教師の新年度に向けての準備〜日々の余白を生む5つの方法〜
教師も日々のことを振り返りながら、毎日を過ごすことで、充実した日々を迎えることができるはずです。振り返る中で、成果や課題も見えてきます。課題と向き合い、子どもたちと関わる中で、私自身は日々、成長できるきっかけを子どもたちから、授業からもらっているなと思うばかりです
大阪府泉大津市立条南小学校 大橋 健太郎
はじめに 〜事前準備が日々の余白を生み出す理由〜
さて、今回は少し早いですが、新年度のことです。3月になると、新年度への動きが加速します。ワクワクすることも、少し不安な気持ちになることもしばしばあるのではないでしょうか。
新年度を迎えるにあたり、どんな準備をしたらいいのか、私なりの5つの準備を書かせていただきます。
その1〜情報を集約するノートを1冊用意する〜
私は、1年間使うノートを1冊用意します。大きさはA4サイズのノートです。使う目的は、クラスや授業の記録を書くためです。
以前は、授業用とクラスの記録用を分けていましたが、最近では、1冊にまとめています。理由は1冊に情報をまとめる方が見返しやすいからです。書いていることがあちこちと散らばってしまうと、後で振り返ることができないため、ここ数年は1冊のノートに全てを書くようにしています。
その2〜3月の姿から逆算して年間の計画を立てる〜
年間計画を立てることは多くの方がしているかもしれません。しかし、計画を立てるとき、どこから立てますか。4月、5月という新年度の最初から立てていきますか。それとも、3月、2月とさかのぼって立てていきますか。
私は3月から立てるようにしています。年間のゴール設定をしてから逆算して計画を立てるためです。例えば、3月での児童の姿をイメージします。年間を通して、「お話を聞く」ということを目標にしたとします。
では、3月の姿はどんな姿でしょうか。
「児童と児童がペア活動において、質問し合っている」
「先生の発言や友達の発言に反応できている」
以上のように、具体的な姿をイメージします。そこから、2月、1月と、3学期から順に児童の姿をイメージしていきます。
年間計画を立てるときは、
①児童の姿
②具体的な取り組みや方法
と考えると、計画を立てやすくなります。
その3〜年間目標を一つに絞りシンプルにする〜
計画を立てていると、「聞く力もいるな、話す力もだな。いや、書くこともしないといけないな・・」と、結局、全て大事という結論に陥ることがあります。もちろん、どれも大事です。全てを大切にすることは何一つ不思議なことではありません。
ただし、年度当初はやる気もあるものの、時間が経つにつれて、中途半端になっていくことがあります。私はこのような経験から、年間の目標はシンプルにすべきだと考えます。3つ、4つ頭の中に、思い浮かんだときは、一つに絞るべきです。
絞り方の基準としては、
「優先順位をつけるなら・・」
「校内研究や学校教育目標と比べて・・」
というように、自身の価値観や学校教育目標と照らし合わせながら決めることをおすすめします。
その4〜教材研究は、最後の単元から見ること〜
次は、教材研究のお話です。教材研究では、最後の教材から素材研究をします。なぜなら、最後の単元までにどんなことができていれば良いのか、そして、どんな力が必要かを確認するためです。
この考え方は、堀裕嗣先生の著書『一斉授業10の原理100の原則』に書かれていることでもあります。
私自身、この考え方を知ってから、私自身も最後の単元から素材研究をするようにしています。
最後の単元から素材研究をすることで、2学期にはこんなことができれば良いのか、1学期には・・とわかってきます。
そうすることで、1学期の最初の教材をどのように扱えば良いか、わかるはずです。
その5〜確実に使える時間を確保する〜
最後は、時間の使い方のお話です。
立場や役職が変わり、校務分掌が増えることで、これまでと同じ時間の使い方ができないことがあります。仕事だけではなく、家族構成や環境の変化でも同様のことがいえます。
だから、私は新年度になる前に1日の時間の使い方を見直します。例えば、「起きる時間は〇〇時にして、そこから仕事する」や、「仕事が終われば、自分の子どもを迎えにいく」といったように、1日の動きを決めておくと良いでしょう。
決めるときのポイントは、絶対に外せない予定から当てはめていくことです。私の場合、1日の核となるのは朝の時間です。そのため、この時間は基本的に変えないようにします。
そして、家族の状況で、子どもの送迎に行かなければなりません。子どものお迎えというのは、イレギュラーなことも起こります。そう考えると、私が確実に自分の時間を使えるのは、朝の時間だけとなります。
このように、自分が「確実に使える時間」と、「変動がある時間」はいつかを考えると、自分のリズムができるはずです。自分のリズムを作ることができれば、仕事とそれ以外のことが両立してできるようになるでしょう。
終わりに〜教師として成長し続けるために目的をもつこと〜
この仕事は、毎日同じことの繰り返しが多いです。しかし、見方を変えれば、同じことの繰り返しだからこそ、目的をもち、目標を設定して進むことで、成長できるかどうか決まると言ってもいいと思います。
「教員という仕事を通して、どんな人間になりたいのか」
「どんなことをしたいか、できるようになりたいか」
目的をもちながら、仕事をしていくことで、より効率的で良い時間を過ごせるはずです。

大橋 健太郎(おおはし けんたろう)
大阪府泉大津市立条南小学校、kyoso's サークル所属、国語教育 大阪探究の会所属
「こどもの思考が生きる」授業を目指して、日々子どもたちと共に学んでいます。
子どもたちが教えてくれたこと、子どもの姿から学んだことを読者の皆様と共有していければと考えています。
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合同会社Toyful Works 代表社員・元公立小学校教員
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