2021.12.18
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デジタル新聞の活用

今年度より児童は一人一台のタブレット型パソコンを活用しています。最初のうちは起動の仕方や操作の仕方など難しくて、授業の中で活用するのが難しい状態でしたが、子どもたちはすぐに操作に慣れていろんな活動ができるようになってきました。試行錯誤をしながら、まだまだ不十分ではありながらも、授業の中でタブレット型パソコンを使っています。私自身も正直パソコンでの指導が苦手なのですが、少しずつ慣れてきたところです。先進的な取り組みをしている若い先生から教わりながら、実践を行っています。

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

GIGAスクール構想とNIE

児童のタブレット型パソコン

今年度、朝日小学生新聞の研究指定を受けて、デジタル版の新聞を活用した実践を行うことになりました。
毎日、記事が配信されパソコンで読むことができます。
また、過去の記事を検索したり、関連記事を読んだりすることもできます。
この機能を使って、授業やその他の活動を行うことにしました。
そして、各教科の学習の中で新聞記事を使うことによって、子どもたちの社会への関心も高めたいと考えました。

新聞を算数で活用

担当する3年生の算数では小数を学ぶ単元があります。小数の仕組みや小数の計算などについて詳しく学習します。この学習の中で新聞を活用しました。具体的には新聞記事から小数を探し、その数字がどんな数を表しているかを考える活動です。教科書の学習のみだと、単元の最初に小数を生活の中で使っている場面が出てくるだけです。そこで、小数の学習の途中で新聞を活用しました。

児童は普段から新聞を読むのに慣れています。現在は小学生新聞の研究指定を受けているので、児童のパソコンで記事を手軽に読むことができます。それを活用して、小数を探す活動を取り入れました。児童はこれまで、新聞記事から同じ部首の漢字を見つける活動を経験してきました。その経験を生かすことにしました。

授業では、これまで学習したことを振り返り、小数はどのようなところで使われていたかを話し合いました。
「くつのサイズでも小数が使われていたよ」
「牛乳など食品にたくさん使われていた」
「長さや重さを表すのにたくさん使われていたね」
など、身近なものの中で使われている小数について想起することができました。そのあとで、社会の中でどのように小数が使われているかを新聞で使って調べる提案をしました。

児童は、自分のタブレット型パソコンで小学生新聞の記事を検索し、小数を探す活動を始めました。小学生新聞のデジタル版では過去の記事もカテゴリごとに分類され閲覧できるようになっています。例えば「コロナ」「オリパラ」「科学」「環境」などのタグワードに分けられ、関連する記事を検索できます。児童はきっと小数を使った記事があるのではないかと考えられるタグワードを検索し、記事を探し出しました。探し始めると、すぐに小数が使われている記事を見つけ始めました。

「先生、温暖化の記事のところに1.5という数字があったよ」
「動物園のパンダの体長に小数が使われているよ」
「グラフの細かい数字のところで小数が使われているよ」
「アンケートなどの結果を表している記事に小数が使われているよ」
など、児童は楽しそうにつぶやきながら小数を記事から探していきました。児童のプリントには見つけた小数がたくさん書かれていました。そこで、次に私から、「小数ってどんなところで使われているのかな?」と発問しました。すると、

「先生、やっぱりいろんな調査の平均などを示すときに小数は使われると思う」
「長さや重さなどのサイズを示すときにたくさん使われるんだね」
「料理関係の記事にはたくさん使われるのだと思う」
と、小数が生活の中でどのように便利に使われているかを考え発言できました。単に教科書だけでの学習よりも深い学習になったと思います。児童にはこれからも新聞はもとより、そのほかの生活の中で出会うものの中にある小数に注目してほしいと考えています。

これからも活用の仕方を探って……

今回の実践では、算数で小学生新聞のデジタル版を活用しました。毎日、デジタル版の新聞を読んでいると、授業の様々な場面で使えることが分かってきます。授業のアイディアもたくさん浮かんできました。例えば、スピーチの題材として興味を持った記事を児童が選ぶ活動はもとより、学習した漢字と同じ部首の漢字を見つけ、漢字の理解を深める学習や、社会科の調べ学習にも活用できそうです。
その中で大切にしたいのは「児童が主体的に学習の素材を選択できる」ということです。教師から与えられるものだけでなく、自分から必要な情報を得ようとする態度と技能はこれからの世の中で必須です。小学生新聞のデジタル版の活用の利点として、そのような力の育成も十分に期待できると思っています。これからも様々な教科や領域の学習でデジタル版の新聞を活用していきたいと考えています。もちろん普通の紙の新聞もこれまで通り活用していきます。

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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