2023.06.08
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1人1台時代の理科実験のセンサーやデジタル顕微鏡、人気プログラミング教材の新作や話題のアセスメントツールが登場! New Education Expo 2023 リポート vol.2

100社を超える展示と120を超えるセミナーによる充実の教育関係者向けイベントNew Education Expo2023 東京。3日間で約7,000名が来場した。vol.2では展示ゾーン:UCHIDA SCIENCE、STEAM教育、教育用コンテンツ配信サービスEduMall、教室のICT環境・電子黒板、特別支援教材などウチダの展示ブースから注目の新製品を紹介する。(右の写真は証明書自動発行システム「パピルスメイト7」)

UCHIDA SCIENCE

①サイエンスWebセンサー

今年のイチオシ製品! タブレットと連携する理科実験用センサーシリーズが登場

  • 「酸素・二酸化炭素」センサー ¥32,780(税込)

  • 「気温・湿度・気圧」センサー ¥21,780(税込)

  • 「温度」センサー ¥18,480(税込)

  • 「音」センサー ¥9,800(税込)

サイエンスWebセンサーは、GIGA端末とつないで使用する理科実験用センサーの最新シリーズだ。「酸素・二酸化炭素」、「気温・湿度・気圧」、「温度」、そしてマイクによる「音」の4種類のセンサーがラインアップされている。

使い方はとても簡単で、センサーを端末にUSB接続するだけ。測定したデータは「Uchida Science Web」内の専用Webアプリで確認ができるため、端末にアプリをインストールする手間がかからない。WebアプリはPWA(Progressive Web Apps)として開発されており、初回のアクセス以降はオフラインでも使用可能で、校庭など電波の届きにくい場所でも測定できる。

センサーのデータ数値はCSV形式、グラフは画像データでエクスポート可能。またデータログ画面には「記入欄」があり、「加熱開始」など実験の状況や気づいたことをメモできるなど、自分の端末で実験結果をじっくり考察する時に便利な機能も、搭載されている。

このような実験用センサーは以前からあったが、計測値を示す液晶画面が一体化され、データロガーも内蔵されていたため、価格が高いのが難点だった。そこで、この製品では各センサーを独立させ、データログは端末側で取るようにしたことで、低価格を実現した。

先生方からも好評を頂いており、「WEBアプリで動くのが便利」「直感的なUIで使いやすい」との声が届いているという。

②デジタル生物顕微鏡D-SF600W

iPadでも使える!Wi-Fi接続のデジタル顕微鏡が登場!

デジタル顕微鏡D-SF600W ¥130,900(税込)

「(USB端子の無い)iPadと簡単につながるデジタル顕微鏡がほしい」という先生方の要望に応える形で開発されたのが、この製品。Wi-Fi接続を採用しているため、iPadを含む様々な端末で用いることができる。

接続方法はとても簡単で、顕微鏡本体に添付されているQRコードを端末で読み取るだけ。顕微鏡本体にWebアプリが内蔵されているため、端末にアプリをインストールする手間がかからず、端末のブラウザ画面から顕微鏡の画像を観察したり、画像を端末に保存することもできる。「低学年の生徒でも直感的に操作できる」と、先生方からも好評だという。

③デジタル顕微鏡カメラ

アナログ顕微鏡がデジタル顕微鏡に早変わり!

デジタル顕微鏡カメラSCD-50GW ¥107,800(税込)

既存のアナログ顕微鏡を手軽にデジタル化できる製品も登場した。このレンズ付きWebカメラを通常の顕微鏡の接眼レンズに取り付ければ、瞬時にデジタル顕微鏡に変身。iPadでも使用可能な無線接続タイプ、USB接続タイプ、HDMI接続タイプのバリエーションが用意されている。

さらに、このWebカメラを取り付けられる、コップ型のスタンドもオプションで用意。ルーペで観察していたような動植物等を、撮影・保存するのに便利だ。

これら製品群は、「観察や実験のデジタル化」を促してくれるツールと言えるだろう。

プログラミング教材

①toio™ 実験器+専用カリキュラム

STEAM教育ブースから

キューブ型ロボットトイ「toio(トイオ)」のコーナーでは、toio 専用教材シリーズの最新作「GoGo ロボットプログラミング アドバンス」(7/13発売開始)が注目を集めていた。PCの代わりに紙のカードと本を使ってプログラミングする点は前作と同じだが、プログラミングの基本要素(順次/繰り返し/条件分岐)に加えて、2022年度より必修化された高校「情報Ⅰ」で扱う上位概念(乱数/関数/マルチスレッド/変数/メッセージ通信など)も学べるよう進化している。 対象は小学校中学年以上で、ビジュアルプログラミングへの移行のみならず、高校への接続に向けたステップアップにも有効だ。

toio を用いた公教育向けカリキュラム「ロボットとまなぼう」では、小中学生の発達段階に応じた教科横断的なカリキュラムを取り揃えており、総合的な学習の時間のほか、各教科での活用も可能だ。例えば、外国語「道案内」の単元に対応したカリキュラムでは、図形を描いたり道順を指定したりするプログラムを作成・実行し、ロボットを動かしながら学ぶことができる。ペーパークラフトをブロックに乗せて、人形劇をすることも可能だ。

