2021.06.25
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魔の6月からの生還(第7回)

今回は、魅力的な学習課題については小休止としまして、魔の6月と言われているこの時期の乗り越え方を2つ紹介します。

明石市立錦が丘小学校 教諭 川上 健治

「魔の6月」の乗り越え方

今日は、魅力的な学習課題についての考察はいったん小休止し、「魔の6月」と呼ばれるこの時期の乗り越え方を私の経験則を交えて紹介していこうと思います。
今、少ししんどいなと思われている先生の少しの参考になれば幸いです。

1.子どもたちとの間で共有している学級目標・学級のルールは言えますか?

「学級目標は何?」「学級のルールは何?」と問いかけられたら、担任含め、クラスの子たちはすぐに答えられるでしょうか?

これは私自身クラスがしんどくなったときに、同じ学年の先輩の先生に言われた言葉です。その当時は、問題があるたびに、私はルールを作ってそれを抑えようとしていました。
例えば、とても簡単な例としては、「廊下を走る子が増えた」とすると、「廊下は歩く」のようなものです(これは極端な例です)。私は、そういって一方的に決めたルールを子どもたちに押し付けて、一つひとつ掲示していました。当時は、そうすることで、問題は少なくなると思っていたからです。
また、子どもたちにたくさんの目標を書かせては、それも掲示していました。すると、どうなるでしょう?担任の私含め、クラスの子は、何が決まっていて、何を大切にするべきなのかが到底分からなくなりました。また、私も色々決めごとを作った結果、何に基準を置いて指導すればよいかが分からなくなり、昨日行っていることと今日行っていることに整合性が取れなくなっていました。

そのことが教訓となって今では、「シンプルイズベスト」を目指しています。
どういうことなのかというと「何かあれば学級目標に必ず立ち返る」ということです。つまり、問題行動がクラスで起きたときに、「本当にその行動は学級目標に即したものですか?」と常に学級目標を意識させるのです。
すると、子どもたちの中に、少しずつですが、学級目標を意識した行動をとれる子が増えてきます。行動する善悪の価値基準が学級目標に即しているかどうかに置かれるからです。

だからこそ、今学級がしんどいなと思っている先生は、ルールや伝えることを複雑にせず、シンプルに学級目標を意識させ、「その行動は学級目標に即しているのか」という行動の価値基準をもたせられるような指導をすれば、担任も子どもたちもスッキリいくのではないでしょうか。

2.相談される先生も……

この時期、特に若手の先生と同じ学年をもたれている先生は、よく相談をもちかけられるのではないでしょうか。「学級がしんどくて…」「どうやったらうまくいきますか?」等々です。そんなとき、どう答えたらいいのでしょうか。
もちろん、時と場合、その人の性格も、また、相談する人の性格もあるので、千差万別でしょう。しかし、どのような場面でも「メンター(相談を受ける側)は、メンティ(相談する側)の自立を促すようなコミュニケーションが大事」という点は譲れないと思います。
教師は、職業上なのか「語りたがり・教えたがり」の傾向がある人が多いと感じています。従って、相談を持ち掛けられても「メンティに自立を促す」という意識が欠如し、ややもすれば自分の体験談を押し付けたり、武勇伝を「語って」終わりだったりということになってしまいがちです。
だからこそ、メンティが何を望み、何に困っているのかを聴き、そこからどういう解決策(手立て)があるのかを一緒に考え、考え得る全ての案を提示してあげるメンターでいたいものです。

そして、どの手立てをとるかは分からないが、いったんメンティが実行したいと決めたら、それを後押ししてあげ、実行に移してからも、一歩後ろから常に気にかけてあげる強い意識をもって、困っている若手の教師を救ってあげてほしいと思っています。

川上 健治(かわかみ けんじ)

明石市立錦が丘小学校 教諭
クラスの全員が楽しく学び合い「分かる・できる」ことを目指して日々授業を考えています。また、様々な土台となる学級経営も大切にしています。

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