新聞を使った授業に挑戦!
今年度久しぶりに低学年の担任になりました。実に15年ぶりです!
元気いっぱいの子どもたちに少し戸惑いながらも楽しくスタートしました。
私自身、低学年の経験は少ないのですが、その分いろんな挑戦ができると思っています。
ワクワクしながら1年間をスタートしました。
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一
今年は低学年の担任に
毎日パワーあふれる子どもたちに多少戸惑いながらも楽しく授業づくりをスタートしました。
これまで私は研究課題として、新聞を活用した取り組みを行ってきました。
今年は担当する2年生でも、思い切って新聞を活用することにしました。
新聞でカタカナ探し!

新聞を活用する児童
まずは、国語の授業で新聞を活用したカタカナ探しからスタート。教科書で、カタカナを使う場面について詳しく学習したあと、新聞の中からカタカナを探す活動を行いました。生活のどんなところでカタカナが使われているかを知ってほしいと思っての活動です。また、カタカナが使われる場面が多いことも実感させたいと思いました。
子どもたちに新聞を渡すと、さっそくカタカナを探し始めました。まだ新聞をうまくめくることはできませんが、一生懸命に新聞に立ち向かっていました。大変ほほえましいです。
「先生、国の名前がたくさんあるよ」
「大きな文字だと探しやすいね」
「こんなにカタカナがあるんだね」
「これはどういう意味の言葉かなあ」
「知っている言葉がたくさんあるね」
新聞から見つけたカタカナについて、楽しそうに話しながら進めていました。
見つけたカタカナは赤えんぴつで囲むように指示したので、子どもたちの新聞は真っ赤!
その色の分だけ、カタカナが多く使われていることを実感できたのではないかと思います。
そして、見つけたカタカナを分類しました。
「スポーツの言葉が多いね」
「外国の名前が多いよ」
「会社の名前などもあるね」
気が付いたことを話し合いながら、楽しく学習を進めることができました。
低学年の子どもたちにとってはまだ難しい新聞ですが、このような使い方をすることで、新聞の世界の導入にもなると考えています。高学年になって、本格的に新聞を学習に活用する頃には、十分に取り組める素地を作れると考えています。「新聞に触れてみる」、そして「少し学習をする」。そんな活動でした。これからこの活動を生かして、いろんな教科の学習で新聞を活用したいと思います。低学年でも、いろんな場面で新聞を活用できると考えています。
これからも新聞の可能性を探っていく
これまでは、新聞の活用は国語科や社会科で行ってきました。しかし、今年度は低学年での実践となるので、思い切った使い方をしたいと思っています。
まずは、算数での活用です。2年生では「100よりも大きい数字」について学習します。新聞はまさに数字のオンパレードです。まずは体験的に数字探しを行いました。子どもたちは夢中で活動しました。
「ここにあった!」
「500っていう数字があるよ」
「下の広告のところに、たくさん数字があるよ」
「こんなにたくさん数字が載っているんだね」
などなど、子どもたちは大はしゃぎ。
どんどん新聞の世界に入っていきました。新聞というメディアに初めて学習で触れる機会でした。
最近、NIEの研修会に出席することがありました。
そこで話題となったのが、
「低学年で新聞を活用できるのか?」
「低学年の児童には新聞は難しすぎるのでは?」
ということです。
もちろん、大人向けの新聞を低学年の子どもたちが十分に読めないことは明らかです。
しかし、国語科では中学年で「新聞を作る活動」、高学年では「新聞を読む活動」が位置付けられています。また、その他の教科でも、新聞を情報源として活用することが求められています。
教科書に出てきたときにのみ新聞を活用するだけでは、将来子どもたちが社会に出ていく中で、新聞をはじめとする情報メディアを十分に活用できないのではないかと感じています。
低学年でも新聞を活用できる機会はたくさんあります。
これからも、低学年での新聞活用について可能性を探っていきたいと考えています。

菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
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