2023.07.16
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スポーツとの多様な関わり方での「支える」はどう捉えますか?

スポーツとの多様な関わり方である「する・みる・支える・知る」を体育の授業でどう取り入れてるのか、私の大切にしている「支える」を軸に書いてみました。

沖縄県宮古島市立東小学校 教諭 五條 晶

「する・みる・支える・知る」ってそもそもなに?

体育科・保健体育科の小学校学習指導要領の改訂により、心と体を一体として捉え、生涯にわたる心身の健康の保持増進や豊かなスポーツライフの実現が重視されています。
この豊かなスポーツライフの実現とは、どういうことでしょうか?
簡単に言うと「スポーツを通じて豊かな生活を送りましょう」ということです。しかし、スポーツが苦手な人はどうするのか?という疑問があると思います。

そこで、実際にスポーツを「する人」だけでなく、スポーツの観戦など「観る人」そして、指導者やスポーツボランティアやサポーターなど「支える(育てる)人」に着目しようとなりました。
それを踏まえ体育では、運動に対する興味や関心を高め、技能の指導に偏ることなく『する・みる・支える』に『知る』が加わり、この見方・考え方で三つの資質・能力をバランスよく育むことが大事とされている。
つまり、「する・みる・支える・知る」は体育の見方・考え方のことです。

私が特に大事にしている見方・考え方

2年生のマット遊びの授業

「する・みる・支える・知る」の見方・考え方はどれも大事なのですが、私が1番特に大事にしているのは「支える」です。
正直、小学生であれ体育が苦手な子はいる。苦手どころか興味もなく、全くやろうとしない子もいるのが現実である。
そんな時に「支える」の見方・考え方が役に立ちます。私は体育において「支える」はコーチやサポーターとして友達を応援したり、技を教えたりする役割と捉えています。

例えば、写真を見てください。2年生のマット遊びの授業の一部です。
マット遊びでは、自分の好きなコースを作って他の子を招待しています。その招待した子がフラフープを前転で転がりたいと言っていました。
そこで、フラフープの前にいる子が、「ここに手を置いて」「頭をひっこめて」と声をかけています。まさに「支える」姿だなあと思います。
他にもできた子に対して、拍手してあげたり「がんばれ!」と応援する子もいます。
こうした行動があることで、運動が苦手な子も得意な子も応援されたり、困ったらすぐ教えてもらったりできます。まさに支えられています。

スポーツの世界でも応援はとても力になります。どんなスポーツでもホーム戦とアウェイ戦では、ホーム戦の勝率が上がるそうです。ホーム戦ではファンやサポーターが多いです。つまり応援される人が多いほど選手は力になります。
体育も同じで、苦手なことでも同級生が誘ってくれたり、応援してくれればモチベーションが上がります。
また、応援される側だけではなく、応援する側も楽しい時があります。自分のアドバイスで友達が何かを乗り越えた時に喜びを味わうことができます。

このように「支える」姿がクラスで広がると、すごく温かい雰囲気で授業を行うことできます。これは、学級経営にもつながってきます。クラスが温かい雰囲気になれば、「誰かが助けてくれるから自分もやってみようかな?」と苦手なことに挑戦する子も増えます。
なので、私は体育の授業では「支える」姿を大事にしています。「支える」という見方・考え方が子どもに身につけば、「知識・技能」も「思考・判断・表現」も力がついていきます。また、どんどん熱中して主体的に学んでいきます。
こうした子どもの姿は見ていて本当に微笑ましいです。

五條 晶(ごじょう あきら)

沖縄県宮古島市立東小学校 教諭


授業を通した「みんなで分かる!」「みんなが楽しい!」集団づくりを目指し、試行錯誤しています。

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