『toioTM(トイオ)』月/金星の満ち欠け実験器

小学5年・中学3年理科「天体」に対応したカリキュラム向けの「『toio』月/金星の満ち欠け実験器」も登場。月/金星モデルや地球モデル(カメラ)を取り付けたtoioをタブレットPCに接続し、映像で月/金星の満ち欠けの様子を確認できる。GIGAスクール端末対応で導入も容易だ。

②ピクシケード ゲームメーカー

特別支援ブースから

  • ピクシケード ゲームメーカー

  • 描いた絵を撮影し、取り込む

  • パーツの大きさを調整する

5色のマーカーで描いた絵をアプリで撮影するだけでオリジナルゲームを作れる、アメリカで大人気の知育玩具。キャラクターは緑、アイテムは青、敵は赤など、色によってゲームの中での動きを描き分け、ゲームが成り立つように編集して改善することを通して、楽しみながらプログラミング的思考を養うことができる。特別支援教育の授業支援ツールとしてもおすすめだ。

教育コンテンツ

EduMall教材:たつじんテスト

  • 「たつじんテスト」概要

  • 問題例

  • 解説

  • 採点ツール

認知科学の権威である慶應義塾大学の今井むつみ教授と広島県教育委員会が共同開発した、「子どもの学びのつまずき」を知るためのアセスメントツール。「左」「右」ということばが正確に使えない、母数の大きい1/3の方が1/2よりも大きいと思っている等、多くの子どもが誤った概念をもち、それが学習を困難にしていることがわかってきている。

「たつじんテスト」は、こうしたつまずきの要因を「ことば」と「数」についてのテストと採点支援ツールを使って明らかにし、指導に役立てることを目的としたもの。今回、つまずきの部分を具体的に理解するための解説動画や、先生がアセスメントテストを実施しやすい進め方や解答類型、集計表等をラインアップし、学校で先生方が運用し易いようにパッケージング。全国小中学校累計8000校に導入されている教育用コンテンツサービス「EduMall」にて販売が開始されたことで、子どもの学力不振に悩む全国の自治体・小学校への普及が期待される。

教室のICT環境・電子黒板

ICT機器の仕様を前提とした新しい教卓や、自宅等から授業に参加している学生の画面も、教室から参加している学生同様に一覧で確認できるクラウド型画面モニタリングシステムRealCAST、マイク&スピーカー内蔵で、超コンパクト・多機能な次世代実物投影機A30、6セット使えば最長20mの壁をタッチスクリーンにできる次世代電子黒板システムなどの新製品が紹介されていた。

特別支援、家具

大型LEDタイマーには、今までありそうでなかった三脚用の穴が付いており、体育館などでも利用しやすくなっている。足を敢えて動かして脳内多動を落ち着かせるアイテム「揺れる足台」は、各クラスに1名程度、足元にこれがある方が集中できる子がいるそうだ。モンテッソーリ教育を実践する前段階で、巧緻性を育てる導入教材「MONOKO教材」も展示されていた。

家具コーナーには、「天板拡張くん」付きの机が展示されていた。大人子ども共用のステップ付きの机や椅子のニーズが高まっているそうだ。

記者の目

個別最適な学びでは、子ども一人ひとりが、学びたい時に、学びたいことを学べる環境を整えることが求められる。しかし理科の実験や観察は、振り返るのが困難だった。このようなデジタル機器を活用することで、子どもはいつでも何度でも実験を振り返ることができ、より深い学びが可能となる。GIGA環境を活用した個別最適な学びを支える、頼もしいツールだ。
中学校でのプログラミング教育は技術・家庭科(技術分野)に限られ、授業時間の不足が指摘されている。小学校段階から発展的なプログラミングの概念を体感できる教材やカリキュラムを用いれば、高校での学びに向けて無理なくステップアップしていけそうだ。また、「たつじんテスト」も小学校の早い段階で用い、適切な支援につなげることで、学習への苦手意識を払拭する効果がより高まることだろう。

取材・文・写真:学びの場.com編集部

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