2021.07.10
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「GIGAスクール構想スタート」

「あと数年もすると、一人一台の端末が入ってくるから、少しずつ授業での活用ができるようにICTの勉強をしないといけない」と考えていたところ、コロナ禍でICTの整備の遅れが大きな課題として浮上し、一気に端末の整備が進みました。
私の勤務するさいたま市でも、昨年度末に端末が児童生徒全員分配備されました。そして、昨年度末には電源の入れ方やパスワードの打ち込み方などを指導し、急ピッチに準備が進められ、今年度を迎えました。
私は教員になって23年目になりますが、いつの間にか周りは若い先生ばかりになりました。若い先生たちはいわゆるデジタルネイティブ世代。自由自在に機器を活用しています。私も負けないようにと若い先生に教わりながらICT活用を進めていきたいと思うようになりました。

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

急に入ってきた一人一台の端末

今年度は私自身、学校の異動もあり、すぐにはICTの活用ができませんでした。しかし、少しずつでもICT活用を進めていかなければならないと考えました。そこで、各教科などの取り組みの中で、ICTを効果的に活用できる活動をしていくことにしました。
まずは簡単なことからスタートです。最初は教師用の端末を使って児童に写真などの資料を示すことにしました。私は毎日、NIE(教育に新聞を)の取り組みの一環として、朝の会に新聞記事を取り上げた子どもたちに話をしています。これまでは記事を写真にとり、それを大画面で映しながら話をしていました。端末を使うと、記事を拡大することが容易にできます。これまで以上に児童に記事を示しやすくなりました。まずはできるところからスタートしました。

そして、児童は昨年度末に習った、タブレットの起動やログインがスムーズにできるように、できるだけ簡単な課題を出題し繰り返すことにしました。はじめのうちはやり方がわからなかったり、うまくログインできなかったりして、何度も私に操作の仕方などを聞きに来る児童が多かったのですが、少しずつ自分で対処できるようになってきました。私も児童も少しずつタブレットに慣れてきたところで、授業での実践をスタートしました。

New Education Expo2021に参加

勤務校でもタブレットの使用の仕方に関する研修がありますが、東京で行われた「New Education Expo2021」に参加し、専門の方に指導を受けることにしました。研修では、内田洋行のスタッフの方に学校のタブレットでも使用している「Microsoft Teams」の活用の仕方を教わりました。画像などの素材を集めてプロモーション動画を作る実習をしました。なかなか難しくて、すぐには活用できないかもしれませんがよい勉強になりました。

また、研修会では「Teams」活用の書籍も資料としていただきました。そこに載っていることを一つ一つ試し、少しずつ活用ができるようにしていこうと考えています。今年度中に、「Teams」を活用して、児童たちとオンラインでもやり取りができるようになることを目標にしたいと思っています。焦らず少しずつ、そして楽しく自分自身も研修をしていきたいと考えました。

まずはできるところから、慌てずに・・・

学習したことを活用して、まずは「Teams」でクラスのチームを作り、児童に毎日資料と私のメッセージを送ることからスタートしました。これまで、毎日朝の会で児童に新聞記事を示し、記事の内容について話す「新聞トーク」を行ってきました。また、給食の前には食材の中から1つ選び、その食材についての話をする「給食トーク」を行ってきました。その際には、大型ディスプレイに記事や写真などを映すようにしていましたが、この記事者写真を児童のタブレットに送ることで、児童が手元で記事などを見ることができます。まずは、児童にその日のトークで使う資料などを送ることにしました。
すると、児童は喜んで私の送った資料を受け取り、それを読むようになりました。

「先生、送られてきた新聞記事を読んでこんなことがわかったよ」
「記事に載っていた言葉を辞書で引いてみたよ」
「今日の給食に出る野菜の記事を読んで給食が楽しみになってきたよ」

など、児童との会話も増えました。私も毎日児童へのメッセージを送る際に、児童が興味を示すようなメッセージになるように工夫を行っています。

また、児童も私のメッセージに対して返信をしてくるようになりました。覚えたてのローマ字うちで、ぎこちない様子で返信を打っています。そして、私の示した資料等への感想を述べることができています。単にローマ字うちの練習をゲームで行うよりも、メッセージを入力する方が効果があると感じます。

タブレットを活用し、まだまだたくさんの活動が可能になるようです。それらを学習の目標と照らしながら活用していきたいと思います。そして、学習の内容も効果的に理解でき、かつ、タブレットの活用にも慣れていけるようにすることが大事だと感じています。児童以上に学んでいかなければならないこと多いですが、しっかりとがんばっていきたいと思っています。

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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