2016.06.06
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研究授業から学ぶ 20のこと

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV) 関田 聖和

  松井先生,樋口先生の「もの申す」シリーズが始まり,私も何かシリーズ化を

ということで,時折書いてきた 

「○つのこと……」で,書き綴っていこうと決めました。

コーヒーやお茶を片手に,読んでいただけると幸いです。

 

 さて,そろそろ各校では,研究授業がスタートしたのではないでしょうか。

本校のトップバッターは,校長!2番手は,私!となりました。

 その後,指導主事が見に来られるための研究授業が2本ありました。

来週も,2本行われます。

 さて研究授業から学ぶ時に,私は,次の20を大切にしています。

 

 

たくさんの先生方の意見から学ぶ

 私もこれまでに,市や県での研究授業,研究提案を23本やってきました。

県の体育の授業では,自分の考えた授業の流れでさせてもらい,

ものすごく自身の学びになりました。

 逆に,県の国語では,ほぼ私の指導案ではなくなり,意欲が湧かず,とにかく,

子どもたちには,失礼のないようにとがんばったのを覚えています。

 この2本をとっても,いい意味,悪い意味も含めて,

① たくさんの先生方の意見が,研究授業に詰まっている

のです。これだけでも学ぶ価値があると言えるでしょう。

 実践家と言っている先生の中には,研究授業を完全否定をする方も,

いるようですが,やらないよりは,やった方がいいし,また,

 

やり方を間違えなければ,

力量がつくことは,間違いがない

ので,進んでしたいものです。

 

 

授業の始めから学ぶ

  できれば,授業の導入からみさせてもらえるといいですね。

私は,他校に出かけた場合,できるだけ早めに行って,教室掲示なども含めて,

その学校にたくさん落ちているネタや実践を集めます。

もちろん,断りを入れながら……。

 授業の始め,つまり導入は,

(2) 子どもたちの意欲を掻き立てる手立て

がみて取れるでしょう。そして,何よりも

(3) 子どもたちの学びの姿勢

もみることができます。

 自分のクラスと比べながらみてしまうのでしょうが,どうしてその学びの姿勢が

表れるのかという学級・学習づくりのエッセンスがみえてくるでしょう。

 

 

授業の流れをみる

 授業の流れは,気になるところでしょう。いただいた指導案をみながら,

どのような流れなのかを予測することでしょう。指導案から見えてくることを

予想として頭の片隅に置きながら,

(4) 児童の発言や表情

(5) 児童同士のつながり,関係

(6) 教師の発問・指示の内容

(7) 教師と児童との関係

(8) 児童の発達段階と課題とのマッチングやギャップ

をみます。

 この(4)~(8)までは,微妙にリンクされています。

これらをみるためには,子どもたちを前から見て,観察します。

教師の指示や発問後の児童の発言や表情をみます。

子どもの反応をみれば,よい発問・指示が分かります。

 その発問・指示がどのようによいのかは,児童の発達段階をみます。

私は,掲示物と子どもの学習活動の様子,姿勢,体の動きをみて推察します。

つまり,ずっと前でみる……ということはしません。可能であるならば,

教室の前や後ろ,横側から授業をみます。

 それは,子どもの発達の様子がみえてくるからです。

また,その子どもに合っている課題なのかどうかも判断します。

そうすると,教師と児童,児童同士の関係もみえてくるのです。

 参観人数にもよりますが,教室の後ろでじっとしているのでは,もったいないです。

子どもたちがぐっと,授業にのめり込んでいく瞬間,そのきっかけなどをみつけることが

できると嬉しいものです。学びも深いものになっていくことでしょう。

 

 

指導技術を盗む

 児童の姿も大切ですが,若い教師にとっては,研究授業をされる教師の一挙手一投足が,

気になるでしょう。その教師の指導技術をいい意味で,盗み取るのです。

そのときは,

(9) 授業での話し方(授業話法)

(10) 指示・発問の出し方

(11) 子どもたちの意見の引き出し方

(12) 子どもへの活動の取り組ませ方

(13) 子どもたちへの声のかけ方,褒め方,支援の仕方

(14) 立ち位置,振る舞い

(15) 机間指導のタイミング,方法

(16) 板書のタイミング,スピード,何を書き,何を書かないか

(17) 教材の使い方,扱い方,取り組ませ方

(18) ワークシートなどのポイント

(19) 学習規律の成立のエッセンス

(20) 教具の使い方

などが挙げられるでしょう。

 もちろん,授業後に質問することも可能でしょう。

授業を見せていただいて,何も聞かないのは,マナー違反です。

最低でも1つは,質問をしたいものです。

 

 まだまだありますが,ここで止めておきます(笑)。

 

 

研究授業は,誰のため

 時に,研究授業が終わるとクラスが荒れる……などと聞こえてくることが

あります。これは,

研究授業をどのように取り組んできたのか

が,大きいポイントなのでしょう。

 さらに終えてから,

何を学び,何を活かそうかということが明確でない

時も,危険な状態になります。

 

 たかが研究授業,されど研究授業……。

これからも私は,研究授業をした教師が得をするサポートを

続けていきます。 

 

 

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関田 聖和(せきだ きよかず)

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
主な単著:『楽しく学んで国語力アップ!「楽習」授業ネタ&ツール』(明治図書)、『新学期から取り組もう!専手必笑 気になる子への60の手立て』(喜楽研)、『専手必笑!インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり』(黎明書房)、国語・算数が苦手な子どもへの個別支援プリントシリーズ(全10冊:清風堂)
その他、特別支援教育すきまスキル(明治図書)等共著多数。

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