2021.05.30
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NIEの再スタート

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

新聞記事の掲示

まずは「新聞トーク」から

今年度、長く勤めた学校から異動になりました。前任校では学校のNIE(新聞活用)担当として、児童が新聞に親しめる環境づくりや授業での新聞活用に取り組んできました。
今年度の異動を契機に、これまでの取組を棚卸して、改めて実践をスタートしていこうと思いました。学校が変わったことで、自分の実践を客観的に眺めることができます。改めて続けていく指導と、そうでない指導、そして、新しく始める活動などについて考えました。

まずは、ここ数年取り組んでいる「新聞トーク」(朝の会の時間を利用して新聞記事のスピーチをする活動)の時間は今年度も続けていこうと考えました。
ここ数年で、朝の活動になかなか新聞活用の時間が取れなくなりました。勤務する学校では英語の学習時間を確保するために、朝の時間をモジュールで活用することが最優先になりました。そのため、これまで新聞スクラップなどを行っていた時間が取れなくなってしまいました。それでも、新聞に毎日触れることが大切であると、朝の会の新聞トークを始めました。

年度当初に取り上げた記事は「新型コロナウイルス」流行に関する記事です。子どもたちも大変興味をもっており、私の話をよく聞いています。また、テレビのニュースで観たことや、家庭で話したことなどをみんなに発表してくれる児童もいます。
その後、社会科で勤務校があるさいたま市にある様々な施設や、地図記号について学習するので、それらに関係する記事を紹介するようにしました。

手軽に取り組める「いちまい新聞」

NIEの取組として、学習における新聞づくりも行ってきます。現在、新聞づくりは中学年の国語科で言語活動の一つとして取り上げられています。教科書では主に4年生に新聞づくりの単元が収録されていますが、その基礎となる力とするために、簡単な新聞づくりを担当する3年生でも導入しました。
導入した新聞は「見出し」「絵(写真)」「本文」の簡単な構成にしたもので、名付けて「いちまい新聞」としました。児童はこれまで生活科の学習などで同じような構成のワークシートに取り組んだことがあると思います。そこで、そのシートを新聞風に仕上げられるようにしました。

今年度、初めて取り組んだのが社会科における「いちまい新聞」です。さいたま市では、観光名所などのキーホルダーが作られているという新聞記事をもとに、児童がさいたま市で有名だと思う場所を見つけ、そのキーホルダーのデザインをするという学習活動を行いました。
自分が決めたさいたま市の名所(例えば、武蔵一宮氷川神社「通称:大宮氷川神社」やさいたまスーパーアリーナ、埼玉スタジアム2002など)のキーホルダーをデザインしていちまい新聞シートの絵の部分にかきます。そのあと、そのキーホルダーにふさわしい見出しを付け、記事として詳しい説明を書いて仕上げます。

子どもたちは思い思いにキーホルダーをデザインして、新聞にまとめていきました。今回は「見出しのつけ方」だけを少しだけ指導しました。
見出しの字数は10字から15字ぐらいで、見出しを見ただけで、そのキーホルダーの良さや特徴が分かるようにすることとしました。子どもたちは自分のデザインしたキーホルダーの見出しを一生懸命に考えていました。

「日本中から人がくるよ、氷川神社」
「さいたま市の一番人気、鉄道博物館」
「さいたま市で有名な大宮盆栽村」

など、大変工夫した見出しが多かったです。
今回の新聞づくりをスタートとして、これから様々な教科の学習で新聞づくりに取り組んでいきたいと思っています。

ファミリーフォーカスを目指して

現在、新聞の購読率が下がってきていることが時々話題になっています。毎年、担当するクラスの児童に家庭で新聞を購読しているかを調査しているが、ここ数年、家庭の約30%から40%ぐらいの購読率になっています。
もちろん、現在はメディアが多様化し、デジタル版で購読することもあると思います。また、テレビやインターネットのニュースを視聴する方も多いと思います。
しかし、紙の新聞には「一覧性」という良さがあります。新聞をめくると、自分が気になる記事が目に飛び込んできます。また、普段は関心のないテーマの記事にも目がいくようになります。そのような偶然の出会いができる紙の新聞をぜひICT全盛の時代でも大切にしていきたいと考えています。

子どもたちが学習に使っている新聞をぜひ保護者の方にも読んでほしいと思い、学級だよりに記事を添付しています(新聞社の許可をいただきました)。
今年は、社会科で地図記号の学習をするので、「東京五輪開催に向けて外国人の方のために地図記号が新しくなった」という記事を添付しました。この記事をもとに、家庭で地図記号や外国の方のための様々な工夫などについて話し合っていただければと考えています。
これからも、家庭にも学習で使っている新聞についてお知らせし、学校と家庭相互で、子どもたちが新聞に触れる機会を作っていきたいと思います。

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菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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