2024.05.11
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教員生活25年を終えて・・・

昨年度で、教員人生も25年が終わりました。考えてみると、これまでの教員人生は本当にあっという間の時間だった気がします。まだ、新任として最初の学校に赴任したのを昨日のように思い出します。
しかし、一緒に働く同僚が新任の時に受け持った児童と同じ歳の方だったり、もう自分の子どもでもおかしくない年代の方と一緒に仕事をするようになってきたりと、昨今は教員になってからずいぶん時間がたってしまったのだと実感することが多い毎日です。

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

これまでの教員人生

子どもたちと一緒に育てている盆栽

初任校には5年間勤めました。何もわからないままのスタートでしたが、周りの先生方から助けられて、たくさんの思い出を残すことができました。初めての6年生担任、そして1年生担任を経験させてもらいました。
また、体育主任という役職にも就かせていただきました。当時は体育的な行事や対外行事が多く、本当に大変でしたが、最後まで務めることができ今の自分の心の支えになっています。本当でしたら、私など体育主任に就くことはないと思うのですが、当時は若い教員が少なかったため私にその任が回ってきました。
今でも当時の仲間の先生方との交流があり、たくさん声をかけていただいています。本当に思い出がたくさんです。

次の学校では、私自身5年間の教員生活で自信をもつことができ、意気揚々とスタートしました。しかし、この学校で大きな挫折を味わうことになりました。
6年生を担当した際に、女子児童との折り合いが合わずに大変な反発を受けたことがありました。年度の後半から学級崩壊のような状態になり大変苦しい思いをしました。
また、研究主任という仕事をさせていただいたのですが、若い先生から反発を受け、自分に自信がもてなくなる時期もありました。挫折も多かった時代ですが、教員生活を通して最も仕事をした時期なので、思い出はたくさんあります。

3校目は小規模の学校に異動しました。全学級が単学級だったこともあり、思い切った実践を行うことができました。
小学校1年生での国語辞典の活用や、NIE(教育に新聞を)の実践などを多く行いました。ちょうど、学習指導要領に新聞の活用が盛り込まれた時期でもありましたので、様々なメディアの方に取材をしていただくこともできました。
また、これまで培ってきた人脈を生かして、たくさんの方に協力していただき、充実した授業実践を行うことができました。

このように、その学校その学校で充実した教員人生を送ることができました。その後も変わらずにがんばって仕事を続けられています。

同僚の先生からの刺激を受けて

現在の学校では、同期の先生や後輩なのですが大学院で勉強をされている先生に出会いました。その先生方がさらなる自分の発展のために勤務校を巣立っていきました。
同期の方は、教員の仕事を休業し、大学院に進学されさらに教員としてのスキルを磨くとのことです。また、後輩である先生は、大学院の博士課程を修了され、短期大学で心理学を教えることになるそうです。

私も以前、少しだけ大学などで教職の指導をしたいなどと考え、大学院の修士課程に進んだことがありました。
しかし、これまで学問というものをしっかりと修めてこなかったこともあり、学位を取るのが本当に大変でした。少々中途半端ではありましたが、学位をいただくことはできました。それが今生きているかと言ったらそうとも言い切れません。
自分と人とを比較しても仕方がないことは分かっていますが、自分自身の今の状況と、私の周りの方の活躍をどうしても比べてしまい、「自分はこのままでよいのか…」といった思いに駆られてしまいます。

少し迷いが生じてしまいましたが、毎年と変わらずに1年がスタートしました。今年は久しぶりの6年生担任!
久しぶりの6年生担任なので張り切っています。子どもたちがたくさんの思い出を残し、最後に最高の卒業式を迎えられるようにがんばりたいと思います。まずは目の前のことに全力投球です。

さあ、これから…

今年度新たに次の取組を始めました。まずは、さらに工夫したあいさつ運動です。これまで25年間、毎朝の校門や昇降口でのあいさつ運動を続けてきましたが、このところ子どもたちのあいさつがなかなか返ってこないのが悩みでした。
今年からは、あいさつに関するメッセージを書いたプラカードをもってあいさつ運動に取り組んでいます。すると、これまでの2割ぐらい多くあいさつが返ってくるようになりました。私も楽しく取り組むことができています。ここ数年あいさつ運動がうまくいっていなかったのは、私自身がこの活動を心から楽しんでいなかったんだということに気付きました。
自分のこれからのことを考えつつ、まずは隣にいる子どもたちのためになることを全力でやっていきたいと思っています。元気に教員生活26年目をスタートしました。今年度もがんばっていきたいと思っています。

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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