2020.08.21
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1学期の有効であったMy手立て(第8回)

今回は、国語の授業から少し離れて、私が1学期に行って有効だった3つの手立てをご紹介します。
全国のどこかの先生の参考になればと思います。

明石市立錦が丘小学校 教諭 川上 健治

この原稿を書いている日が8月7日(土)です。私の自治体は、昨日6日(金)が終業式でしたので、ようやく一息ついたところです。そんな時だからこそ、ここで足を止めて、一学期を振り返り、今の目の前の子どもたちに有効であったであろう手立てのいくつかを紹介させていただきます。この日誌をご覧になられた先生の一つの参考になればと思います。

まず、約2か月間の休校を経て、6月に改めて出会った今の子どもたち。元気いっぱいで、とても人懐っこいです。しかし、横の繋がりはというと、人間関係が固定化していました。現に、「○○さんとクラスが離れて落ち込んでいる」という言葉を保護者からお聞きすることが何度とありました。「○○さんとずっと一緒にいてすごく仲がいい」というのは裏を返せば、「その子としか適切な人間関係を構築できていない」ということにもなります。それが、授業にも影響しており、発表となると、2、3人が挙手するだけ……まるで、発表するという役割が子どもたちの中でできあがっているような感覚になりました。だから、友だちが発表をしていても、どこか他人事、反応も薄い、その結果、学力が思うようにあがらない……という循環があったように私は感じました。そこで、私は、3つの手立てを考えました。

①人間関係を繋ぐ

まず一つ目は、人間関係を繋ぐことです。

人間関係でも、特に横の関係を繋いでいきクラスをチームにすることです。これは、このつれづれ日誌にも何度か書かせていただいたのですが、横の関係ができない限り、授業は間違いなく上手くいきません。極端な話、学級崩壊をして、人間関係がバラバラなクラスで、授業の名人が飛び込みで国語の授業をして果たして納得のいく授業ができるのかという話です。横の関係を繋ぐために行った手立ては、クラスミーティングです。サークルになって自分たちの課題(テレビ番組を参考に、3年1組○○問題と名付けていました。)を話し合い、解決していこうとみんなでしました。サークルになって話し合いを重ねることで、社会的欲求である、「ありのままの自分を受け入れてくれるという所属感」も得られます。この所属感が高まるからこそ、クラスのために、友だちのためにと動けるのです。

また、所属感を高めるために、一人一役プロジェクトも行いました。係を細分化し、毎日係の仕事をするというものです。これは、細分化しすぎたために、毎日行えないような係まで作ってしまい、2学期に向け、まだまだ改善の余地がありました。その代わりに、誰もが設立できるようにした会社活動は有効だったと思います。この会社活動の条件は、「クラスのため、友だちのためになること」のみです。成功するとポイントとして5ポイント与えます。このポイントは席替え時や給食のおかわり時に使用できます。すると、子どもたちは、たくさんの楽しいことを考えてくれました。最初は、仲間内だけでしたが、あれよあれよと色んな友だちを巻き込んで取り組み、中々前に出られない子からも「みんなが色んなことを考えてくれて楽しかった」という声も聞きました。それらのことからも、この会社活動は人間関係を繋ぐのに有効であったように思います。これらの手立てをしながら、やっとクラス全員が発表できる日も増えてき、授業にも少しずつ活気がでてきました。

②学校生活を自分事にする

次に、学校生活を自分事にするということです。

先にも書きましたが、発表する役割が決まっており、どこか他人事ということが多かったです。学校生活をいかに自分事にするにはということで、毎日の振り返り日記を書かせました。その日あった出来事をB5サイズの用紙に毎日、帰る前に書かせます。数分間子どもたちは真剣にその日あった出来事に思いを馳せながら考えます。何があったのか、その時に自分はどう行動して、どう考えたのか。まさに、その日の1日を自分事として捉えている時間です。その日クラスであったことは、「誰かが何かしているなー」ではなく、自分も所属しているクラスだからこそ、関心をもつべきなのです。その為の、振り返りです。そして、これには嬉しい副産物も。それは「書く力」が育つということです。真剣に考えB5サイズの用紙を文字で埋めるのです。それも毎日です。実際に、最初は2行くらいしか書けなかった子が、1学期の終わりには2枚、それも裏表書けるようになっているのです。それが、その子の自信にも繋がっています。

③クラスの決まりを共有する

最後は、クラスの決まりを共有するということです。子どもたちと日々過ごしているときまりについてあれこれ言いたくなります。大きいことから小さいことまで本当に様々なことをです。しかし、その時、その瞬間は、子どもたちも理解したつもりになっていたとしても、すぐに忘れます。だからといって、言ったことを片っ端から掲示してもそれはそれで子どもたちからしたら鬱陶しいだけです。では、どうするか。私のクラスでは、クラスにおいて大切なきまりを合言葉として短冊にまとめ掲示しています。そして、ことあるごとにこの短冊を見て、確認しています。そうすれば、すぐにクラス全員でその時のきまりを共有できます。

まとめ

私は、以前までたくさんの本などを読んでおり、そこにはたくさんのキラキラした実践が載っていました。そして、仕入れた実践をあれもこれもと手を出し、実際に行っていました。しかし、そうすると、本当に大切なものはなにか自分でも分からなくなります。掲示しているものは、ただの飾りになり、子どもたちに伝えていることもバラバラ……。そこには、目の前の子どもたちに合わせ、自分の思いをもつという当たり前の視点が欠けていました。そんな失敗をしたからこそ、引き出しはたくさん持とうとはするものの、そこから子どもたちには、今の目の前の子どもたちと自分の大切にしたいものとの合致している手立てを考え、提示します。今回、人間関係を繋ぐためのクラスミーティング、学校生活を自分事にするための振り返り、そして、考えを共有するための合言葉の掲示を紹介させていただきましたが、どれも今の目の前の子どもたちには、大切なことです。ご参考になれば幸いです。

川上 健治(かわかみ けんじ)

明石市立錦が丘小学校 教諭
クラスの全員が楽しく学び合い「分かる・できる」ことを目指して日々授業を考えています。また、様々な土台となる学級経営も大切にしています。

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