2023.06.01
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速報!教育業界最大級のセミナー&展示イベントNEE2023が開幕 New Education Expo 2023 リポート vol.1

教育関係者が待ちに待った教育界最大級のセミナー&展示イベントが東京でスタート。100社を超える展示と120を超えるセミナーを揃え、東京、大阪ほか、各サテライト会場(札幌・旭川・仙台・名古屋・金沢・広島・福岡)で開催されます。今年も会場より速報リポートをお届けします。

NEE2023東京が開幕

お天気が心配されたなか、薄曇りの東京会場には開場前から多くの来場者が吸い込まれるように入って行きます。お目当ては初日から豪華講師陣をそろえて行われる基調講演か?最新トレンドの教育システムや教材を手に取って体験できる華やかで巨大な展示モールか?来場者受付には早くも長蛇の列が・・・学びの場.com恒例のNEEレポート。今年もスタートします!

NEW EDUCATION EXPO 2023開催概要

主催:New Education Expo実行委員会
東京開催:6月1日(木)~3日(土)/東京ファッションタウンビル(お台場)
大阪開催:6月9日(金)~10日(土)/大阪マーチャンダイズマート(天満橋)
サテライト会場(札幌・旭川・仙台・名古屋・金沢・広島・福岡):6月1日(木)~3日(土)
※同時開催「公共ICTフォーラム」:東京6月1日(木)、大阪6月9日(金)
詳しくは、NEE2023公式サイト 

必ず聴きたくなる!? 豪華布陣のセミナー群120超

<豪華な講演陣>

国の政策担当者、大学の研究者、先進の授業を展開する先生方の体験談など、教育関係者向けセミナーとひとくちに言っても、テーマや対象は様々です。NEE2023では今回も120余のセミナーが用意されています。来場者がどのような立場で教育に係わっていても必ず自分に合うセミナーに出会えることでしょう。事前申込みをしていなくても、満席でなければ、当日受付で受講できます。大阪会場は6/6(火)18:00まで事前申込みを受け付けています。詳しくはNEE2023公式サイトへ。

豪華講師陣によるセミナーの一部をご紹介

ー【東京会場】ー

  • [基調講演]教育の情報化の現状と課題/東北大学大学院 情報科学研究科 教授、東京学芸大学大学院 教育学研究科 教授 堀田龍也
  • [特別講演]「みんなの学校」が教えてくれたこと/大阪市立 大空小学校 初代校長 木村泰子 氏
  • [特別講演]それぞれの個性を発揮できる学びの場を目指して~1人1人異なる才能をどう見取るか~/東京大学先端科学技術研究センター シニアリサーチフェロー 中邑賢龍 氏

ー【大阪会場】ー

  • [基調講演]この国の未来、教育を考える~近年の教育改革を通じて~/東京大学 教授、慶應義塾大学 SFC 特任教授 鈴木寛 氏
  • [基調講演]デジタルトランスフォーメーションとこれからの教育「方法」/公益財団法人東京財団政策研究所 所長 安西祐一郎 氏
  • [基調講演]「主体[性」と「探究の力」が求められる個人化・個性化の現代社会/学校法人桐蔭学園 理事長、桐蔭横浜大学 教授 溝上慎一 氏
  • [基調講演]変化を恐れず挑戦する大学となるために~学の実化が目指す実社会との調和~/関西大学 学長 前田裕 氏

まるで教育のワンダーランド!! 目移りする展示ゾーン

<色分けされた展示ブース>
  • 青:ICT&ネットワーク/セキュリティ

  • 黄:ハードウェア&学校設備

  • 緑:教育ソフトウェア&コンテンツ/語学学習

  • 赤:教材・教具&理化化学機器

ふだんはなかなか触れることのできない教育関連製品やサービス。専門の説明員によるデモンストレーションを見たり、製品を手に取り、直接質問できる機会はリアル展示会の醍醐味です。教育者にとっては夢の国。大いに楽しみましょう。さて、企業や諸団体のブースが立ち並ぶ展示スペースは、想像以上に広大です。入場時にもらった案内図を見てもお目当てのブースにたどり着くまでにけっこうな時間がかかります。つぎつぎに目に飛び込む展示品の誘惑に負けてついつい足が止まります。会場で迷子になったら天井部や各ブースに貼ってある展示企業のサイン銘板を見ましょう。カテゴリーごとに色分けされたサインで、自分が今どのあたりにいるかを確認することができますよ。ではここからは新規出展ブースなどを中心にいくつかの展示をご紹介します。

行政機関や教育関連諸団体の提示も。

NEE2023は多くの協賛企業に加え、行政諸団体からも後援されているイベントです。受付を通過して最初に訪れたのは【文部科学省 総合教育政策局 教育DX推進室】によるCBTシステム(MEXCBT:メクビット)の紹介コーナー。文部科学省で開発・展開を進めている公的CBTシステムで、現在、公立小学校では70%超、公立中学校ではほぼ全ての学校が登録し、授業や家庭学習等の日々の学習のみならず、教員による問題作成、全国学力・学習状況調査や地方自治体独自の学力調査の実施等、幅広い用途で活用されているとのことです。

お隣は【総務省 統計局】による政府統計の総合窓口(e-Stat)の紹介コーナー。e-Statは、日本の政府統計関係情報のワンストップサービスを実現するため2008年から本運用を開始した政府統計のポータルサイトで、各府省等が実施している統計調査の各種情報をこのサイトからワンストップで提供することを目指し、各府省等が公表する統計データをExcel等のファイル、グラフ、地図など、様々な形でインターネットを通して利用することができます。教材作りにも役立ちそうですね。

