「通級による指導」で大切なこと<2> "苦手なことをできるようにする"だけでなく、"苦手を補うスキルを身に付けさせる"!
苦手なのは仕方ないので、苦手を補う力を身に付けさせましょう!ということについて、まとめました。
福生市立福生第七小学校 ことばの教室 主任教諭 博士(教育学)公認心理師 臨床発達心理士 髙橋 三郎
苦手なことをできるようにする
通級による指導を受ける子どもの多くには、おそらく何らかの“苦手なこと”があります。たとえば、読み書きが苦手、算数が苦手、一時的に記憶したり記憶したことを操作したりする力(ワーキングメモリー)に苦手さがある……など。
そういった“苦手なこと”そのものにアプローチし、その力が伸びるように支援することはとても大切です。一方、そのようなアプローチには限界があります。どんなに教員側が工夫を凝らしても、そういったアプローチは児童にとっての負担感が大きいです(もちろん、やらなくてはいけないことですが……)。
苦手を補うスキルを身に付けさせる
私は”苦手なこと”へのアプローチとともに、”苦手を補うスキルを身に付けさせる”ことにも、かなり力を入れて指導しています。たとえば、流暢に文章を読むことが苦手なお子さんに対しては、まとまりで捉えて文字を読む練習などを行い、文章をスムーズに読めるように指導しますが、それだけでなく、自分で読むのではなく、自分の代わりにタブレット端末に教科書を読んでもらうという方略を身に付けさせるといったことも行っています。そういった”苦手を補うスキル”を身に付けさせることも、私たち通級指導の教員たちの大事な責務です。
他にも以下のような”苦手を補うスキル”があると思います。
何度も繰り返し教えていくことが大切です
“苦手を補うスキル”は一朝一夕では身に付きません。何回も繰り返し、児童に教えていく中で、やっと身に付いていくものです。しかし、ぜひそれぞれの先生方で取り組んでみていただければと思います。
髙橋 三郎(たかはし さぶろう)
福生市立福生第七小学校 ことばの教室 主任教諭 博士(教育学)公認心理師 臨床発達心理士
大学院で博士号を取得し、現在はことばの教室で子供達と向き合う日々を過ごしています。言語障害や発達障害に関する知見や指導方法を様々な先生方と共有できたらと思います。
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