2022.05.21
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今年も学級だよりを発行......100号を目指して

学級だより『そよかぜ』を今年も発行し始めました。

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

学級だより「そよかぜ」

学級だより「そよかぜ」

今年度で学級だよりを発行し始めて20年目になります。「そよかぜ」という名前は、私自身を風に例えて、子どもたちにとって気持ちのよい風のような存在になりたいという思いからつけたものです。
知り合いの先生や仲間の先生の中には、以前の教え子がいつまでも訪ねてきて、ずっと付き合いがある方がいます。しかし、私の場合は卒業させた子どもたちもほとんど訪ねてくることはありません。最初のうちはそれが辛いという思いがありましたが、故大村はま先生の著書で「教師は渡し守」というお話を読んでから考えが変わりました。子どもたちを担当している今現在が大切なことであって、進級・卒業させたらあとは次に向かって進んでもらうのが教師だということを学びました。だからこそ、担任としてかかわる1年間、子どもたちにとって気持ちの良い風のような存在でありたいと、学級だよりにこの名前を付けました。

教員になって2年目から学級だよりを発行してきました。その時々で各内容は少しずつ変わりました。最初は学習予定なども細かく掲載していました。しかし、私自身、自分の子育てで忙しくなってから、児童の活躍の様子を中心に簡単な内容のたよりにしました。そして、内容の詳しさでなく発行数を多くすることに重点を置いてきました。

学級だよりでねらうこと

学級だよりに掲載することはまず、子どもたちの普段の活動の様子です。保護者の方に子どもたちの普段の姿を知ってほしいというのが最初のねらいです。私自身、自分の子どもがどのように学校生活を送っているのかを知りたいと思っています。
学校では授業参観や様々な行事があります。しかし、それ以上に普段の授業の様子も知りたいと思っています。私の子どもの学校では学年だよりがあるので、学級だよりは発行しないという方針のようです。学校の方針であるので仕方ないのですが、少々残念に思っています。近年は新型コロナウイルス流行により、学校行事も少なくなってきているのでなおさらそう思います。

私は勤務校の所属長や学年の同僚にも相談して学級だよりを自由に出すことを認められているので大変ありがたいです。子どもたちの普段の様子をたくさん保護者の方に知らせられています。
保護者の方からも、「普段の様子が分かってうれしい」と言っていただいています。子どもたちと学習していることについても学級だよりによく載せます。すると、学習内容について過程で話題にしてくださったり、学習に関連のある施設を見学に行ってくださったりすることもあります。大変ありがたく思っています。

2つ目のねらいは、子どもたちにも自信をもたせることです。学級だよりは保護者向けに出していますが、子どもたちは便りが配られると、
「私が載っていた」
「この間の勉強のことだ!」
と、大変興味深く読んでくれています。そして、自分が取り上げられていると大変喜びます。そこで、学級だよりでは子どもたちのことをたくさんほめて、それを子どもたちにも読んでもらえるようにしています。子どもたちの活躍やクラスの絆などをたよりに取り上げることで子どもたちの自己肯定感が向上することもねらっています。

最後に、担任として私自身の指導実践の記録になるということです。日々、自分が研究課題にしていることはもとより、それ以外にもたくさんのことに取り組みます。それらをたよりにまとめることで、自分の実践が蓄積され、その記録になります。そして後で見返して、実践の反省をすることができます。これまで発行した便りも自分自身の記録であり、これからの実践を考えるヒントになっています。

今年度は新たに

現在、寄稿している「学びの場.com」にはこれまで15年以上にわたって実践のレポートを書かせていただきました。また、自分の中心的な実践であるNIEや辞書引き学習、そして震災を取り上げた取り組みなどについてもサイトの中で特集いただいています。これらを活用したいと考えました。
具体的には、現在のクラスで行っている実践と合わせて、これまでの実践を保護者の方にお知らせすることです。学びの場.comのURLを掲載し、保護者の方にもこれまでの実践を見ていただけるようにしました。そうすることで、現在行っている実践への期待も持っていただけると考えました。

今年度は学級だより発行数を100号まで伸ばすことを目標にしています。これまでは年に平均で60号から80号の部数でした。さらに発行数を伸ばすことで保護者の方に子どもたちの様子を知らせていきたいと思っています。私自身、自分の子どもの保護者として子どもの学校での様子や授業の様子などを知りたいと思っていますが、このコロナ禍の中であまり学校に行く機会もなくなかなか情報を得ることができません。もし、学級だよりなどでたくさん情報があったらうれしいと感じています。私の担当するクラスの児童の保護者のみさんにたくさん子どもたちの様子を知らせていきたいと思っています。

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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