2026.06.24
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「オランダいいなあ」で終わらせないために。環境を見直す(4)

オランダの教育や暮らしに触れて「いいなあ」と思ったことを、そのままで終わらせないために。
個人で変えられることを言葉にしてみた中から、今回は「環境を見直す」実践を紹介します。
学校の中の備品を変えるのはなかなか大変かもしれません。でも、ちょっとした工夫で環境を見直すことができるのです。

合同会社Toyful Works 代表社員・元公立小学校教員 川崎 知子

研修前に音楽をかける

先生たちの学びの場である研修の時間。子どもたちが帰り、研修室に集まってきたときに、少し落ち着く音楽が流れていたらどうでしょうか。
気持ちを切り替えて、「これから学ぼう」という気持ちになれるかもしれません。

また、「あれ?この曲、何だっけ?」「私、この曲好きなんです」といった会話が生まれるきっかけにもなります。
音楽の力は偉大です。ほんの少しの工夫で、場の空気をやわらかくしてくれます。

研修におやつを用意する

社会的にも、学校の先生が十分な休憩時間を取れていないことは話題になっています。しかし、本来は一日に45分の休憩時間があるはずです。
研修前や休憩時間に少しおやつを食べるだけでも、脳が活性化されますし、気持ちにも余裕が生まれます。

また、音楽と同じように、おやつは先生同士の対話のきっかけにもなります。
ちなみに、オランダの先生たちの研修では、始まる前にコーヒーや紅茶をいれ、お菓子をつまみながらリラックスして過ごす時間があります。学びの前に、まず人として心地よく過ごすことが大切にされているのです。

研修に花を飾る

オランダでの研修の様子

居心地のよい環境で学ぶことを考えると、花が飾られていることも大切です。
花が一輪あるだけで、空間の雰囲気は変わります。

日本でも講演会や研修会に参加した際、花が飾られていると少し気持ちが高まることがあります。
毎回でなくても、季節の花を飾ってみるだけで、学びの場が少し豊かになるのではないでしょうか。

研修で近くの人と話す時間をつくる

研修というと、講師の話を聞いて学ぶ形が多いかもしれません。
もちろん、話を聞くことも大切です。しかし、それだけでは学びは深まりません。

学んだことを言葉にしてみること。疑問に思ったことを話してみること。さらに新しい問いを生み出すこと。
そうした対話の時間があることで、学びは自分のものになっていきます。

なぜなら、研修の目的は「学ぶこと」ではなく、「学んだことを子どもたちとの実践に生かすこと」だからです。

研修でグループワークを取り入れる

研修の形そのものが、授業のモデルになることもあります。
子どもたちに対話的な学びや協働的な学びを求めるのであれば、先生たち自身もそのような学び方を経験することが大切です。

グループワークを通して考えを共有したり、意見を交換したりすることで、新しい視点に出会うことができます。
また、先生同士のよりよいコミュニケーションは、学校全体のチームワークにもつながっていきます。

環境を見直す

学校の机や椅子を新しくしたり、校舎を建て替えたりすることは簡単ではありません。
でも、環境を見直すことは、意外と身近なところから始められます。

音楽を流すこと、おやつを用意すること、花を飾ること、対話の時間をつくること。
どれも大きな予算は必要ありません。

それでも、そうした小さな工夫は、その場にいる人の気持ちや関係性を少しずつ変えていきます。
オランダの学校を訪れて感じたのは、「人が心地よく過ごせる環境をつくること」への丁寧なまなざしでした。

まずは先生たちが安心して学べる環境をつくること。
その積み重ねが、子どもたちにとっても居心地のよい学校につながっていくのではないでしょうか。

川崎 知子(かわさき ともこ)

合同会社Toyful Works 代表社員・元公立小学校教員


元公立小学校教員。東京・広島の小学校で約20年勤務。
2017年からは家族とともにオランダに渡り、イエナプラン教育を学ぶ。日蘭イエナプラン専門教員資格を取得し、現地のイエナプランスクールでアシスタントとして2年間勤務。20校以上の小中学校を視察した。
帰国後は、広島県福山市立のイエナプランスクール開校に携わり、現在は日本イエナプラン教育協会理事。
不登校支援や特別支援教育、保護者との関係づくり、対話・探究・遊びを通して、子どもも大人も、安心できる学びの場づくりに取り組んでいる。

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