パネル展示の並びのなかでひときわ目立っていたのは【一般社団法人日本車いすラグビー連盟】による車いすラグビー用の車いすの展示。黒光りする傷だらけの車体は迫力十分で、2020東京パラリンピックの激戦が思い出されます。6月29日からは2024パリ・パラリンピックの出場を賭け、2023ワールド車いすラグビー アジア・オセアニア チャンピオンシップ(入場無料)が東京体育館で開催されます。

先生の授業づくりや業務改善を支える最新の教材やサービス

働き方改革が叫ばれるなか、多忙な先生を業務面から支援する製品の展示も年々増えています。教育ソフトウェアのデジタル採点システム「採点ナビ」はスキャンした手書きの答案を自動採点してくれるソフトウェア。採点時間60%以上の効率化をうたい、先生の使い勝手を最優先した設計。ブースでは実際の製品操作ができます。

サイバーリンクの動画編集ソフトウェア「PowerDirector」は8年連続国内シェアNo.1。PowerPointファイルを含む各種映像素材をドラッグ&ドロップで直感的に編集することができ、動画教材づくりを支援してくれます。写真編集ソフトウェア「PhotoDirector」は、AIテクノロジーを採用した写真編集ソフトウェア。ガイド編集搭載により、迷わず写真編集ができるとのことです。

ゴビが出展する保護者負担経費会計システム「AzCalc」は、学校の教育活動に必要となる費用のうち、保護者が負担する「給食費」「学用品費」「副教材費」「遠足代」などの経費を管理する学校園向けのシステム。銀行のネットバンキングとのデータ連携機能や、保護者への連絡通知の簡易作成機能など、学校での利用に特化したもので既に多くの自治体や学校で採用されています。

ICT連携やデジタル化が進む教材ですが、三進金属工業の自在組立式木質ユニット 「つな木」は、木材と専用クランプを使って自由な用途とサイズで空間を組み立てられるツールです。文化祭や運動会、学校で作った作品の展示棚などにも活躍しそうですね。工夫次第で非常時にも役立つかもしれません。子どもたちが自分たちの手でつな木を作ることにより、国産材活用や森林の重要性を学ぶ”木育”としても期待されています。

今や学校に欠かせないICT利用環境とネットワークセキュリティ

GIGAスクール構想により学校中にあふれるタブレット端末。授業中のバッテリー切れで時間をロスした経験はありませんか?多摩電子工業の充電ステーション&モバイルバッテリーは、常に充電された5つのバッテリーパックを1セットにした商品で、屋内外を問わず急なバッテリー切れに備えることができます。リン酸鉄リチウムイオン電池を採用した安心・安全・長寿命で保証期間が長いのも学校に嬉しい配慮です。バッテリー1つあたりの重さも学校で扱う許容範囲内だと思います。(実際に持って確かめられるのもリアルイベントの良いところですね)

DHA Corporationの日本国内用SIMカード「Nippon SIM」と契約無しプリペイド式モバイルWI-FIルーターのセットは、持ち運びが簡単で、いつでも・どこでもWi-FI環境を実現可能。オンライン授業・在宅学習・リモートワークに活用できます。SIMカードを入れ換えるだけで、必要な容量・日数で継続使用ができるので急な利用や短期的な利用にも適しています。(レンタル方式ではなく、年単位の契約縛りなどはありません)

SCSKのブースでは、「未来の教育環境のあるべき姿へ導く、ICT環境改善」をテーマに、教育現場に最適な最先端プロダクト&ソリューションを紹介していました。サーバークラウド化による廉価で安心のデータ保存環境の実現や、ファイル自動暗号化による高セキュリティ、教育現場の適切なデータ管理とアクセス権管理によるデータ保全や情報漏洩対策など多様で大量の個人情報を扱う学校や教育委員会には欠かせないICT利用環境を一括して提供しています。

模擬教室空間:ミニセミナーの舞台にもなる生きた展示空間は必見

展示会場内には小教室のような建付けの空間が点在します。毎年大人気の未来の教室「Future Class Room」では、一定時間ごとに「フューチャークラスルームライブ」と称するミニセミナーが開催されます。今回のメニューは「ようこそFuture Class Room®へ2023」、「理想の職員室を考えるワークショップ」、「レゴ®エデュケーションを使ったSDGs学習」など。1セミナー当たり30分と短く、当日立ち見参加も可能です。

会場内には図書室/図書館も設えられています。人と人とをつなぐ、人と本をつなぐIT図書館システム「ULiUS(ユリウス)」、国内でもじわじわとブームになっている「読書通帳」などが実演されるハイテク図書空間ですが、木材を多用した落ち着いた環境デザインは、学校の図書室づくりのヒントにもなりそうです。

理科室コーナーには、デジタル顕微鏡をはじめ、様々な実験器具や標本類が並び、理科好きな先生はワクワク感が止まらないでしょう。なかでも今回のイチオシは「サイエンスWebセンサー」。タブレットPCとつないで理科実験を行うとセンサーが計測したデータをリアルタイムでタブレットに取り込み、その場で表やグラフを提示してくれる優れものです。接続も簡単でとてもシンプルなデザインです。

記者の目

会場内や会場周辺のベンチにはおそろいのNEE2023紙袋を持った来場者グループがあちこちに。他の先生の授業実践事例を聴いたり、最新の教育システムや教材を目にしたり、先生方も大いに刺激を受けておられるようで、楽しそうに会話がはずんでいる様子がたくさん見受けられました。地域や校種を超えたコラボレーション授業もこういった交流から生まれるのかもしれませんね。

取材・文・写真:学びの場.com編集部

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