2026.06.23
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小学校の授業でできるペア対話指導法「質問型」

ペア対話の質を高めるには、ただ話しているだけではできません。
話す中に、教師の工夫と仕掛けが必要となります。

大阪府泉大津市立穴師小学校 大橋 健太郎

ペア対話で大事にしたいこと

以前、授業をしているとき、子どもたちに「ペア対話で大事にしたいことは何だろうか」と聞くと、全員が一致することはありませんでした。話を最後まで聞くことや質問すること、相手にわかりやすく伝えることなど、子どもたち一人ひとりが大事にしていることの違いに気付かされました。

もちろん、教師もペア対話で大事にしていることはあるはずです。例えば、

「伝え合う」
「聴き合う」
「話し合う」
「考えを広げる」
「考えを深める」

一見、同じような言葉に見えても、目的1つでペア対話の在り方も変わります。
このように考えていくと、教師は活動に意味を持たせることで、さらなる質の向上へとつながっていくはずです。

質問型の目的

今回、ご紹介するのは質問型です。これは、相手にどんどん質問をするペア対話のことです。質問をする目的はさまざまですが、根底にあるのは、話を聞くことです。質問をするためには、話を聞かないとできません。

では、具体的にどのように取り組むと良いでしょうか。

段階的な指導

質問は急にできるようになるわけではありません。質問し慣れることもやはり必要です。

そのため、次のように考えます。

①とにかく30秒間、質問をすることができる
②1分間、理由や方法・内容を質問することができる
③1分30秒間、理由や方法・内容、選択的な質問をすることができる
④2分間、理由や方法・内容、選択的な質問をすることができる
⑤2分間、具体化や気づきを生むために質問をすることができる

この5段階が考えられます。
最初は、まずやってみるレベルから始め、次第に目的を持って質問をしたり、相手が答えやすいように質問をすることが重要になってきます。

理由や方法・内容の質問とは

初期段階では、理由や方法・内容を問う質問は、比較的難易度の低いものです。例えば、次のような形です。

◆理由を質問する……「なぜ、〇〇ですか」「どうして、〇〇なんですか」
◆方法を質問する……「どうやって、〇〇をするんですか」
◆内容を質問する…… 「昨日、〇〇したことは何ですか」

このように質問をしていきます。この質問をすることで考えが深まったり、その根底にある理由や方法・内容を問うことができます。

選択的な質問とは

次は、質問することに慣れたときに行う方法です。それは選択的な質問です。
この質問の導入ポイントは、質問がすぐに終わってしまったり、理由や方法しか問えないときに使うと効果的な質問方法です。例えば、

「あなたが好きなのは、Aですか?Bですか?」
「〇〇派ですか?それとも、〇〇派ですか?」

このように聞くと、答える側は答えやすくなります。ただし、質問する側の難度は高くなります。
なぜなら、意図を持って、聞くことになるからです。これができるようになると、児童同士のやりとりがどんどん増えていきます。

具体化や気づきを生む質問とは

具体化や気づきを生む質問とは、別のことに置き換えて表現したり、児童が意味づけをするために行う質問です。例えば、「〇〇とは、例えばどういうことでしょうか」や「〇〇はどうして大切なのでしょうか」ということです。

このように、掘り下げるにも「具体化」すること、「価値や気づき」を問うことで、児童自身の意味づけに繋がっていきます。

授業の場面で考える

授業では、一般的に「導入」「展開」「終末」という流れが多いと思います。その際に、質問型を取り入れるのであれば、次のような場面で取り入れることをお勧めします。

◆導入……理由や方法・内容、選択的な質問
◆展開……広げる・深める質問(具体化 理由)
◆終末……広げる・深める質問(価値や気づき)

このように考えると、わかりやすいです。
もう少し、具体的にお話をしましょう。例えば、国語の説明文を読むときです。
導入では、

教師:前回の学習を確かめます。隣同士で、質問をして聞いてみましょう

児童:昨日、学習したことはなんですか?(内容の質問)
児童:問いと答えです
児童:問いは〇〇段落と〇〇段落とどちらですか?(選択的な質問)

このように使っていきます。

終わりに〜質問することを楽しむことから

児童も教師も、質問することを楽しめるかどうかはとても重要な点です。教師が示したから取り組むよりも、質問することが楽しくて、自分からどんどん質問する方が内容理解が深まるだけでなく、本質的なことを問う機会も増えていきます。
そのためには、授業以外の時間で、質問をするゲームやペア対話の練習で質問することを取り入れることで、質問をする楽しさを実感できるのではないでしょうか。

大橋 健太郎(おおはし けんたろう)

大阪府泉大津市立穴師小学校、kyoso's サークル所属、国語教育 大阪探究の会所属


「こどもの思考が生きる」授業を目指して、日々子どもたちと共に学んでいます。
子どもたちが教えてくれたこと、子どもの姿から学んだことを読者の皆様と共有していければと考えています。

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