2026.05.25
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4年生と取り組む福祉学習~具体的なカリキュラムデザインに向けた対話~(2)

昨年度実施したテーマ単元「福祉学習」について、前回に続いて記述します。
前回は、知る、体験する、考える、交流するという、4つのフェーズを紹介しました。
今回はそれぞれの中身について、もう少し詳しく説明します。

明石市立鳥羽小学校 教諭 友弘 敬之

福祉学習の単元全体像

 

(図1)単元のビジョン 筆者作成

前回記述した通り、図1を本単元のビジョンとして学年で形成しました。
特に、目標を決める段階で「何のために福祉学習を行うのか?」という問いについて時間をかけて対話しました。その中で、「よりよい社会にしていく」ということを、少しでも自分事としてとらえていけるような学習にしたいという思いを共有しました。
特に、この年の総合的な学習の時間のフィールドは校内」に落ち着いていたこともあり、外部の人とのかかわりの中で社会の在り方について対話できる時間を位置付けたいという思いが醸成されていきました。
では、4つのフェーズでどのような学習を意図してデザインしていったのかについて説明します。

福祉について「知る」フェーズ

このフェーズでは、福祉をテーマとして、さまざまな事柄を知ることに重きを置いた段階として位置付けました。
子どもたちと福祉の間には、経験値による認識の個人差があるだろうと考えました。そこで、自分の興味関心をもとに認識を広げていけるような場づくりについて対話しました。
その中で出たアイデアが、1人1冊の本を手渡して、読書によって認識を広げていくという方法でした。具体的には、図書室にある福祉関連の書籍を選定し、集約し、1人ずつ「私の本」として配布するという方法です。

そして、読んでわかったことを言語化する中で、新しい発見や問いが生まれていくだろうと考えました。
この活動は、国語科の読むこと「考えの共有」(カ)の学習として位置付けました。読んで理解したことを共有し合い、同じ本でも読み手によってとらえ方や考え方に差異が生まれるということを実感する学習として設定しました。

福祉を実際に「体験する」フェーズ

このフェーズでは、社会福祉協議会の方とコラボして、実際にさまざまな福祉体験を行ったり講話を聴いたりできる場を位置付けました。
特に、本単元においては、社会福祉協議会の方々と担任とが共に対話する時間を設定し、一緒にカリキュラム作りに取り組みました。担任団の思いや願いを共有し、そのうえで何ができるのかということについて対話したわけです。

私が経験したことのある実践では、社会福祉協議会の方から車いすや白杖をお借りしたり、車いすユーザーの方の話を聞いたりするという活動だけが説明されて、当日を迎えるということが多かったと記憶しています。
しかし本単元では、カリキュラム作りの段階を共有し、一緒に形作るという過程を経ました。そのことで、目標が共有され、より充実した活動が企図できたと考えています。

学びを言語化して「考える」フェーズ

 

(図2)書くことの手引き

このフェーズでは、読んだり聞いたり体験したりしたことをICTツールのロイロノートを活用して整理し、自分の言葉で言語化する時間を位置付けました。
記述するにあたっては、3つの段階を用意して、個人の書く力に合わせて選択できるようにしました(図2)。

また、本フェーズは国語科の書くこと「考えの形成・記述」(ウ)の内容で、知るフェーズ、体験するフェーズでの学びを言語化する学習として位置付けました。
子どものモチベーションを高めるための方策として、交流する段階を位置付けていることも説明しました。交流する際には、考えるフェーズで言語化したことをもとに、地域の方や保護者の方と交流するという趣旨を伝えました。

地域の人と「交流する」フェーズ

このフェーズでは、保護者の方や地域の方、社会福祉協議会の方とともに「誰もが暮らしやすい鳥羽の町」というテーマで対話する場を位置付けました。
特に、対話するということにこだわりました。
テーマ単元のゴールとして、調べて分かったことを参観日などで発表して紹介するという実践は、過去にも経験したことがあります。
しかし、このフェーズで大切にしたことは、知ったうえで、自分たちに何ができるのかを、大人と子どもが一緒になって語り合う場をデザインすることでした。
そうすることで、発表して終わりという、いつまでも他人事の学びから、地域のことを地域の方々と共に考えていく一員としての自覚を醸成できればと考えました。

4つのフェーズから実践へ

以上、4つのフェーズで形成した本単元。
学習の実際については、次回から語っていければと思います。

友弘 敬之(ともひろ たかゆき)

明石市立鳥羽小学校 教諭


「単元学習」をテーマに学び続けてきました。その中で、「学習デザイン」「実の場」「問い」と、興味を広げてきました。今は「そもそも学びってなんだろう?」という問いと向き合っています。それは、子どもの学びだけではなく、教師としての、また大人としての学びも含みます。この学びの場を通して、私の問いを解決していきたいです。

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