2022.01.23
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冬休みの教材研究

この冬休みは、3学期の授業に向けて教材研究を行いました。教員は夏休みや冬休みにまとまった時間が取れます。そこで、自分自身の生涯学習としても、そして授業の教材研究としても学びを深めることができました。

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

昔のくらしの指導のために

まずは、受け持っている3年生を指導する社会科の教材研究を行いました。3学期には昔の道具とくらしについて学びます。電気製品が出てくる前の生活の様子や電気製品が使われるようになった頃の様子と今を比較しながら、生活がどのように変わってきたかを調べます。実際に子どもたちと市内の博物館の見学にも行って学習をします。そこで、市内のあらゆる博物館に行き、展示されている昔の道具を調べてきました。そこには、冷蔵庫やテレビ、そして洗濯機など、生活の中で欠かせない機械や、子どもたちが大好きなゲーム、そして携帯電話なども展示されていました。それらの写真も撮影し、児童に示せるようにしました。

また、単元の授業の導入として「給食」の移り変わりを写真で紹介し、時代とともにメニューも変わってきているということをとらえさせたいと考えました。私が子どものころの給食はメニューが西洋化され、パン食が多く出されていました。しかし、現在は米の消費量を増やすというねらいもあり、米飯が多く出されていることなども紹介したいと思います。給食の移り変わりを見ながら、昔と今の比較をしたいというモチベーションを高めていくつもりです。子どもたちは、このつれづれ日誌でも紹介しているように給食に出される食材の産地調べや栄養調べを毎日行っています。そのため給食に大変興味をもっています。給食を社会科の単元の導入で扱うことで、学習内容への関心も高まるのではないかと考えています。

児童には、私が集めた写真資料や博物館見学などから、詳しく調べたい道具について選択して、今と昔の道具の様子とそれを使った生活の様子について調べていく予定です。今回、教材研究を行うことで、どんな道具が調べやすいかがわかりました。児童が調べる道具を選択する際にもヒントを出せるようになりました。また、実際に博物館を見学する際のポイントや助言の仕方についても自分なりに理解することができました。

食育のために

埼玉県の名産「深谷ねぎ」

前述したように、毎日の給食を活用して食育にも取り組んでいます。給食は栄養の学習や産地調べなどの社会科の学習にもつながります。担当する学級では、毎日一つの野菜を取り上げて、その産地を予想する学習を行っています。野菜の生産量を示した小学生新聞の記事を年度当初から示してきたので、児童はある野菜の産地がどこかを想像できるようになってきました。

「ピーマンだから高知産だよ」
「でも、最近は茨城産の野菜が多く出されているから茨城県産かもしれないよ」
「北海道では夏から野菜がたくさんとれるから2学期には北海道産の野菜が毎日のように出たね」

などの会話が交わされています。食材に興味をもつことで、自分の食生活を見直す契機にもなると考えています。

野菜の中で、埼玉県の名産である「深谷ねぎ」を特に多く扱ってきました。冬の時期になると深谷ねぎが多く給食に出されます。昨年の11月には22回実施された給食のうち8回も深谷ねぎを使ったメニューが出されました。そこで、子どもたちに深谷ねぎの畑や深谷市のねぎに関するイベントなどを紹介したいと思いました。実際に深谷市を訪ねてその秘密を探ってこようと思いました。

深谷市では、冬にはねぎの出荷の最盛期を迎えていますので、市内の周りの畑はねぎでいっぱいでした。ねぎの刈り取りをしている農家の方の姿も見られます。学校の給食に出されるねぎもこの畑で収穫しているかもしれないと考えました。畑の写真も撮影し子どもたちに見せることにしました。

また、道の駅などでは深谷ねぎなどの名産の即売会が行われています。特にねぎはブランド品のように包装や表示が工夫されています。多くの観光客が買い求めていました。また、深谷ねぎを使った様々な料理も食べることができました。あの渋沢栄一も愛したという深谷ねぎがたっぷり入った「煮ぼうとう」や深谷ねぎのかき揚げ天など、おいしいものがたくさんでした。それらも味わい、給食の際に子どもたちに話をしようと考えました。この学習は4年生で埼玉県についての学習にもつながってきます。そういう視点でも子どもたちにしっかりと指導したいと思います。

総合的な学習の時間のために

食育の指導のために埼玉県の名産、深谷ねぎの取材をしてきたことを述べました。その深谷での取材を生かして現在児童と行っている「総合的な学習の時間」にも生かしていきたいと考えました。児童が取り組んでいるのは「さいたまの素敵を伝えよう」というテーマの学習です。さいたま市の中で市外に住んでいる方たちに、さいたま市の良さを伝えるということを目的にしています。自分たちで調べる課題を決めて、調べたことをリーフレットにまとめて発表も行います。

そこで、深谷ねぎのリーフレットをたくさん集めてきました。そのリーフレットを参照しながら、深谷ねぎの良さをどのようにアピールしているかを考えさせたいと思います。子どもたちが自分の調べたことをまとめる際の参考にさせたいと考えています。

この冬休みには、教材研究を兼ねて様々な学びを行うことができました。私自身も勉強になり、授業づくりの意欲もわいてきました。

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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