2026.10.07
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イエナプランを一言で説明できる日は来るのだろうか

学びの場.comで連載を始めて、今回で一応、最終回となる。
これまで、オランダのこと、イエナプランのこと、学校のこと、子どもたちのことを書いてきた。
でも、ここまで書き続けても、書けていないことがある。

合同会社Toyful Works 代表社員・元公立小学校教員 川崎 知子

イエナプランを一言で言うなら?

イエナプランを一言で説明する言葉を、10年以上考え続けている。「社会につながる教育」と思っているけれど、これだけじゃわからない。最近は、やはり「対話」だな、と思っている。

サークルで全員で対話をすることも大事だけれど、一対一で対話をすることも大事だ。そして、最近は、「違う考えの人とも分かり合う」を越えて、「同じ考えの人なんていない」という言葉がしっくり来ている。

私も含めて、対話に慣れていない、対話を教わってきていない日本人は、「本音を言う」ことが対話だと思っている。でも、どれくらいの人が本音を言えているだろうか?

相手を尊重して、本音を言わないこともあるかもしれない。逆に、本音を言うことによって、相手を傷つけることもある。

対話は、人の意見を聞いて、自分の考えを確かめることだ。そして、自分の考えに自信がない時こそ、それを相手に言ってみて、「私の考え、どうかな?」となる。

答えがわかった時、自信がある時にだけ挙手をして発言をするという授業形態は、やはり少々危険なのだ。自信がない時こそ、声に出してみるべきなのだ。

「問い」をもつ

そして、問いが大事。これも、イエナプランの講師たちが何度も口にすることだ。

世の中で起こっているすべてのことに、「なぜ?」「どうして?」と思うこと。それをやっていると、とても疲れるのだけれど。

先日、中3の息子の合唱コンクールがあった。赤組と青組に分かれて、課題曲と自由曲を歌う。

(息子は運動会から引き続いて団長をやっていた。正直、運動会の団長と合唱の団長は別の人がやった方がいいと思う)

みんなとても一生懸命で、素敵だなと思った。けれど、その一方で、始まる時や休憩終わりに「静かにしましょう」「前を向きましょう」と先生や係の生徒が言うことに、とても違和感があった。

中学生なんだから、静かにしなきゃいけないタイミングは自分でわかるでしょう。わからなければ、まずいでしょう。

些細なことだと思う方もいるかもしれない。でも、世の中をつくる大人になっていくためには、とても大事なことだと思う。

指示を極力減らすこと。でも、大事なことはしっかりとできるように、環境を整えること。それが、イエナプランのグループリーダーの仕事。

言うは易し。行うは難し。とにかく、実践あるのみ。

考えること、学ぶことをやめない

  

7年前のオランダの夕暮れ 

考え続けていると、また美容院や整体で「考えすぎると頭が硬くなりますよ」と言われるから、ほどほどに、笑。でも、考えること、学ぶことをやめない。

そして、オランダから帰国した時の決意を、もう一度思い出す。

「楽しむ」

大人って楽しいよ。
学ぶって楽しいよ。

そんなことを、子どもたちに全力で伝えていきたい。

もしかしたら、またふらっと投稿するかもしれない。でも、ひとまず今回を一区切りとして、最終回としたいと思う。

これまで読んでくださった皆さま、本当にありがとうございました。

イエナプランを一言で説明できる日は、まだ来ないかもしれない。でも、これからも考え続ける。
学び続ける。
そして、楽しむ。

それが、これからも私が続けていきたいことなのだから。

川崎 知子(かわさき ともこ)

合同会社Toyful Works 代表社員・元公立小学校教員


元公立小学校教員。東京・広島の小学校で約20年勤務。
2017年からは家族とともにオランダに渡り、イエナプラン教育を学ぶ。日蘭イエナプラン専門教員資格を取得し、現地のイエナプランスクールでアシスタントとして2年間勤務。20校以上の小中学校を視察した。
帰国後は、広島県福山市立のイエナプランスクール開校に携わり、現在は日本イエナプラン教育協会理事。
不登校支援や特別支援教育、保護者との関係づくり、対話・探究・遊びを通して、子どもも大人も、安心できる学びの場づくりに取り組んでいる。

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