもたちが、運動が楽しいと感じる授業に
●子どもたちが、友達と一緒にすることの心地よさを実感する授業に
●子どもたちが、もっとこの運動をしたいと思う授業に
●子どもたちが、『そうか、なるほど』と動きを高める気づきがある授業に
●子どもたちが、次はこういうことに挑戦したいと自分から発する授業になるように、探究していきたいと考えています。
今後は、私が体育の授業で『これまで大切にしてきたこと』『学習中の運動量について』等について書いていきたいと考えています。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
◆学級経営・体育関連記事◆
●授業力&学級経営力 2017年9月号/クラスがまとまる!子どもが伸びる! 今月の学級ゲーム&アクティビティ 9月 暑い夏でも広がる笑顔! 小学校低学年

川村幸久(かわむら ゆきひさ)
大阪市立堀江小学校 主幹教諭
(大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年)
教師生活15年目。これまでの担任・教務主任の経験、大学院での学びを省察し、学級経営やICT活用、体育科教育を中心に、皆様と情報共有をさせて頂ければと思います。
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