小学校の授業で使えるペア対話指導法「確認型」
ペア対話の質を高めるには、どうすればいいでしょうか。
前回、ペア対話の量について書きました。
今回は、ペア対話を量から質へ転換するポイントを書きます。
大阪府泉大津市立穴師小学校 大橋 健太郎
ペア対話の量から質へ高める視点
ペア対話を量から質へ転換するポイントは、バリエーションと目的です。私は、ペア対話のバリエーションを次のように分けています。
・確認型
・質問型
・役割型
・共同作業型
・説明型
今回から5回に分けて、それぞれの型について目的、具体事例、応用を紹介します。初回は、確認型です。
確認型ペア対話の目的
確認型とは、ペアで確認し合うペア対話のことです。確認型の目的は、先生の指示や説明、自分の書いたものを確認することにあります。つまり、子どもたちの不安感を減らし、発言に自信を持たせることが主なねらいです。
この主なねらいは、次の児童の姿に有効に働くと考えられます。
「児童が発言をすることに自信を持っていない」
「児童が指示したことの意味を理解していない」
このような児童の姿がある場合は、ペア対話を使って確認することで、安心して取り組めるようになると考えられます。
では、具体的な場面でどのように活用するとよいか、次から示していきます。
ケース① 発言に自信がない児童
授業中、ノートやプリントには正しく記載しているが、自分の意見に自信がない児童を見かけることはないでしょうか。そのような児童は自分の答えに自信がないだけでなく、話し慣れていないことへの不安感を抱えているケースもあります。
そのため、問題を解いて、全体で答えを問う前に、次のようなやりとりをします。
教師:今から隣の児童と書いたことの確認をします。どちらが先に確認するか決めて、書いたことを確かめ合いましょう。
ここでの目的は、2つです。
1つ目は自分の書いたことに自信をもつこと、2つ目は話し慣れることです。どちらも、全体交流の前にすることで、自分の考えに自信を持てるようになります。
ケース② 児童が指示の意味を理解していない
いくつも指示を出されても理解できない児童もいます。3つの指示を出したが、「先生、次は何をしますか」「先生、次はこれでしたか」と、自分の聞いたことが不安なため、聞いてくる児童もいます。
そんな児童が安心して学べるようにするために「指示の確認」を入れます。例えば、次のように伝えます。
教師:今から3つのことを言います。……分かりましたか。それでは先生が言った3つのことを隣の子と確認しましょう。
児童(隣の児童と確認する)
教師:3つとは、なんでしたか?
児童:1つ目は……
このような形で隣の児童と確認します。確認を入れることで、「先生、なんだったっけ?」や「次はこれでいいですか」といった子どもたちの不安が減り、児童が自らできることが増えていきます。
確認することのねらいは、児童の不安を減らすことと、後々の作業効率を落とさないことです。
2つの事例から、教師の役割を考える
教師の役割は、指示をしたら終わりではありません。児童のペア対話の様子を観察することが大事です。観察するポイントは3つです。
1つ目はどんな姿でペア対話をしているかです。向き合っている子、ノートやプリントを中央に置く子など、児童によって取り組みが違うことがあります。その姿を観察し、写真に収めると、視覚化して伝えやすいです。
2つ目は、伝え方です。口頭で伝えているだけか、指で示しながら伝えているか、こういった児童の伝え方を観察することで、相手への伝わり度合いも測る材料にもなります。
3つ目は、聞き方です。聞き方には段階があると思いますが、ここでは簡単に示すと、次のような段階を想定します。
①相手の目を見て聞く
②うなずきながら聞く
③質問をしながら聞く
質問をしながら聞くことができれば、かなり高度な聞き方でもあります。まずは最後まで聞き、話し手が「自分の話を聞いてくれてうれしかった」という経験を積むことが大切になります。
授業の山場で使う応用編
ここからは応用的な話です。上記で示したのは、「学習者が安心して取り組めるようにすること」です。応用編では、児童が発表を聞いていたかを確認します。
例えば、国語の読みもの教材において、児童が心情変化を捉える学習をしていたとしましょう。その際に、児童から次のような発言があったとします。
児童:〇〇は、△△のところから変わっているような気がする
教師:どうして、そう思ったの?
児童:だって、△△のところから、悲しさを感じるから。
教師:みなさん、聞いていましたか?
どこから、何を感じると言っていましたか?隣のペアと確認したいと思います。
という流れで隣のペアと確認します。ここでは、話を聞いているかどうかを確認することがねらいです。
このように、授業の山場で聞いていたか、「ここは大事!」というところで使うことで、効果を発揮することもあります。
確認型ペア対話をどんな目的で使うか
今回は「確認型」ペア対話をご紹介しました。私が紹介した目的は児童の不安感を減らすことや、授業の山場の全体の確認に使うことです。
やみくもに使うのではなく、教師のねらいをもとに使うとよいでしょう。

大橋 健太郎(おおはし けんたろう)
大阪府泉大津市立穴師小学校、kyoso's サークル所属、国語教育 大阪探究の会所属
「こどもの思考が生きる」授業を目指して、日々子どもたちと共に学んでいます。
子どもたちが教えてくれたこと、子どもの姿から学んだことを読者の皆様と共有していければと考えています。
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