第3波と体育・運動遊び
緊急事態宣言が順を追って各地域に発出されています。しかし園や学校は休園・休校になりません。どのように保育・教育を行っていったらいいのでしょうか?今回は具体例を紹介していきます。
旭川市立大学短期大学部 准教授 赤堀 達也
はじめに
新型コロナウイルスが猛威を振るい、大きな第3波が押し寄せています。緊急事態宣言が発出されましたが、園や学校においては休園・休校措置を取らずにいくことになっています。しかしそれは感染対策を行いながらも同時に授業を進めていくということになります。その際に最も難しいのは体育などの実技系の授業でしょう。過去何度かこのような事態がきた場合に備えた準備を提案してきました。今回、それが現実となっている今、どのような体育の授業をしていったらいいのか、具体的な事例を紹介したいと思います。
感染対策をしながらできる楽しい活動例
学校で行う最も多い感染対策は分散登校でしょう。そのため今回は少人数で行いソーシャルディスタンスなどの感染対策を意識して活動できるものをご紹介します。
①スポーツスタッキング
12個のプラスティック製のカップをピラミッドのように積み上げ、崩し、そのタイムを競う競技です。想像している以上にのめり込む競技で、3~4時間もぶっ続けで取り組んでしまう子どももいます。また競技以外にもカップを使用してけん玉やだるま落とし、タワー作りといったような様々な遊びに発展できるため、新指導要領で求められる「非認知的能力」の育成に向いている活動です。
②ラケットスポーツ
まず一つ目はラケットスポーツです。バドミントンや卓球、テニスなどは距離を十分に取ることができます。冬場、外でテニスをするのが難しい場合は、体育館のバドミントンコートを使用して行うテニス「テニポン」というニュースポーツもいいです。スポンジボールでスピードがあまり出ず、プラスティック製のラケットであるため軽くて扱いやすく、初心者でも楽しめます。ぜひ取り入れてみてください。
③ボッチャ
障がい者スポーツの一つで、ジャックボールという白い的玉に近づけるというカーリングのボール版のような競技です。動きは少ないですが、とても面白い競技です。カーリングの人気が高いため、楽しめる子どもたちが多いと思います。昨今、いろいろな障がい者スポーツに注目が集まり、日本人選手が多く活躍しています。そのような世界を知るきっかけとするのにもいいかもしれません。
④しっぽ取り鬼
よく行う鬼ごっこも少し工夫すると感染対策をしながら行うことができます。その一つがしっぽ取り鬼です(参照「学級あそび&授業アイスブレイク」)。相手の体に触れずにできます。決まった子どもしか活躍しないドッジボールと比べ、鬼ごっこ系はクラス全体の運動量がとても多く、コロナ禍でのストレス発散にもいいでしょう。また全員軍手などをしてボール鬼をするのもいいです。
最後に
3学期になり残り少ないなか、これまでなかなか楽しい思い出を残すことができてこなかった分、残り僅かなクラス活動はこれまで以上に楽しいものが求められるでしょう。
そのような先生方の想いを叶えるために、体育だけでなく、学級あそびや他教科、また園でも行うことができる活動集を『学級あそび&授業アイスブレイク』(明治図書)の本にしました。いろいろな先生方やスポーツクラブで行われている活動をまとめてあります。参考にしてみてください。
赤堀 達也(あかほり たつや)
旭川市立大学短期大学部 准教授・北海道教育大学旭川校女子バスケットボールヘッドコーチ
これまで幼児・小学生・中学生・高校生・大学生と全年代の体育・スポーツ・部活動指導してきた経験から、子どもの神経に着目したスポーツパフォーマンス向上を図る研究を行う。
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前 山形県立米沢工業高等学校 定時制教諭
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近畿大学 語学教育センター 准教授
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大阪市立堀江小学校 主幹教諭
(大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年) -
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兵庫県立兵庫工業高等学校 学校心理士 教諭
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浜松学院大学 現代コミュニケーション学部 子どもコミュニケーション学科 教授
前浜松学院大学短期大部 幼児教育科 特任講師 -
愛知県公立中学校勤務
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