2023.06.20
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野菜のお世話大作戦を考えよう

ある事件から、育てている野菜のお世話をみんなで考えてみました。

沖縄県宮古島市立東小学校 教諭 五條 晶

まずは発見から・・・

前回も書きましたが、私の今の学校の2年生は、生活科でバターナッツという野菜を育てています。
それぞれのバターナッツに自分で好きな名前を付け、育てています。子どもたちはポケモンみたいと言いながら、けっこう楽しそうに名前を付けます。
順調に育っていくバターナッツですが、日々の観察の中で、子どもの気づきがあります。

ある時、一人の子が言いました。
「先生!事件です!僕のバターナッツの葉っぱが何者かに食べられています」
その葉っぱを見てみると、たしかにかじられた跡があります。そして、近くに赤い虫もいることに気づきました。

すると他の子も
「僕の葉っぱに、ミミズが歩いたような跡がある」
「どれどれ?」と見てみると、写真のように虫が這って歩いたような跡がありました。

子どもたちの中には「虫に食べられて元気がなさそう・・・」と悲しそうな子もいました。
そこで、クラスでこれからのバターナッツへのお世話大作戦を立てることにしました!

子どもの発想は最高!

子どもの考える作戦は私が思いつかないものばかり!
クラスで出た作戦の中から、3つほど紹介します。

まず1つ目は写真の一番左の作戦。
名付けてゴーストさくせん・・・
この作戦「なんじゃそりゃ?」と思いますよね。
この作戦は、バターナッツの葉っぱを食べにくる虫に対して、幽霊のかかしを作って追い払うそうです。
この子にとって、幽霊は怖い存在だからきっと虫も怖がるだろうと考えたそうです。

次は写真の真ん中。
名付けて「ほめほめ大作戦」
これは作戦名の通り、バターナッツを褒めて元気にさせるという作戦です。
なんとまあ、優しい作戦に心を打たれました。

最後は「じゃんけん大作戦」
これは、バターナッツの葉っぱを毎日ジャンケンをして、元気にさせるという作戦です。
なぜそんな考えに至ったのか・・・と聞くと。
1年生の頃、帰りの挨拶の時に毎日ジャンケンして「わあー勝ったー!」とか喜んだそうです。
この経験からこの作戦を思いついたそうです。

経験値から今の考えがある。

子どもたちの作戦はびっくりするものばかりですが、理由を聞くと「なるほどね!」というものばかり。
それは、子どもなりの経験から今の考えがあるからです。
「幽霊が怖い」「褒められて嬉しい」「1年生の頃のジャンケンが楽しかった」
そんな子どもなりの経験値があってこそ、いろんな考えが出てきます。

私たち教師は、「子どもにいろんな考えを自信をもって出してほしい。」と授業の中で思うことが多いと思います。
その時に、子どもの経験値に目を向けてあげると、もしかしたら、もっといろんな考えが出るのかもしれないなあと思いました。

五條 晶(ごじょう あきら)

沖縄県宮古島市立東小学校 教諭


授業を通した「みんなで分かる!」「みんなが楽しい!」集団づくりを目指し、試行錯誤しています。

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