変わり続ける保育の環境~アメリカのボーズマン・モンテッソーリ保育園、新学期に寄せて
アメリカ・モンタナ州のボーズマンという町で、モンテッソーリ保育士として働くかたわら、大学院でも学びを深めています。
今回は、ボーズマン・モンテッソーリ保育園で、新学期準備が始まる8月の終わり、変化のただ中にいる中での気づきや思いを綴ります。
ボーズマン・モンテッソーリ保育士 城所 麻紀子
現場の変化と新しいスタート
ボーズマン・モンテッソーリ保育園は、9月に新学期を迎えます。
私が働き始めた2020年当時、園舎は1つで、クラスも0歳児、1歳から2歳、3歳から6歳の3つだけでした。
それが今では、2つ目の大きな校舎も開設され、職員数も30人を超える規模に拡大しています。
元々は、ダウンタウンから外れた郊外にある、家族的な雰囲気が魅力な小さな園でしたが、規模拡大により新たな挑戦と多様性も生まれてきました。
職員全員が一堂に集まるだけでも、今年は、公立図書館の会議室を借りるほどになり、その変化に驚きを感じています。
新学期の準備
毎年8月最終週は、新学期に向けた大切な準備期間。職員全員での研修や、教室の大掃除や配置換えが恒例行事です。
図書館の会議室で行うという、これまでにないスタイルに戸惑いつつも、どんな新しいコミュニケーションや学びが生まれるのか、期待も膨らみます。
この準備期間には、園の理念を確認したり、毎年少しずつ変わる福利厚生の内容を確認したり、実際の教室づくりに向けたアイデアを出し合ったりと、年度初めならではの熱気があります。
初めて顔を合わせる職員も多く、お互いに自己紹介をしながら、それぞれの役割への思いや工夫を語り合う狙いもあります。
普段、保育士同士で話す機会はほとんどないため、とても貴重な機会です。
新たなチーム編成~期待と不安
私は強い希望が通り、元々の小さな校舎で、3歳から6歳のクラスを担当します。
今年は昨年までの主任の先生が、モンテッソーリ小学校の免許取得のため別の町へ移動されたため、新しい主任の先生を迎えることになりました。
まだ直接お会いしていませんが、どんな方なのか、どんな協力関係が生まれるのか、わくわくと少しの緊張感を抱えています。
同じクラスを担当するアシスタントの先生とも先日、ちらっと挨拶をした程度です。
新しいチームでクラス運営がどう変わるか、これまでの経験がどう活かせるか、同じ職場とはいえ、新たな一歩を踏み出すような気持ちです。
保育園の規模拡大~よかったこと・気をつけていきたいこと
気がつけば、“小さな家族”だったボーズマン・モンテッソーリ保育園が、いつしか“大家族”になっています。
毎年、職員や子どもたちの顔ぶれも変わるので、同じ教室のはずなのに、まるで別の場所のように感じます。この変化が、時には刺激的で、時にはストレスにもなり得ます。
でも、不思議と「今年のクラスはどんな空気になるんだろう」「新しいメンバーと、どんなふうに一緒に過ごせるかな?」なんて、期待のほうがほんの少しだけ大きい気がします。
新学期が始まる前の、このドキドキは、何度経験しても慣れることがありません。
きっと、日本の学校や保育園のみなさんも、クラス替えや新しい顔ぶれのたびに同じような気持ちになるのではないでしょうか。
変化が多いからこそ、悩むことも増えるけれど、気が付けばそこに新しい成長や出会いがあったりもしますよね。
今年度も、ひとりひとりを大切に、小さな工夫と挑戦を重ねながら、毎日を楽しく過ごしていけたらと思っています。
……と、新しいスタートに向けて、深呼吸を心がけている今日このごろです。

城所 麻紀子(きどころ まきこ)
ボーズマン・モンテッソーリ保育士、元サンディエゴ日本人向け補習校講師、モンタナ州立大学院家族消費者科学科 修士課程
2020年からアメリカのモンタナ州の人口5万人の町で、モンテッソーリ保育園の保育士をしています。
アメリカといっても、白人約90%、アジア人約2%(最近増えました!)という環境です。
あまり日本人の方に知られていない、アメリカの田舎での教育や生活の様子などを共有できたらいいなあと思っています。
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