2026.09.11
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自分で「決める」主体的なペア対話

これまでペア対話の方法をいくつか示してきました。
今回は、それらを応用し、「ロングレンジ学習」の手法を活用した取り組みを紹介します。

大阪府泉大津市立穴師小学校 大橋 健太郎

自分で「決める」ペア対話へ

今回は、これまで紹介してきた取り組みを混ぜ合わせたものです。その基となる考えは「ロングレンジ学習」です。
まずは、ロングレンジ学習について説明します。

ペア対話に生かす「ロングレンジ学習」

ロングレンジ学習とは水戸部修治氏が提案している学習方法です。以下のように述べられています。

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子供達が魅力的な言語活動のゴールに向かい,ゴールイメーシや解決方法などの見通しをもって、学習活動等を選んだり決めたりするなど試行錯誤しつつ,自律的に判断して,学習活動を進めるための一定程度の長い時間を確保した柔軟な学習活動の枠組。(水戸部,2023)

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つまり、一定時間の中で、相手を選び、目的に応じて交流を繰り返しながら、つけたい力をつけていくという活動です。

ポイントは活動の目的、活動の見通し、相手や伝え方の選び方です。主に国語での取り組みが中心となりますが、他の教科へ応用も十分に利きます。

今回はこのエッセンスを活用したペア対話の紹介です。

子どもに何を選ばせるか

この取り組みで大切なことは、何を選択させるかです。選択するものとしては、以下のものが考えられます。

・材の選択
・方法の選択
・相手の選択
・時間の選択
・場所の選択

この五つが挙げられます。

まだ他にもあるかもしれませんが、そもそもどんなものが選択できるか、選択させたいかをあらかじめ、授業者側が考えることが重要です。

「何でもあり」にしないために

ここでは、あえてNGな対話について考えてみます。
一つ目は、「何でもかんでもあり」という考え方です。
選択をする最大のメリットは児童が自主的に選んで活動できるということです。しかし、使い方を間違えると、活動あって学びなしという状態になりかねません。そのため、教師はねらいをもち、この活動を仕掛けることが重要です。

二つ目は目的と手段を混同しないことです。
この活動をすることで子どもたちの目の色が変わります。それは、自分で学び方を選択できるからです。選択できることで、子どもたちの表情が変わります。それは授業にとってはとてもうれしいことです。

しかし、目的は何でしょうか。教科の学びにおいて、子どもの生き生きとした姿だけが重要になっていないでしょうか。肝心な教科の学びは置き去りになっていないでしょうか。

授業者側が意図をもち、今回は教科の学ぶ質よりも、学び方を重視するという意図であれば、問題ないでしょう。しかし、何も考えていなければ、話は別です。

その場合は、学習の目的と手段がどうなっているか、もう一度見直すべきです。本当にこの方法で良いのか。他にないのか。手段と目的が同じになっていないか。
ここは重要な点だと感じています。

教師が押さえたい三つのポイント

取り組む上でのポイントは三つです。

一つ目はねらいです。
例えば、児童の学び方を狙いとしているのであれば、それはどんな学び方を指すのかが大切です。学び方という言葉は聞こえの良い言葉です。
そのため、教師が思い描く学び方とは何か。それは一つの教科内のことか、それとも他教科への応用も効く学び方なのか。このことを明らかにすることが必要です。

例えば、私の場合は、「相手の目を見ること」「最後まで話を聞くこと」「伝えるものは机と机の真ん中に置くこと」「話すときは指をさしながら話すこと」をどの教科にも使える学び方の要素としました。
教師のねらいをもちながら、どんなことを学び、どう使うかまでを考えておきましょう。

二つ目は、場を整えすぎないことです。
どうしても、成功させたい、うまくいかせたいという思いが強いと教師が多く介入してしまいます。ここにも教師の介入する意図や思いをきちんと持たないと、感覚だけで介入してしまいます。

例えば、「今日、話すときは相手の目を見ることと、最後まで話を聞くこと」を大事にすると決めたら、そのことができている児童を徹底的に見取り、授業の終わりか次の授業で伝えるようにするにします。
そうすることで、児童自身が場を整えようとし始めます。この点が大事です。

三つ目は、待つことです。
ついつい言いたくなる、口を出したくなるときは多いです。子どもの成長を考えるなら、時にはグッと我慢をすることです。
我慢をしながら、子どもたちの動き方やどんな方法で紹介しているか、どんな話をしているか見ることです。見ることで次につなげることにもなります。

うまくいかないから、考える

誤解のないようにいうと、教師が介入することや口出しをすることがいけないわけではありません。なぜなら、時間は無限にあるわけではないからです。

しかし、理想は子どもたちだけで進めることと考える方々も多いはずです。
うまくいかなければ、次の時間は任せる度合いを変えてみる、うまくいったら、次の時間はもう少し子どもたちに任せてみようかな。この繰り返しが非常に大切です。

子どもたちの現状を見ながら、どんな児童にしたいか思いをはせながら、日々実践すること。そのためにも、「考える」ことが大切になると思っています。

参考資料
  • 『国語授業の「個別最適な学び」と「協働的な学び」』水戸部修治、明治図書 2023 p. 37

大橋 健太郎(おおはし けんたろう)

大阪府泉大津市立穴師小学校、kyoso's サークル所属、国語教育 大阪探究の会所属


「こどもの思考が生きる」授業を目指して、日々子どもたちと共に学んでいます。
子どもたちが教えてくれたこと、子どもの姿から学んだことを読者の皆様と共有していければと考えています。

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