2022.06.19
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パラスポーツ「ボッチャ」をやってみよう

ボッチャというスポーツの魅力についてこれまで何度かお伝えをしてきました。
私も学校や障がい者スポーツを指導する場面で、実際にボッチャの楽しさを伝え、ボッチャの魅力を伝えることに貢献できているといいなぁと思っています。
今回はボッチャの特集の最後ということで、細かな動きや意識という要素を交えながらお話していきたいと思います。今回もよろしくお願いいたします。

信州大学教育学部附属特別支援学校 教諭 丸山 裕也

指先の動きを意識して

ボッチャボールの進む向き

ボッチャの投球は様々です。
以前にもお伝えしましたように、ランプという滑り台のような道具を滑らせる方法や、蹴る方法もあります。

しかしながら、いわゆる「投げ」というフォームのときには、指先に意識が向くように投げることが、狙った方向に投げる方法の一つではないかと思っています。

ボッチャのボールそのものは、中に粒子の入ったボールで、外側の素材は様々です。当然、ボールの種類によって投げる時の感覚や、転がり方も異なります。しかしながら、どのボールを投げるときでも、指先に意識を向けていないと、狙ったところへ行かないことが多いように思います。

指先に注目をしてみると、投げ終わった後に写真のように中指が向いている方向に向かってボールが進むことが多いです。

とはいえ、身体が曲がっていたり、ぐらぐらしているようでは、球は真っすぐに進んでいきません。
身体の正中線、特に自分のおへその位置を気にして、自分のスタンスが真っすぐになっているか確認しましょう。慣れないうちは、片膝をついたり、両膝を床に付け、少し低い位置からスローすると、指先を意識して投げやすいです。

私は投球フォームをタブレット端末などを活用して、動画で後で確認することができるようにしています。
口で、「もっと右、左!」というよりは、視覚的に自分の姿を確認した方が分かりやすいですよね。


スポーツマンシップも忘れずに

きちんとそろえられたボール

剣道でも、サッカーでも、野球でも、どのようなスポーツでもスポーツマンシップや、インテグレティ(高潔さ)を大切にすることは言うまでもないですが、それはボッチャも同じことです。

使い終わった道具は布で乾拭きすることや、大切に扱うことは伝えていきたいですね。また、一緒に気持ちよくプレーをするために最初にあいさつをすることや、相手の健闘を讃えることなども大切なことなので伝えていきたいです。

最初は、試合が終わったらボールは置きっぱなしでやりっぱなしだった子どもたちも、だんだんとボッチャを通じてスポーツマンシップを理解していくと、写真のように次に試合をする人たちのために、試合おわりにボールをそろえてくれました。

気持ちよくプレーをするために、こういった意識を育てていくことも大切にしたいですね。

ボッチャがもっと広がりますように…

ということで、三回にわたりボッチャについて、なるべく浅くいろいろなことをお話してきました。

私の文章でその魅力をお伝えすることは難しかったかもしれません。それでも、「ちょっとボッチャやってみようかな」と思ってくれる人が少しでも増えてくれたらうれしいですね。

今回の記事も読んでくださり、ありがとうございました。

丸山 裕也(まるやま ゆうや)

信州大学教育学部附属特別支援学校 教諭
公認心理師、学校心理士、障害者スポーツ指導員(初級)、福祉用具専門相談員
「あした、またがっこうでね。」と、子どもも教師も伝え合うことができるような、楽しい学級づくりを目指しています。また、障害のある子どもたちの心の健康について、教育と心理の二面からアプローチしていく方法を考えています。
特別支援学校で出会ってきた子どもたちとの学びを、皆さんにお伝えしていきたいと思っています。


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