今年度から勤務をしている小学校では若い先生が中心となった自主研修会が行われています。教員同士が日々の悩みを相談し合ったり、様々な情報交換をし合ったりする機会を設けていただいています。今年度は最初の会で私が実践しているNIE(新聞教育)と辞書引き学習についての話をさせていただくことになりました。
話の内容や構成を考えた時に心がけたことは、勤務時間が終わった夕刻の時間なので、参加される先生方が聞いていて退屈しないようにすること、そして新聞や辞書の有用性を理解していただくことです。話の構成を以下のようにしました。
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1 自己紹介
私自身のこれまでの活動や教師として考えていることを簡単に述べる。
2 学力テストで新聞や辞書の問題が出題されている?
・平成27年度 国語A・国語B(新聞)
・平成26年度 国語A(辞書)
今年度と昨年度の学力学習状況調査(国語A・B)で新聞や辞書に関する問題が出題されていることを紹介し、新聞や辞書を活用する学習に興味関心をもっていただくようにする。
3 NIEとは?辞書引き学習とは?
NIEと辞書引き学習の簡単な説明をした後に、私自身の実践を紹介する。また、さいたま市では全市立小中高等学校、特別支援学校でNIEが実践されるようになっていることをあらためて説明する。(先生方の中には知らない方もいらっしゃるので)
4 新聞を見てみましょう
実際に新聞を手に取ってもらい、「自分ならこの記事を活用してこういう授業を行いたい」「この記事を使って子どもたちにこんな話をしたい」と思った記事にふせんを貼る活動をしていただく。NIEと辞書引きの両方を経験していただくようにする。記事を選んだ後は、1人30秒程度で見つけた記事とその活用法を紹介し合う。
5 今後の活動について
今年度から学校でNIEや辞書引き学習をどのように進めていきたいかというビジョンを示す。また、先生方に役立つような情報提供をする。
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研修会には、教頭先生をはじめ、栄養士さん、養護の先生、音楽専科の先生までが参加してくださり、総勢20名近くの研修会になりました。嬉しかったのは、それぞれの先生方が、新聞を主体的に見てくださり、自分ならどう活用するかをお話ししてくださったことです。
栄養士さんは、「ハーブ」が取り上げられている記事を食育で活用したいとおっしゃっていました。養護の先生は、戦争時に沖縄で木を切って病院のベッドにしていたという記事を活用して、保健室の構造について話したり、創意工夫で保健の用具もつくれることを話したりしたいとおっしゃっていました。音楽の先生はやはり戦争の記事を活用して、平和への願いが込められた歌の指導に活用したいとおっしゃっていました。
今回の研修会で、先生方が大変NIEや辞書引きに興味をもってくださいました。ここからは私自身の仕事として、先生方が無理なく新聞や辞書を活用していけるようにこれからも情報提供を行っていかなければならないと感じました。
自主的な研修会に20名近くも参加してくださる素晴らしい学校に赴任しました。これから、先生方のお役にたてるようにがんばっていきたいと感じています。

菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
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