2026.08.25
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お昼ご飯も忘れて集中...「探究的な学び体験ワークショップ」

「みかんの仲間」をテーマに、子どもたちと一緒に問いを出し、調べ、まとめた探究的な学び体験ワークショップ。
お昼ご飯を忘れるほど夢中になったり、みかんの果汁を絵の具代わりにしたり、「4700万トン」から象の話まで探究が広がったり。子どもたちの「知りたい!」を受け止め、問いをつないでいく中で、私自身も探究の楽しさを存分に味わった2日間でした。

合同会社Toyful Works 代表社員・元公立小学校教員 川崎 知子

広島県・福山らしいテーマを考える

2024年の「イエナプラン100周年イベント@福山」に参加してくれた方と意気投合し、定期的にランチなどをしています。
「去年の夏はゲーム体験ワークショップをやったから、今年は探究かな?」なんて話したら、「ぜひやって! 会場借りられるかも!」とトントン拍子に話が進み、福山市内の小学生を対象に探究的な学び体験ワークショップを開催することになりました。

土曜日は小学1~3年生対象、日曜日は4~6年生対象。大人だけの見学も歓迎と告知しました。結果、土曜日は年長さんから小学3年生、日曜日は小学1年生から中学1年生まで、幅広い年齢の子どもたちが参加してくれました。

福山らしいテーマがいいな、バラかな。でも季節じゃないな……クワイかな? 嫌いな子が多いんだよな……と考えること数週間。

ふと、「因島のはっさく! 瀬戸田のレモン!」と思いつきました。
「カンキツ類」にしよう!
そうひらめいたのです。

季節外れではありましたが、ハウスみかんとデコポンを用意し、「みかんの仲間」をテーマに、問い出しをしました。

「みかんの仲間」から、問いを生み出す

  

みかんは浮くかな?デコポンは?  

1日目に出てきた問いの一部です。

・みかんにはどうして緑のところがあるの?
・皮で何か作れる?
・中がつぶつぶなのはなぜ?
・水に浮かぶ?
・大きいのは何? はっさく?

まずはバケツを借りて、みんなでみかんが水に浮くかどうかを調べました。

その後は、図書館で借りてきた本で、みかんの育ち方やデコポンとは何か、「中がつぶつぶなのはなぜ?」など、それぞれが自分の問いについて調べました。

私は8冊借りてきた本の表紙を全員に紹介しただけなのに、なんと全員、自分の問いに対する答えを見つけることができました。
すごすぎる!
そして、11時45分頃。

「お昼まであと15分だけど、調べたことを書きたい人いる?」と聞いたら、8人中7人が手を挙げました。

結局、全員が集中して机に向かうこと30分。
「そろそろやめてお昼を食べよう」と言うまで、誰も席を立ちませんでした。

「絵の具がないなら、みかんで!」

お昼の後は、それぞれの子が書いたもの、作ったものを紹介し合いました。
「皮で何か作れる?」という問いをもった子たちは、「みかんくん」というキャラクターを作りました。

また、調べたことを絵でまとめたくて、
「先生、絵の具ある?」
と聞いてきた子もいました。

「ないんだよ。ごめんね。」と答えると、
「みかんを絞ったらいいんだ!」と言って、みかんの果汁で色を塗っていました。

絵の具を用意していなくて、かえってよかったなと思ったのでした。
「中がつぶつぶなのはなぜ?」という問いの答えには、大人もびっくりでした。
ぜひ、この記事を読んでくださっている方にも、調べてみてほしいと思います。

「全員分をまとめたい!」

さらに、「全員分をまとめたい」と言ってくれた子がいました。

そこで、残り20分くらいのところから、模造紙にまとめることになりました。

「先生、何時まで?」
「2時までだけど、きっとこんなに頑張ってるんだから、予定さえなければ、少し延びても大丈夫じゃない?」と言いながら、結局15分くらい延長して終了しました。

大人も一緒に問いを出す

2日目は、1日目から続けて参加してくれた3年生の子がいたので、レモンも加え、「カンキツ類」をテーマに問い出しをしました。

高学年の子が多かったので、大人にも一人一人、問いのマインドマップを書いてもらいました。
出てきた問いの一部です。

・どこで育ったの?
・一番高級なものは?
・世界で一番食べられている国は?
・柑橘類の定義は?
・美味しい季節は?

大人も一緒に、本やインターネットで調べることにしました。

「4700万トン」から、象の話へ

共有の時間のこと。
「世界で一番多く生産している国は中国だそうで、年間4700万トンだそうです」
でも、4700万トンってイメージがつかないよねえ?

「トンってなに?」
「1000キログラム?」
「10マングラム?」
「ますますわからんねえ……」
「1トンって何ぐらい?」
「象じゃない?」
「象かあ……調べてみようか」

調べてみると、象は何トンもあるらしい!
……と、話がどんどん広がっていきました。
話が広がっていくことが、探究学習の魅力なのだと実感します。

「お姉ちゃんがすごいと思った」

最後に、「今日どうだった?」と聞きました。
すると、
「お姉ちゃんがいろんなことを調べていてすごいと思った」という感想が出ました。

今回、兄弟姉妹で参加してくれた子たちが多かったのですが、この感想を聞いて、家族のことを褒めるって、すごく素敵だなと改めて思いました。
弟や妹の立場の子たちにとっては、初めての場所、初めて出会う人たちの中で、お兄ちゃんやお姉ちゃんの存在がとても頼もしかったようです。

私自身もとても楽しかったので、また秋か冬に第2弾を行うことができたらいいなと思っています。
今から、次のテーマは何にしようか、楽しみにしています。

川崎 知子(かわさき ともこ)

合同会社Toyful Works 代表社員・元公立小学校教員


元公立小学校教員。東京・広島の小学校で約20年勤務。
2017年からは家族とともにオランダに渡り、イエナプラン教育を学ぶ。日蘭イエナプラン専門教員資格を取得し、現地のイエナプランスクールでアシスタントとして2年間勤務。20校以上の小中学校を視察した。
帰国後は、広島県福山市立のイエナプランスクール開校に携わり、現在は日本イエナプラン教育協会理事。
不登校支援や特別支援教育、保護者との関係づくり、対話・探究・遊びを通して、子どもも大人も、安心できる学びの場づくりに取り組んでいる。

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