2023.11.11
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

子どもたちとの自然の教室

担当する5年生で年間の最大の行事であると言っても過言ではないのが、福島県の南会津への林間学校です。私自身実に15年ぶりの林間学校ですので、少し緊張するとともに、楽しみも感じていました。年度の初めから、下調べなどの作業を行い、入念に準備を進めてきました。今回は学年主任として、学年の責任者として、子どもたちだけではなく、先生たちにも充実感をもって引率していただけるようにと考えました。

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

最高の思い出を作ってやりたい

自然の教室が行われたた、かつえスキー場

準備を開始してからあっという間に林間学校の当日になりました。クラスの児童は全員参加!
これが一番うれしかったです。代表の子どもたちは一生懸命に出発式などの準備をしてきました。当日も立派に役割を果たしました。

出発式で私が子どもたちに話したことは、
「君たちに一生残るような思い出を作ってほしい。先生たちもそのために全力でサポートするよ」
ということでした。
大人になってからも、懐かしく友だちと語り合える。そんな素晴らしい最高の思い出を作ってやりたいと考えていました。子どもたちと自然の教室のスローガンを考える際にもこの思いを伝え、一緒に最高の思い出作りができるようにしようと確認をしました。

決めたスローガンは、
『積極的に協力し、最高の思い出を作ろう!』
です。
このスローガンのもと、全員で準備に取り掛かりました。子どもたちもスローガンを意識して準備をがんばってくれました。

林間学校当日。わがクラスは欠席ゼロ。みんなでこの大きな行事に臨めるので大変うれしく思いました。1日目のフィールドワークもみんなで楽しく取り組むことができました。

「ゲレンデトレッキング」

さあ、2日目のメインの活動である「ゲレンデトレッキング」の時間が来ました。福島県のたかつえスキー場の一番高いところまでみんなで登ります。誰一人脱落することなく全員で登り切りたいと考え、子どもたちにも話をしていました。前日にしっかりと睡眠をとり、トレッキングに備え、いよいよ出発です。

天気はあいにくの小雨で雨具をつけてのトレッキングです。一見なだらかに見えるゲレンデも結構歩きにくく、近くに見える山小屋にたどり着くのにも思った以上に時間がかかります。そのこともあって、子どもたちの疲労がたまってきます。

「思ったよりも疲れるなあ…」
「足が思うように動かないよ…」
「涼しいと思っていたのに汗がどんどん出てくる」
など、子どもたちは、元気がなくなってきました。

また、運動が得意でない子はどんどん列から遅れていきました。私自身、その子に付いて一緒に登りたいと思いつつも、先頭を歩いて列をけん引しなければならないため、それがかないませんでした。しかし、校長先生をはじめ引率を手伝ってくれている先生たちがその子を励ましながら登ってくださいました。最後の急な坂道もがんばって登りきることができました。登り切った後は頂上にてクラス全員で記念写真!
最高に気持ちがよかったです。この時に、子どもたちの中にこの行事が「最高の思い出」として刻まれるだろうと確信しました。本当に私にとっても良い思い出になりました。

これからの学校生活に生かすには

自然の教室の終わりの会で校長先生からこんな話がありました。
「今回の自然の教室の成果をこれからの学校生活に生かしていくことが大切だ」ということです。本当にそうだと思いました。単に、楽しかった思い出としてではなく、そこで得たものを自分の学校生活に生かしてこそ、大きな行事をやり切った意味があるのだと思います。それを心にとめて今後の学校生活に取り組みたいと考えました。

子どもたちには、
「学校をもっとよくするためにできることをやっていこう」
「友達と協力して、さらに素晴らしいクラスにできるようにしていこう」
と投げかけました。

子どもたちは自分たちが自然の教室で学んだことを生かそうと目を輝かせていました。学校の高学年として、委員会活動で責任をもって仕事をすること、そして縦割り活動では、サブリーダーとして低学年の子たちの面倒を見ること、そして何よりもクラスや学年の友達を大切にし、楽しい学校生活を送れるようにすることなど、子どもたちは思い思いに自分たちにできることを考えていました。

これから、今回の最高の思い出を胸に、さらに良いクラスにしていきたいと思います。そして、子どもたちがこの自然の教室の思い出をいつまでも大切にしてくれたらうれしいです。今回の自然の教室は私自身にとっても最高の思い出になりました。最高の思い出を作ってくれた子どもたちに感謝しつつ、また頑張っていきたいと思っています。今回の行事を応援してくださったすべての方に感謝したいです。また、一生懸命にがんばって行事をこなしてくれた子どもたちにも感謝をしています。本当に良い思い出ができました。

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

同じテーマの執筆者

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop