学校の様子を保護者の皆様に伝えたい
教員になって以来23年間、毎年担当する学級で「学級だより」を発行し続けてきました。学級だよりの名前は「そよかぜ」です。学級だよりが子どもたちにとって、そして保護者の皆さんにとってさわやかな風のような存在であってほしいと考えました。
毎年、クラス替えもあるので、子どもたちと一緒に学習できるのも1年間です。その期間が春のそよいだ、気持ちの良い風を受けているような時間でありたいと願っています。
普段は子どもたちの様子を保護者の方に見ていただく機会があまりありません。まして現在は新型コロナウイルス流行に伴って、保護者の方が学校に来る機会がさらに少なくなってしまいました。
私も自分の子どもが学校でどのような学習をしているのか、そして担任の先生がどんな方なのかを知るすべがあまりありません。そのような状態を親として大変残念に思っています。
そこで、私自身、学級担任として学級だよりを発行し、学校での様子や学習の内容を知ってもらうことで、家庭でも学校での活動に関することを話し合ったり、学習に出てきたところに実際に行ってみたりすることなどもできるのではないかと考えました。
ここ数年、毎週1回以上の頻度で学級だよりを発行しています。私の子どもの学校では、学年だよりに一括して情報は載せてあるので、学級だよりは共通で出さないという方針です。
もちろん、学級だよりを毎週発行するのは大変な面もあります。しかし、親として子どもたちが学校でどんな学習をしているのか、そして先生はどんな方なのかを知りたいと強く思います。
きっと、私が担当する子どもたちの保護者の皆様も同じように考えているのではないかと感じています。おそらく学級だよりが発行されれば、学校だよりや学年だよりよりも進んで読むのではないかと考えています。
学級だよりに盛り込んでいること
学級だよりを定期的に発行していますが、私も私生活では自分の子どもの世話もあり、勤務時間を超えて仕事をすることはあまりできません。そこで、発行しやすいように、学級だよりは簡易的な内容にしました。
そして、内容やレイアウトよりも必ず週に1~2回発行するという回数にこだわることにしました。今年度も今現在5回ほど学級だよりを発行しました。
保護者の方から連絡帳で、「学校の様子が分かってありがたい」という温かい言葉をいただき大変うれしく思っています。
学級だよりに盛り込んでいることの第一は、子どもたちの活躍の様子です。子どもたちをよく見ていると、「こんな姿があったんだ!」とびっくりすることがあります。
先日は、給食の時間に友達が落としたストローのごみを進んで拾っている子がいました。なかなかできないことだと思い、名前を挙げて褒めました。そしてぜひ保護者の方にも知ってほしいと思って学級だよりにも掲載しました。
また、係活動で友達のお誕生日を祝う仕事をもった子が、みんなの誕生日をメモして回っていました。係活動が始まったばかりなのに、責任をもって進んで仕事に取り組んでいる姿も学級だよりで報告しました。
このような子どもの何気ない行動が、保護者の方に知っていただきたい情報だと考えています。
学級だよりには授業の内容も盛り込んでいます。私も親として自分の子どもが学校でどのような学習をしているのか気になります。そして、どのように担当の先生が授業をされているのかも知りたいと思っています。そこで、授業で取り組んでいることを積極的に発信しています。
・体育で、小型ハードル走に取り組んでいること
・国語科でこれから辞書を活用し、いろんな場面で活用する準備をしていること
・社会科で、地域の見学をするための準備をしていること
・算数で、かけ算の方法について考えていること
等を盛り込んで、保護者の方にも知ってもらいたいと思っています。
これからも、学習内容に関する情報をどんどん発信していきたいと考えています。
学級だよりで積極的に発信!
先日、年度当初の学級懇談会がありました。
その中で保護者の方から、
「学校から帰ってきた子どもたちから聞く話も楽しみですが、先生の学級だよりも楽しみです」
「こんな頻度で学級だよりを出していただけて大変うれしいです。楽しみにしています」
「普段、学校のことをあまり話さないので、学校での様子を知ることができて大変うれしいです」
というお言葉をいただきました。
学級だよりを発行していく励みになりました。これらも学級だよりを発行し続け、学校での子どもたちの様子を伝えていきたいと考えています。
菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
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