2017.01.26
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トラブルが起きたら......(3)

年度末,年度始め,子どもたちが落ち着かないことがあります。
また,子ども同士のトラブルをよく耳にするようになります。
これが教室の気になるあの子どもには,少しばかり手だてが必要かもしれません......。
教育者として,大切にしたいこと の
「トラブルが起きたら......」
大切にしたいポイントを5つお話をします。

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV) 関田 聖和

1.落ち着ける場所へ

とりあえず,子ども同士を引き離すことが先決です。
怪我をするまで,けんかをしている状態は,避けたいものです。
そして,それぞれの
子どもを落ち着ける場所に
連れて行きましょう。

2.共感しながら話を聞こう

子どもが完全に落ち着いたあとで,
それぞれの子どもに共感しながら,話を聞きましょう。
決して,

頭ごなしに叱ってはいけません。


頭ごなしは禁物です。
また,聞いている話をさえぎって,

「それは,絶対あかん!」


ということも,ぐっと我慢です。

3.コミック会話を使おう

話を聞くときに,その内容が視覚的に分かるように
フローチャートなどを書きましょう。これを

「コミック会話」


といいます。
 視覚化された情報を見ながら,
本人自身が,

自分の言っていることは,何なのか


理解しやすくするのです。

話した言葉を繰り返し言って返すと,
傾聴度も増すことがあります。

4-A.普段じっとしていられないような子どもの場合

ここからタイプ分けになります。

言葉よりも先にすぐ手が出てしまう子や
文字などを勢いよく,または,乱雑に書く子どもの場合,

これらが原因の根底にあってけんかになった場合は,
子ども自身が
「しまった」,
「こんなことになるとは,思ってなかった」
と思っていることが多いです。
 だから,

激しく叱りすぎたり,
恐怖心をあおったりするだけの指導は,NG

です。
それは,

「怒られた恐怖感」しか残らない


からです。

本人のその気持ちを汲むことが大切となります。
そして,コミック会話で視覚化した図や言葉を見ながら,

どこで,どういう言動をとればよかったのか


を考えさせ,その言動をさせてみるのです。

4-B.こだわりがあったり,思い込みがあったりする場合

こだわってしまう傾向や思い込んでしまったりすることが
根底にあってけんかになった場合は,

一旦,子どものこだわりを認めること

がポイントです。
そして,その場に即したルールを

視覚化した図や表,言葉を使い

ながら話をします。

例えば,
「掃除をさぼる子が悪い」
などの理由で怒っている子どもには,

「さぼる子どもは悪いね。
でも,ここで厳しく注意をするのは,先生の仕事で
あなたの仕事ではないよ。」


などと伝えるのです。
一度受けとめることがポイントとなります。

5.どういう行動を取れば良かったのかを考える

相手の子どもにも同様に言い分を視覚化しながら
確認をします。
その後,お互いの話を聞き取った上で,
それぞれが,

どこでどういう行動をとればよかったのか


を考えます。そしてその中から,

一番適切な行動を教え,させてみる

のです。

この話し合いを今後の解決のヒントに

けんかの当事者だけの問題にしないためにも,
双方が自分で話し合ったことをクラスで共有したいですね。

また,望ましい言動について広く理解させると,
似たようなケースが起きた場合の

トラブルの未然防止


つながります。
もちろんこれは,ケースバイケースですが……。

でも,
「問題が起こったら,自分で視覚化して考えてみる」
というスキルが,自分が混乱したときの解決のヒントに
なることが分かればいいですよね。

この記事で,100記事達成です。
ご褒美に,モロゾフのプリンを食べます(笑)


いっしょに学びませんか。
教材・授業開発研究所in神戸2017春
http://www.kokuchpro.com/event/2017_04/

関田 聖和(せきだ きよかず)

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
主な単著:『楽しく学んで国語力アップ!「楽習」授業ネタ&ツール』(明治図書)、『新学期から取り組もう!専手必笑 気になる子への60の手立て』(喜楽研)、『専手必笑!インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり』(黎明書房)、国語・算数が苦手な子どもへの個別支援プリントシリーズ(全10冊:清風堂)
その他、特別支援教育すきまスキル(明治図書)等共著多数。

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